中古DVDで購入した「Jam Films」という短編映画集をちょっとずつ見ていたのだが、本日全部見終わった。
今の日本の有名所な監督陣による短編集という事でそれぞれの色の出た映画が見れて面白かったのですが、全体的に無茶苦茶面白いかというとそうでもない感じだった。作品として特にまとまりもなくみなが好き勝手に作ってるような印象でもあるのだが、その割にどれも変にまとまってるというか落ち着いていて暴走してない所がちょっとつまらない印象。もっとそれぞれの個性を爆発させてくれても良かったのでは?って気にはなりました。短編ならではの面白みをもっと期待しちゃったなぁ。
「the messenger -弔いは夜の果てで-」監督:北村龍平
これはその中でも監督らしさが出ていてなかなか面白かった。ワンセットものだけどストーリーに興味を湧かせる作りだったし、最後もなるほどとしっかりオチというかまとまりがあって短編ならではの面白さが感じられた。
「けん玉」監督:篠原哲雄
日常切り取り系のちょっとした面白話。オサレな作りとなっていて有名タレントが出ていて綺麗な映画に仕上がっているのだけども、なんか物足りないものを感じた。オサレな学生さん達が自主映画でこういう映画を作りそうだな。
「コールドスリープ」監督:飯田譲治
色使いだとか世界感は面白かったけど、もう少しひねりが欲しかった印象。でも、なんか嫌いにはなれない良さは感じられた。B級な楽しさ面白さは好感が持てた。
「Pandora -Hong Kong Leg-」監督:望月六郎
まとまってたし、なかなか面白いんだけどあんまり趣味ではない感じ。官能的とかそういうのって、そんなに好きじゃないので分からないんだけど、まぁ上手い事描いてるとは思った。吉本多香美がいい表情してた。
香港で撮ったのかどうか分からないけど香港イコール水虫っていう風な狙いは分かった。
「HIJIKI」監督:堤幸彦
題名からは一番つまらなそうな印象を受けたのだが、これが実は一番面白かったかもしれない。
ブラックなユーモアが効いている。流れ的になんとなく先は読めちゃうんだけど、一番普通の映画ではやりそうもない展開にひょうひょうと流れてゆくのが可笑しくて面白かった。不思議な魅力に溢れた怪作。
なんか舞台劇を見ているようでもありましたが、ワンセットと役者のキャラクターを生かした物語と見せ方に短編ならではの面白さを感じました。
「JUSTICE」監督:行定勲
ブルマ姿のアイドルを撮りたかったのかなぁ。その趣味が炸裂出来たんだとしたら監督らしさも一番出ていて良かったんかもしれないけど、ちょっと見る側としては置いてきぼりな感じだな。最後に何か凄いオチでも用意されていれば、成る程~と唸らさせてしまうのかも・・だったのだが今イチ何が見せたかったのか?やりたかったのか?が分からなかった。なんでポツダム宣言か?とかね。新井浩文氏のキャラは相変わらず良かったけど出番少なかった。主役よりも教室にいた落書きしてる奴とか脇役の方が魅力的で面白い事やってたように思う。くだらなさという点ではちょっと好感は持てた。
「ARITA」監督:岩井俊二
これも監督らしさの出たいい感じの映画だった。絵日記みたいな作りでオシャレ系。広末涼子1人しか出演者のいない映画だが飽きずに見れる映画だった。物語が面白いし語り口も良かった。短編として丁度良い映画だったと思う。さらりと見せ切る辺りが上手い。そんな映画でしたが、ちょっとさらりとしすぎて後には映像のトーンぐらいしか印象には残ってないような気もしました。映像のトーンはさらりとしてるものの色々と細かな調整が加えられているのが凄く感じられました。