……といってもだいぶ前の話で、冬コミ原稿があったのでなかなかクリア後のレビューを書けないでいました。
しかしレビューが遅くなった理由はそれだけではありません。
その理由はレビューを読んでくれれば分かってもらえるかと。
なお、今回の日記はゲーム本編のネタバレがありますけど、まあ大丈夫だよね?
僕がゲームをプレイする理由はたくさんあるんですが、その中の一つに、「ビックリさせられたい」と言うのがあります。
ストーリー的などんでん返し、グラフィックの凄さ、奇抜なシステムなどなど。
そういうビックリを体験したい、という気持ちがあります。
そこでこの「ヨイヤミドリーマー」ですが、その予想の裏切りっぷりたるや、なんというかもう、その、なんだ、
こんな感じになりました。
いやだってこれ誰でもほのぼのゲーだと思うでしょ!?
実際四面までは夢の中を冒険するほのぼのゲーでした。
しかし本編は折り返し地点となる五面で一気にその様相を覆します。
後半ステージの、今までオプション=仲間として共に戦ってれていたチルノ、リグル、ミスティアが敵に回るという展開はもう完全に予想外中の予想外。
そりゃあ虎眼先生にもなるってなもんですよ! 誰だってそーなる。俺だってそーなる。
このゲーム、基本的にOPとED以外はゲーム中ではキャラクターのセリフは一切表示されず、全て吹き出しの中の絵とアクションのみでキャラの心情を表現しているわけなんですが、その仕様が後半ステージで一気に生きてくるのは計算づくなんでしょうか。計算づくなんだろうなあ。
もう余計なセリフがない分、痛々しさが伝わってくるんですよね。
そして個人的にここがうまい!と思った点が、後半ステージではストーリーの展開上、今までアイテム取得で仲間になってくれた三人が出てこなくなるんですが、その喪失感のプレイヤーへの伝え方がもう素晴らしい。
アイテムを取ろうとしても砕け散ってそのままなくなってしまうという演出の喪失感たるや……。
そしてもちろん後半面は難易度が高いんですが、その一因は間違いなくオプションの助けがなくなること。
ただ単に難易度が高くなるというだけでなく、仲間の助けがなくなったルーミアの不安感や喪失感が、プレイヤー自身に伝わるんですよね。
この「ゲーム内のキャラとプレイヤーの心情のシンクロ」というのは僕がゲームに求めるものの一つなんですが、作ってる側としてはそうそう簡単にできることじゃないですよね。そこにシビれる憧れる!
そしてバグって崩れて行くステージ。もうラスト付近にはステージ自体前半の面影はまったくありません。
こういうバグ崩れ演出もツボです。現実ではなく夢の世界という設定を最大限に活かした演出。
そしてBGM。
このゲーム、さり気なくBGMがすっげーいい出来だと思うんですよね。
BGMでも前半面と後半面の落差がはっきりと出ていて素晴らしい。
東方アレンジはいろんな方向性がありますが、前半面の「楽」に対して後半面は「悲」の色彩が色濃く出ていて良いです。
そしてラストステージ、男のロマンの一つ、「もう一人の自分との戦い」!!!
もうね、この時点で悟るわけですよ。
ヨイドリはただのほのぼのゲーではない。もっと燃える何かだ。
プリンセスクラウン、ボーダーダウン、斑鳩などなど、「プレイヤーキャラの分身との戦い」や「自機と同等の能力を持った敵との戦い」は清く正しい男の子なら燃えざるを得ないシチュエーション。
これで燃えないXY染色体保持者は精神的に去勢されていると言っても過言でも華厳でもない!!
ようやくラスボス、もう一人のルーミアを撃破したかに見えた瞬間、反撃によって倒れ伏すルーミア。
そこに助けに来たのは――偽物の幻影を撃破し、本物のチルノ、リグル、ミスティアが現れる!!
この失っていた仲間がラスボス戦で一気に集まるという王道シチュエーション!!
開発者の皆さんは俺をこんなに燃えさせて一体どうする気なの!? 何が望みだ! 言え!! っていうかもう好きにして!!!!(五体投地)
このゲーム燃えポイント多すぎです。心臓に悪い。
さらに最後の最後でラスボスが使ってくるスペカがタイトルと同じ「ヨイヤミドリーマー」って辺りも最後まで隙がない!
この「作品タイトルが作中でキーワードとして使用される」もツボの一つでしてもうわたくしクリアまでに全身の経絡秘孔をまんべんなく突かれて無事死亡。うわらば!
もはや肉片と成り果てるわたくしでした。
えー、「ヨイヤミドリーマー」、間違いなく2015年最強の燃えゲーです。
では最後に、最高の賞賛の言葉とともに筆を置きたいと思います。
お美事!
お美事にござりまする!
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