A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

冬コミ戦利品レビュー・東方編その15

2019-04-17 23:42:05 | 同人誌感想

 早くしないと4月が終わるどころか平成が終わってしまう……。

・兎の北斗七星 マミアナノクナガイ Not too BAD,Not too GOOD(折葉坂三番地)
 既刊も含めて今回入手したのでまとめて感想を。
・兎の北斗七星
 鈴仙や豊姫たち月の面々の過去を、宮沢賢治の「烏の北斗七星」をモチーフに描いた一編。
 表紙、そして本の紙質、青色のインクで印刷された本文と、作品の文章以外の部分でも、作品の雰囲気というか匂いを表現していると感じました。宮沢賢治の世界観らしさ、「イーハトーヴォ感」とでも言いましょうか。
 本文の文章、語彙なども宮沢賢治の世界観に強く寄せていて、昔絵本で読んだ「銀河鉄道の夜」を思い出しました。
 特に、本文の文字色が青いのがよーく効いてる感じです。文体とも相まって、月の世界の荒涼感を強く感じ取れました。
 東方の世界観やキャラクターは、不思議と色んなジャンルや世界観に合うものですが、この宮沢賢治とのクロスオーバーは一段と高い親和性を感じます。
・マミアナノクナガイ
 漢字にすると「狸穴の婚い」となります。
 読んでるあいだじゅ、えっろーい!!と思わずサーバルちゃんになってしまいました。
 マミゾウさんはもっと小鈴ちゃんを手篭めにするべき。
 なにがえろいって、Rー18なので濡れ場がメインなんですが、直接的な描写よりも行為中に小鈴ちゃんの髪に付けてる鈴が音を立てる描写が最高にえろいです。
 あと、コトが済んだ後に阿求とすれ違うシーンが最高にキました。
 というか小鈴ちゃんはなんでこういう背徳的なシチュエーションがこんなに似合うんだろう……。
・Not too BAD,Not too GOOD
 わたくしかねてより「優れた作品判定ポイント」のひとつとして、「そこにはないはずの情報が感じられる」を挙げているんですが、本作ではそれが感じられました。
 本作に感じた「そこにはないはずの情報」は、「湿度」「湿気」です。
 紫苑と女苑がねぐらにしているあばら家の描写が薄暗い生活感に満ちていて好きですね。
 また、わたくし小説作品を読んでいる時はなんとなーく映像と声を思い浮かべながら読むんですが、本作を読んでいるときに頭に浮かんだ映像はなんだか写りの悪い8ミリビデオにノイズ混じりの音声で脳内再生されました。
 本作でのこの二人が暮らすあばら家には、たくさんの意味があるんだろうなーと感じました。
 二人が帰ってくるための場所でもあり、逆にお互いが孤独を感じる場所でもあるという。
 原作本編でそれぞれが自分の家とは別にパートナーや居場所を見つけている二人の、重なるようで重ならない、離れるようで離れ切らない距離感に微笑ましさと同時にある種の悲しさも感じます。

 今日はここまで。

コメント
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