マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

三遊亭きつつき、目出度く真打ち昇進

2013年04月24日 | 映画・美術・芝居・落語

 我が愛する落語家のひとり”三遊亭きつつき”が、目出度く、真打”四代目三遊亭萬橘”に昇進した。それ祝っての昇進披露落語会があちらこちらで行われている。その中でも、三遊亭円左衛門主宰する「やねせん亭」での第24回公演は、謂わば内々のお祝い会だった。私見では、彼はここを巣として、飛び立ったのだから。
 福島の旅から帰宅した翌日の4月17日(水)、これは是非との思いで、久し振りの”やねせん亭”に出掛けた。昨年までは毎回のようにやねせん亭に出向き、そこで三遊亭兼好を贔屓する様になり、三遊亭きつつきを知った。彼は、異色の、型破りの落語家に見えた。時として、客の反応が鈍いと、不貞腐れて低調な語りの時も見られたが、最近は安定した高座で、テンポの速い語りが私は好きである。
 彼は、
政大学で落語と出会い、同大学を5年で中退後、2003年に三遊亭円橘に入門。10年での真打ちは早いと言うべきか、私は分からないが、異空間より飛び出したような不思議な雰囲気を持つ、人呼んで「オペラ座の怪人」ならぬ「落語の怪人」と言われている。 





 さて、師匠も駆けつけた
第24回やねせん亭は、前座に続き
 
三遊亭王楽    「つる」
 三遊亭兼好    「黄金の大黒」
 三遊亭円橘    「関取千両幟」(特別出演)
 中入り
 
マジックジェミー  「マジック」
 と続き最後に萬橘が登場し「佐々木政談」を語った。

 名奉行で知られた南町奉行・佐々木信濃守が、非番なので下々の様子を見ようと、田舎侍に身をやつして市中見回りをしていると、新橋の竹川町で子供らがお白州ごっこをして遊んでいるのが目に止まった。お奉行様、その時奉行の佐々木信濃守を演じていた四郎吉に興味を抱き、後日奉行所に呼んで、難問を繰り出す。「星の数を答えてみよ」との問いには、逆に「それではお奉行さま、お白州の砂利の数は?」と問いを返され、一本取られてしまう。後日四郎吉は近習に取り立てられたという、サクセスストーリー。
 その遣り取りがこの落語の面白さ。萬橘は、余り間を取らず、一気に語ってしまう。その速いテンポが心地良いし、また彼の持ち味。今後どんな風に羽ばたくのか、楽しみにしながらも足を運びたい。