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京都:世界遺産散策〔高山寺〕“鳥獣人物戯画”

2012年10月17日 | World Heritage in Japan
10月14日 京都の世界遺産「古都京都の文化財」の社寺廻りにて、『高山寺』を散策。
日本のマンガのルーツと知られる国宝“鳥獣人物戯画”。『高山寺』の『石水院』にて展示(レプリカ)されています。“鳥獣人物戯画”は、平安末期から鎌倉初期の作品とみられる全4巻(甲・乙・丙・丁)の墨画絵巻。擬人化されたウサギやカエル、猿などをモチーフに、当時の庶民の暮らしぶりなどをユーモラスに描写した甲巻が特に有名です。乙巻は実在空想上を合わせた動物図譜。丙巻は前半が人間風俗画、後半が動物戯画。丁巻は勝負事を中心に人物が描かれています。甲乙巻が平安時代後期の成立、丙丁巻は鎌倉時代の制作と考えられています。中でも甲巻は白眉とされ、世紀末的な世相を風刺したものと云われ、仏画や戯画の名手と伝わる鳥羽僧正覚猷(かくゆう1053~1140)の筆と伝えられていますが、他にも絵仏師定智、義清阿闍梨などの名前があがっています。いずれも確証はなく作者未詳とのことですが、天台僧の「をこ絵」(即興的な戯画)の伝統に連なるものであろうと考えられているそうです。
今や日本文化を代表するマンガやアニメーションの原点が“鳥獣人物戯画”にあります。ウォルトディズニーのミッキーマウスが“鳥獣人物戯画”からの派生といわれても不思議に思いません。
“鳥獣人物戯画”は当時の絵画を代表する傑作として国宝に指定されていますが、現代に通じる国宝なのだと思いました。

 国宝“鳥獣人物戯画”   (東京国立博物館に寄託)
    甲巻  縦30.6cm  全長1148.4cm
    乙巻  縦30.6cm  全長1189.0cm
    丙巻  縦30.9cm  全長 933.3cm
    丁巻  縦31.2cm  全長1130.3cm