おてんきぷらぷら

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とんび

2022年05月11日 | Movie

5月3日 直木賞作家・重松清氏のベストセラー小説『とんび』が、阿部寛さん×北村匠海さん共演で映画化されるとあって、重松ファンとしては待ちに待った公開早々イオンシネマ・シアタス調布にて鑑賞して参りました。小説『とんび』は、一組の親子の絆を描いた感動ストーリー。妻に先立たれ不器用だけれど深い愛で息子を育てた父と、一歩一歩まっすぐな大人へと成長していく息子の不滅の絆を描いた小説は、累計60万部を超えるヒットを記録。過去2度TVドラマ化もされていますが、今回は初の映画化です。重松清氏に初めて触れたのは『流星ワゴン』でしたが、そこに登場するドライバーが何と私と漢字が一文字異なるものの同じ読みの同名、かつ母を亡くした息子との父子の物語は、当時私と息子との生活に投影してしまい一気に読み終えたのを覚えています。以来、重松氏の小説は漏れなく拝読。この『とんび』も父子の絆の物語であり、期せずして現在の私と息子の関係性を考えてしまうもの。原作の小説『とんび』は、子どもの成長を見つめる父親の物語であり、子どもとともに成長していく父親の物語が本筋。本作では、父子の葛藤と絆、二人を暖かく包み込む周囲の人々に描き切った人間賛歌のよう。阿部さん北村さんはもちろんのこと、薬師丸ひろ子さん、安田顕さん、杏さんら脇を固める皆さんもそれぞれ大いにハマリ、作品の完成度を高めているように思いました。時間的制限のある映画ということでエピソードの盛られ方に若干唐突感もありましたが、原作の魅力を如何なく感じることができ満足するひと時でした。


WEST SIDE STORY

2022年03月03日 | Movie
3月2日~3日、映画 『ウエスト サイド ストーリー』JAL305便&330便フライト中に鑑賞。
スティーブン・スピルバーグ監督が、1961年にも映画化された名作ブロードウェイミュージカル「ウエスト・サイド物語」を再び映画化。シアターでの予告編を見て是非鑑賞しようと思っていたところ、思いがけなく福岡遠征でのJAL機内にて鑑賞することができました。本作は157分ですが、福岡へ往路フライトと復路フライトで全編制覇。今回初めて知ったことですが、機内エンタメサービスにて映画が最後まで鑑賞できなかった場合、次回のフライトでその続きから映画が鑑賞できるサービスがあります。映画を中断する時に表示されるコードナンバーを次のフライト時に入力すればOKというもので、今回活用させていただきました。さて、既承のとおり物語は、1950年代のニューヨーク。マンハッタンのウエスト・サイドには、メ[ランド系移民の「ジェッツ」とプエルトリコ系移民の「シャークス」の対立の中、「ジェッツ」元リーダー・トニーと、「シャークス」リーダーの妹マリアと運命的な恋、禁断の愛の行方は・・・。「ロミオとジュリエット」のヤンキー・ヴァージョンです。ダイバーシティ&インクルージョンが叫ばれる世相の中で、貧困、移民・人種差別など大変難しい問題を描いた本作ですが、ミュージカル仕立ての華やかさが、時代背景の闇を感じさせなくしているように感じました。何といっても輝いていたのは、オーディションで約3万人の中から選ばれた新星レイチェル・ゼグラー(20歳)が演じたマリアでしょうか。彼女はディズニーの実写版『白雪姫』でヒロインの白雪姫役に抜擢。まさしく多様性の時代にふさわしいラテン系プリンセスを演じるのだそう。スピルバーグという付加価値をどこまで理解できたかは少々不安ですが大いに楽しめました。JALに感謝。

















ドライブ・マイ・カー

2022年02月23日 | Movie
2月23日 原作、村上春樹さんの映画『 ドライブ・マイ・カー 』 イオンシネマ シアタス調布にて鑑賞。
ややミーハーながら、2021第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画では初となる脚本賞を受賞したほか、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの独立賞も受賞。また、2022第94回アカデミー賞では日本映画史上初となる作品賞と脚色賞をはじめ、監督賞・国際長編映画賞と4部門でのノミネート。第79回ゴールデングローブ賞の最優秀非英語映画賞受賞やアジア人男性初の全米批評家協会賞主演男優賞受賞など全米の各映画賞でも大きく注目を集めていると聞き興味を抱きシアターに足を運びました。原作となった「ドライブ・マイ・カー」は、村上春樹氏の『女のいない男たち』と題し文藝春秋で連作された短編小説の1作目。のちに、同作を含む6編を収録した短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫刊)として発売されています。この小説集は、バラク・オバマ元米大統領が"2019年のお気に入りの本"に挙げたことでも話題になりました。映画化に際しては「ドライブ・マイ・カー」とともに、同短編集に収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも含まれています。さらには、本作のストーリー性を暗示するかのように使われている多言語演劇「ワーニャ叔父さん」。ロシアを代表する作家アントン・チェーホフによる四大戯曲のひとつとして知られ「田園生活の情景」を副題に持ち、絶望に陥り苦悩しながらも"死"ではなく"生"を選び取っていく、人生とは、幸せとは何かを観客に問いかける内容が、本作のストーリーとリンクしていきます。秘密を残したまま先立った妻・音への喪失感を抱えている主人公・舞台俳優で演出家の家福悠介(西島秀俊さん)、母親と複雑な過去を持つヒロインの寡黙な専属ドライバーみさき(三浦透子さん)、それぞれの目を背けていた事実や己の気持ちの変化を丹念な描写で明らかにしていくというもの。愛車サーブ車内空間がとても効果的に感じました。物語の鍵を握る俳優・高槻を岡田将生さん、家福の亡き妻・音を霧島れいかさんが演じます。幾重にも重なる物語が混在一体化し、それが多言語演劇「ワーニャ叔父さん」とも調和する何とも不思議な感覚を味わえました。村上春樹氏の原作をさらに村上春樹ワールドへ昇華させたような作品にて、脚本・演出の妙を感じられずにはいられません。ここのところ娯楽映画やミステリー映画を好んで鑑賞していた自分にとっては、あらためて刺激的な作品と感じました。





















コンフィデンスマンJP 英雄編

2022年02月03日 | Movie
2月3日、映画 『 コンフィデンスマンJP 英雄編 』 イオンシネマ シアタス調布にて鑑賞。
人気テレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第3作です。本作の舞台は、これまでのアジアからヨーロッパに進出(?)。街全体が世界遺産の地中海のマルタ島。首都ヴァレッタなど映画版ならではのスケールを感じます。ところがコロナ禍の時節柄、マルタ島すべてCGとのこと。ストーリーに騙される前にロケ地映像に騙されマルタ。さて、物語は、ダー子こと長澤まさみさん、ボクちゃんこと東出昌大さん、リチャードこと小日向文世さん演じる詐欺師三銃士が、いつものように痛快かつハラハラドキドキのコンゲームを繰り広げます。本作の特徴は、同じ時間軸に発生する出来事を三銃士それぞれの視点で描いていきながら全体像を把握していくという演出。本筋のどんでん返しは期待とおりスカッとするものでした。マルタ島を舞台にした大仕鰍ッの騙しが明かされた後、さらにお宝回収にむけてもうひと芝居も良かったですね。さらに、3人それぞれの三代目ツチノコとの過去のエピソードなどの伏線がどう回収されるのだろうかなどと思いつつ見ていたのですが、まさか三代目が生きていて・・・、ここまでくるとやられた感満載で楽しい限り。スタア(駐煬去qさん)やジェシー(三浦春馬さん)も名前だけながら触れられたのは少々感傷気味に。お馴染みの江口洋介さん、広末涼子さん、小手伸也さん、らに加え、今作では銭形警部を彷彿させる松重豊さん、瀬戸康史さん、真木よう子さん、城田優さん、生田絵梨花さん、角野卓三さんなどイメージどおりのさすがのキャスティングでした。お気に入りの捧腹絶塔Rメディシリーズの最新作は、期待を裏切らない作品でした。さすがにここだけは騙されなくて良かったです。

























99.9 ′Y事専門弁護士 THE MOVIE

2022年01月09日 | Movie
1月9日 『 99.9′Y事専門弁護士≠sHE MOVIE 』 AEON CINEMA シアタス調布にて鑑賞。
2016年、2018年にTBS「日曜劇場」で放送された松本潤さん主演の人気ドラマ「99.9 刑事専門弁護士」の映画化。常に事実だけを追求し、99.9%逆転不可能と言われる刑事事件で最後の0.1%まであきらめずに真実を追求する型破りな弁護士・深山大翔(松本潤)の活躍を、オヤジギャグ満載にコミカルに描いたシリーズ作品。TVシルーズのプロレスネタや独特の世界観には正直ついていけていないおじさんも楽しめるドラマとして好きでした。劇場版は昨年末放映されたスペシャルドラマの続編の位置づけ。主要な登場人物が被り、ドラマですっきりしなかった敵役の南雲恭平弁護士(西島秀俊)の謎解きもされます。物語は、所長となった佐田弁護士(香川照之)の班目法律事務所が、15年前の天華村毒物ワイン殺人事件の依頼を受けることから始まります。深山の自称弟子を名乗る新人弁護士・河野穂乃果(杉咲花)が良きアクセントとなり事件解決へとむかいます。事件仕立てはどこかTVドラマ「トリック」を彷彿とさせるもの。ストーリーだけならスペシャルドラマでも成立しそうにも思いますが、脇を固める豪華出演者たち勢揃いは、映画ならではでしょうか。中でもパラリーガル明石達也役の片桐仁さんは本領発揮、昨年のオリンピック騒動を乗り越えましたね。ドラマの世界観そのままに〝いつも通りで普通に良かった〟というのが多くの皆さんの感想となるのでしょうねぇ。大いに楽しませていただきました。