9月13日~15日「2023年度 日本建築学会大会 近畿」参加のために久しぶりの京都です。14日午前中は、いまだ訪れたことのない大原・三千院へ足を運びました。京都へは幾度となく訪れていますが、京の奥座敷、洛北エリアには縁遠く初めての大原への訪問となりました。日本建築学会大会が開催される京都大学吉田キャンパス方面、京都市内からバスで約1時間。平家の隠れ里だった頃から変わらない、のどかな山里には静かな時が流れています。一方で、『三千院』と云えば、永六輔さん作詞、いずみたくさん作曲、デューク・エイセスさんの「女ひとり」〝京都 大原 三千院、恋につかれた女がひとり〟の一節が頭をかけめぐります。さて、大原の地は千有余年前より魚山と呼ばれ、仏教音楽(声明)発祥の地であり、念仏聖による極楽浄土信仰の聖地として知られます。『三千院』は、最澄が比叡山延暦寺東塔建立の際に開いた草庵に始まりました。妙法院・青蓮院と並ぶ天台宗三門跡のひとつであり、皇子、皇族が住職を勤めた宮門跡でもあります。「御殿門」から受付と済ませると客殿から「宸殿(しんでん)」の室内を見学し、名勝庭園「聚碧園」「有清園」へ。国宝 阿弥陀三尊像を安置する「往生極楽院」をお参りし、苔庭の「わらべ地蔵」でほっこりしつつ、階段を登ると「金色不動堂」と 「観音堂」。また、人気の「おさな六地蔵」は可愛らしく、「鎌倉石仏」は威風堂々、「朱雀門」を経て最後は円融蔵の展示室で復元模写の彩豊かな往生極楽院舟底型天井画など見どころ満載でした。さらに、法然の大原問答で名高い『宝泉院』では、お抹茶を一服頂戴し、額縁庭園「盤恒園(ばんかんえん)」や「鶴亀蓬莱庭園」を愛でながら静かな時の流れに酔いしれました。『宝泉院』の隣に立つ寺院「勝林院」は大原でいちばん古いお寺で『宝泉院』の本堂とのこと。たいへん贅沢な時間に、日常の喧騒をひと時忘れ去ることができました。帰りには、料亭お宿「芹生(せりょう)」で季節の御飯、魚菜、山菜などの三段重ねのお弁当、三千草弁当に舌鼓を打ちました。たいへんおいしゅうございました。女ひとりのように絵にはなりませんが、男ひとりの大原の里散策は心安らぐとても良き体験でした。
【三千院】
「御殿門
「宸殿」
「聚碧園」
「有清園」
「往生極楽院」
「わらべ地蔵」
「金色不動堂」
「観音堂」
「おさな六地蔵」
「鎌倉石仏」
「朱雀門」
【宝泉院】
「盤恒園(ばんかんえん)」
「鶴亀蓬莱庭園」
【勝林院】
【芹生】