ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『007/カジノ・ロワイヤル』

2006-11-17 09:19:31 | 新作映画
(原題:CASINO ROYALE)

----おっ、ついに出たニャ。
本家本元の『007』。
これって、新ボンド役のダニエル・クレイグが
007のイメージではないとかで、
ファンが騒いだんだよね。
監督もなかなか決まらなかったみたいだし。
「しかも、『これは、若きジェームズ・ボンドが“007“になるまでの物語』
と銘打っているように、
この映画は、これまでの作品とはかなり違う。
このシリーズって、ショーン・コネリーに始まって、
ロジャー・ムーアで、完全お子さま向けになり、
『ムーンレイカー』では、ついに宇宙にまで飛び出す。
その後、アクション志向に回帰するものの、
今度はテクノロジーが全面に出すぎてしまう。
つまりいつの間にかボンドと言うキャラが不在になっていて、
後半はどれがどの物語か、
はっきり思い出せないくらい
いまいち個性がなくなっていた」

----で、今度はもう一度現実の世界に戻そうとしたってワケだよね。
「そういうことになるかな。
オープニングはいつもド派手な映像を見せて、
そこからその回のテーマソングが
少しエロチックなタイトルバックに乗せて
流れるわけだけど、
今回は、イラストがボンド自身の上、冒頭のエピソードがモノクロ。
そこではボンドが
殺しのライセンスを取得するための<昇格試験>の様子が描かれる。
その雰囲気からして、
これはハードボイルドな本格スパイ映画になるのかと…」

----でも違ったってわけ?
「この後、
ボンドとバクダン男の
まるでお互いのタフネスぶりを競いあうかのような
ノンストップ・アクションが続くわけだけど、
これがまるで<ヤマカシ>のシリーズを観ているかのよう。
一歩踏み外せば即あの世行き。
目も眩むような高所でのバトルが展開する。
ストーリーを簡単に話すと、
今回の敵はテロリストに資金提供しているル・シッフル(マッツ・ミケルセン)。
彼は、爆破などのテロによる株操作で
預託された金を大きくふくらませる死の商人。
ところが、ボンドの活躍で飛行機爆破に失敗。
株で資金に大きな損失を蒙った彼は、
カジノでのポーカーに全てを賭ける。
そしてそれを阻止するためにボンドが送り込まれるというわけだ」

----ニャるほどね。
それが巷で言われているボンドの最初の任務というわけ?
「そういうこと。
そこにボンド・ガール、ヴェスパー(エヴァ・グリーン)も絡む。
そしてこの女性との恋が、ボンドのキャラを確立させる上で
大きな役割を果たしていた……というのが大枠だね。
いわゆるボンド誕生編。
ボンドには切り離せないアストンマーティンも64年型が登場。
これは『ゴールドフィンガー』で使われたもので、
それをボンドが賭けでゲットすると言うおまけもついている。
他にも、オメガの腕時計、
ハンドメイドのタキシード、
さらにはゴードン・ジン3、ウォッカ1、キメイ・リレ1/2でシェイクし、
レモンの薄切り皮をのせた、かの特製マティーニなど、
ボンドのルーツを改めて丁寧に紹介してくれる。
ただ、ここまでやるなら時代を現代じゃなく、
60年代に設定すればいいような気もしたね」

-----若きボンドだけど
その舞台は現代ニャんだ?
「そう。M(ジュディ・デンチ)のセリフにも
『冷戦の頃は~』なんてのがある。
今回はこのMが大活躍。
彼女は若きボンドに手を焼くし、
その住んでいる部屋まで出てくる」

-----そんなにボンドは大変な子だったの?
「治外法権の大使館に乗り込んで乱射したあげく爆破。
かと思えば敵から凄まじい拷問を受けて療養したり、
恋に溺れて辞表を提出したり。
その異色ぶりによって
映画としては、シリーズの中でもかなり記憶に残る方だと思うよ。
ただ、ポーカー勝負で一件落着してからが長すぎ。
さすがにラストは、例の言葉でキメテくれるけどね」

-----例の言葉って?
「マイ・ネーム・イズ・ボンド、
ジェームズ・ボンド」

-----あっ、そうか?

                      (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「いつのまにか、みんな“ゼロゼロ”から“ダブルオー”になったニャ」身を乗り出す


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24 コメント

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Unknown ()
2006-11-17 16:18:58
原作にもあったあの拷問シーンにはもどしそうになりました。椅子の底をくり抜くところから、あああ始まりか、アレやるのかと…気分が悪くなりました。
それはともかく、好きも、嫌いも、いろいろとあるのですが、ひとつだけ。
「マイアミバイス」もそうだったようですが、ケータイが、アクション映画の国際色豊かなスケールを殺すことを再認識。大阪出張も海外出張も、もう同じ。

先日、楽天のメッセージの方に一筆入れさせていただきました。お返事お待ち申し上げます。
返信する
ケータイと007 (れがあるF)
2006-11-17 16:21:55
原作にもあったあの拷問シーンにはもどしそうになりました。椅子の底をくり抜くところから、あああ始まりか、アレやるのかと…気分が悪くなりました。
それはともかく、好きも、嫌いも、いろいろとあるのですが、ひとつだけ。
「マイアミバイス」もそうだったようですが、ケータイが、アクション映画の国際色豊かなスケールを殺すことを再認識。大阪出張も海外出張も、もう同じ。

先日、楽天のメッセージの方に一筆入れさせていただきました。お返事お待ち申し上げます。
返信する
■れがあるFさん (えい)
2006-11-17 21:20:34
こんばんは。

あの拷問シーンは、凄まじかったですね。
ボンドの痛がり方が、リアルすぎて、
観ているのがつらかったです。
(真っ裸というのもきつかったです)

メディアの発達はスパイ映画には致命的。
安っぽく感じてしまいます。
『M:I:2』あたりから、その傾向は出ていたと思います。

楽天へのメッセージ、先ほど確認いたしました。
ありがとうございます。
後日、お返事差し上げたく思います。
よろしくお願いいたします。
返信する
えいさん★ (mig)
2006-11-23 11:14:25
こんにちは。
はずかしながら、、、、初の007です
面白かった♪
返信する
■migさん (えい)
2006-11-23 22:02:36
こんにちは。

『007』初体験がこの作品というのは……
う~む。
やはりショーン・コネリーの作品も
ご覧になることをオススメ。
『007/ゴールドフィンガー』なんてどうでしょう?
返信する
原点 (charlotte)
2006-11-24 00:18:05
こんばんは。
そうですよ、時代設定が現代というのはちょっと意外でした。でも誕生編だし…そういう意味では今までのボンドを切り離して考えたらNEWボンドということになりますね。
いろんなアイテムのルーツが説明されていて、ファンにはちょっと嬉しいのでしょうか。
原点に戻ってくれて多少ホッとした面もありましたー。笑
返信する
■charlotteさん (えい)
2006-11-24 18:41:57
こんにちは。

久しぶりにスパイ映画としての007を観た気がします。
ただ、少しハードすぎるのが、個人的には難でした。
60年代的なのどかなエロチシズムもほしかったです。

----って、これ、結局は
自分がコネリー版ボンドから離れられないということなのでしょうね。
返信する
タイトルロールのイラスト (bakabros)
2006-12-01 17:52:14
独特の歌謡曲チックなテーマ曲とか、書こうと思っていたのですがすっかり忘れていました。あの体が気になって、そればっかりになってしまいました。
あの拷問シーン、女には辛さがよくわからないかも。でもダニエル・クレイグの演技の凄まじさにビビりました。
しかも裸の肉体が凄すぎてそっちばっかり目が行ってしまいました。
「YAMAKASI」アクションには興奮しました♪
私も初007だったので、オメガの時計が? とかわからなかったシーンもありましたが、初めての人でも楽しめる映画だったと思います。キメの台詞、ここで来るか!としびれました☆
返信する
ガンバレル (starless)
2006-12-02 18:10:16
こんばんは。

ラストもそうですが、オープニングのガンバレルの使われ方にもハッとしました。

全く期待していませんでしたが、とてもいい出来だったと思います。と同時になんともさみしい気分にもなり、複雑な心境です。
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Unknown (えい)
2006-12-02 19:36:56
■bakabrosさん

こんにちは。
今回の主題歌はぼくは
マット・モンローが歌っていた頃の
初期007を思い出しました。
拷問シーンは話題になっていますね。
とりわけブログでは女性の方で
言及されているケースが多く、
ふむふむと、
わけの分からないうなずきをしています(笑)。


■starlessさん

こんばんは。
先ほどレビュー拝見しました。
なるほど、これは新シリーズの始まりですね。
ついにショーン・コネリーの呪縛から
一歩踏み出したと言うことでしょうか?
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