おてんきぷらぷら

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アヌココㇿ アイヌ イコロマケンル〔国立アイヌ民族博物館〕

2021年08月16日 | Museum
8月14日 札幌遠征で『ウャイ NATIONAL AINU MUSEUM and PARK 民族共生象徴空間』へ。
『ウャイ 民族共生象徴空間』内のメイン施設である『アヌイココㇿ アイヌ イコロマケンル(国立アイヌ民族博物館)』を見学しました。以下、公式リーフレットの受け売りですが・・・。アイヌ民族は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族で、日本の多数者である和人とは異なる言語や文化・歴史を持っています。民族名称である「アイヌ」という言葉は、「人間」などを意味するアイヌ語です。『国立アイヌ民族博物館』は、アイヌ民族の誇りが尊重される社会をめざし、多くの人にアイヌの歴史や文化を伝え、アイヌ文化を未来につなげていくために設立されました。展示は、アイヌ民族の視点で「私たち」という切り口で語る構成になっているとのこと。口伝えで語り継がれてきた口承文撃筅衣食住、音楽や舞踏などのアイヌ文化を象徴する品々、儀礼に使われる道具など、たいへん興味深いものばかり。また、特別展示室では、『ゴールデンカムイ トㇻラノ アㇷ゚カㇱアン ~杉本佐一とアシㇼパが旅する世界~』が開催されていました。ちなみに、「ゴールデンカムイ トゥラノ アㇷ゚カㇱアン」は、アイヌ語で「ゴールデンカムイと歩く」という意味。本特別展は、2014年から「週刊ヤングジャンプ(集英社)」にて連載されている漫画『ゴールデンカムイ』(野田サトル作)の原作内容を中心に、伝統的なアイヌ料理や動植物との関わり、当時のコタンの生活などに関連する民具資料を原画とともに展示。また、アイヌ文化だけではなく、作中に登場する樺太北部、沿海地方およびアムール川流域に住むニヴフやツングース系のウイルタなどアイヌ民族に隣り合う先住民族や、北海道の砂金、日露戦争とアイヌ、小樽などの当時の街の文化など、作品の中心的な歴史的背景についても紹介しています。『ゴールデンカムイ』は未読ながら、20世紀初頭の北海道・樺太を舞台にアイヌと和人の関係史に加え、先住民族アイヌの歴史と文化に触れることができる特別展でした。


『アヌココㇿ アイヌ イコロマケンル(国立アイヌ民族博物館)』



























【特別展】『ゴールデンカムイ トㇻラノ アㇷ゚カㇱアン ~杉本佐一とアシㇼパが旅する世界~』
「ゴールデンカムイ」は、野田サトル氏の連載漫画。物語は、明治末期の北海道や樺太を舞台とし、アイヌから奪われた莫大な金塊を求めて各地で争奪戦が繰り広げられます。"不死鳥"と呼ばれた男・杉元とアイヌの少女・アシㇼパは共に旅をしながら、金塊のありかとその謎に迫ります。2014年より「週刊ヤングジャンプ(集英社)」にて連載中で、2016年マンガ大賞受賞しています。



























バンクシー展 ②

2020年06月24日 | Museum
6月23日、緊急事態宣言解除を受けて再開した『バンクシー展 ~天才か反逆者か~』へ。
件p家と音楽家のコラボレーションが活発なイギリス西部の港湾都市ブリストルのアンダーグラウンド・シーンで育まれたバンクシー。彼の数多くのストリート・アートは、身分や場所を問わずストリートを行き交う誰もが見ることができ、遊び心のある表現を通して人々に強いメッセージを問いかけています。本展では、作品やオブジェのほか、バンクシーの政治的なメッセージやユーモアあふれる風刺など、世界中のストリートの壁や橋梁に残されているストリート・アート群を、アラウンド・ザ・ワールドにて次々と紹介するフラッシュ映像を、マルチメディア空間で鑑賞体感できました。 額装された美術品となった彼の作品とは一味も二味も異なり、世界各地の実際のストリート作品にこそ、ピンャCントかつタイムリなバンクシーの社会風刺メッセージとアーティスト魂が宿っているようで、しばし席から離れることができず、繰り返し上映に見入ってしまいました。反戦、反消費主義、反ファシズム、反権威主義など様々な政治的社会的テーマを扱っているストリート・アートは、悪く言えば質の悪い落書きですが、人間の私欲や、貧困、偽善、絶望、疎外などを思考させるもの。本展では、バンクシーを天才か反逆者かと問うていますが、時代の不条理を俯瞰する証言者というのが、自分の感想でした。














































バンクシー展 ①

2020年06月23日 | Museum
6月23日、緊急事態宣言解除を受けて再開した『バンクシー展 ~天才か反逆者か~』へ。
コロナ禍にて久しぶりに都県をまたぎ、横浜のアソビルで開催の『バンクシー展~天才か反逆者か~』の鑑賞に外出です。バンクシーは言うまでもありませんが、イギリスを拠点に、世界中のストリート、壁、橋などを神出鬼没にアート活動している匿名のアーティスト。独特なグラフィティと、それに添えられるエピグラムは風刺的でダークユーモアに溢れています。バンクシー作品の大半は壁面に描かれるため、すぐに塗りつぶされてしまい、現存しているものは多くないとのことですが、本展では個人コレクターのオリジナル作品や版画、立体オブジェなど70点以上の作品、日本でも多くの人に知られる、平和へのメッセージが込められた「LOVE IS IN THE AIR」や、希望を願う「GIRL WITH BALLOON」、社会的弱者をドブネズミに重ねた「RAT」シリーズなどが展示されていました。館内、写真撮影OKということも相まって、彼の作品をじっくりと間近で堪能できました。バンクシー作品は、風刺的なユーモアと可愛らしさの融合とのイメージがあったのですが、思いのほか深刻で辛辣な政治的・社会的メッセージの強さに驚きを覚え、バンクシー感を改めることとなりました。


 [ARTIST STUDIO]



[GIRL WITH BALLOON]





[DI FACED TENNER]



[KATE MOSS]



[BARCODE]



[TOXIC MARY]             [GRIN REAPER]



[HMV]



[TURF WAR]               [MONKER QUEEN]



[MONKEY PARLIAMENT]



[FRYING COPPER]           [RUDE COPPER]



[POLICE KIDS]



[LOVE IN THE AIR]



[GOLF SALE]



[NAPALM]



[CND SOLDIERS]            [WRONG WAR]



[BOMB LOVE]              [HAPPY CHOPPERS]



[DISMALAND]



[GANGSTA RAT]             [LOVE RAT]



[WELCOME TO HELL]         [GET OUT WHILE YOU CAN]



[CHOOSE YOUR WEAPON RIGHT]



[NO BALL GEMES]









ムンク展°、鳴する魂の叫び

2018年12月24日 | Museum
12月23日『ムンク展°、鳴する魂の叫び(MUNCH A Retrospective)』東京都美術館にて。
先日上野の「フェルメール展」鑑賞の際、気になっていた『ムンク展』へ。あの有名なムンクの『叫び』の看板に釣られてしまいました。本展は、西洋近代絵画の巨匠、エドヴァルド・ムンク(1863?944)の大回顧展。故郷ノルウェーの首都にあるオスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、約60点の油彩画に版画などを加えた約100点が展示されています。数多く描かれた『叫び』のうち、ムンク美術館が所蔵するテンペラ・油彩画の『叫び』は今回が待望の日本初公開。歪んだ構図の中で、怯えるように耳を塞ぐ人物、遠景には血のように赤い夕焼けが広がり、空や海は渦を巻く、あまりにも有名な作品"ムンクの叫び"。実はこの絵の題名は『叫び』ですが、絵の中の人物は叫んではいません。ムンクが憂鬱な気分で、血のような赤い空の下、フィヨルドの道を歩いていた時に、恐ろしい幻聴を聞いのだそう。この絵は、幻聴に慄き必死に耳を覆い隠そうとしている様子を描いたもので、この人物が叫んでいるのではないとのこと。愛や絶望、嫉妬、孤独など人間の内面が強烈なまでに表現したムンク。リトグラフ作品の『自画像』や結核で15歳で亡くなった姉ソフィエを描いた『病める子Ⅰ』などは、ムンクの繊細さ際立ちます。深い悲しみを繰り返し体験してきた"心の闇"を描いたように感じる『叫び』や『絶望』。さらに、『マドンナ』『森の吸血鬼』『月明り、浜辺の接吻』などでは、ムンクの生の不安や死への恐浮ェ見え隠れしているように感じました。印象派の明るい世界ではなく、不安に満ちた内なる心の闇の世界を描いた件p家ムンク。彼の持つ件pへ魂の叫びを堪能することができました。









        エドヴァルド・ムンク “自画像” 1895年
      Lithograph(46.0×31.5cm)オスロ市立ムンク美術館




         エドヴァルド・ムンク “病める子Ⅰ” 1896年
        Lithograph(43.2×57.1cm)オスロ市立ムンク美術館




         エドヴァルド・ムンク “叫び” 1910年?
      Tempera and oil on unprimed cardboard(83.5×66.0cm)
             オスロ市立ムンク美術館




          エドヴァルド・ムンク “絶望” 1894年
       Oil on canvas(92.0×73.0cm)オスロ市立ムンク美術館




       エドヴァルド・ムンク “マドンナ” 1895/1902年
       Lithograph(71.0×59.0cm)オスロ市立ムンク美術館




       エドヴァルド・ムンク “森の吸血鬼” 1916-18年
      Oil on canvas(149.0×137.0cm)オスロ市立ムンク美術館




      エドヴァルド・ムンク “月明り、浜辺の接吻” 1914年
      Oil on canvas(77.0×100.5cm)オスロ市立ムンク美術館




     エドヴァルド・ムンク“自画像、時計とベッドの間” 1940-43年
      Oil on canvas(143.5×120.5cm)オスロ市立ムンク美術館



フェルメール展

2018年12月20日 | Museum
12月20日『それは、このうえもなく優雅な事件。フェルメール展 』上野の森美術館にて。
初めてヨハネス・フェルメールの作品に出会ったのは、2012年秋、神戸在住だった当時、神戸市博物館で開催されていた『マウリッツハイス美術館展』でした。"青いターバンの少女"と称される『真珠の耳飾の少女』。天然ウルトラマリンに由来するフェルメール・ブルーに、少女のまなざし、透き通るほどの肌質、光の反射、光と影のコントラストを表現した作品に魅了されたのを覚えています。時は流れて、本展では、フェルメールのわずか35点しかない現存作のうち、9点が東京にやってくる日本美術史上最大級のフェルメール展とのこと。この日は、日本初公開の『赤い帽子の娘』の最終展示日とのことで、立ち寄り鑑賞です。今回来日したフェルメール作品は9点ですが、展示替えもあるので、この日展示されていたのは8点。『牛乳を注ぐ女』『マルタとマリアの家のキリスト』『ワイングラス』『手紙を書く女』『赤い帽子の娘』『手紙を書く婦人と召使い』『リュートを調弦する女』『真珠の首飾りの少女』。『赤い帽子の娘』と『取り持ち女』が展示替えの時に入れ替えられるとのこと。また、大阪展では、『恋文』も展示される予定です。メイン展示となる話題の『牛乳を注ぐ女』は、日常の生活の営みを題材としながら、吟味された構図、緻密な筆遣い、優しく穏やかな光の表現を用いながら、美しく洗練された作品で、フェルメールブルーも輝いていました。さすが"光の魔術師"と唸らせる作品。またどの作品も窓からの木漏れ日の様な射光の光景が目を引きましたし、有名な『真珠の耳飾りの少女』もそうでしたが、女性たちの黄色い衣装が特徴的でした。フェルメールばかりに目が行きがちですが、17世紀オランダ絵画の秀作も一見の価値あり。この日は然程の混雑もなく満足いく鑑賞となりました。フェルメール作品の絵葉書を買い求め余韻を楽しむつもりです。









    ヨハネス・フェルメール “牛乳を注ぐ女” 1658-1660年頃 
     Oil on canvas(45.5×41cm)アムステルダム国立美術館




 ヨハネス・フェルメール“マルタとマリアの家のキリスト” 1654-1655年頃
Oil on canvas(158.5×141.5cm)スコットランド・ナショナル・ギャラリー、エジンバラ




    ヨハネス・フェルメール“ワイングラス” 1661-1662年頃 
 Oil on canvas(67.7×79.6cm)ベルリン国立美術館 日本初公開




      ヨハネス・フェルメール“手紙を書く女” 1665年頃
    Oil on canvas(45×39.9cm)ワシントン・ナショナル・ギャラリー




     ヨハネス・フェルメール“赤い帽子の女” 1665-1666年頃
  Oil on panel(23.2×18.1cm)ワシントン・ナショナル・ギャラリー
        日本初公開 2018.12.20までの展示





   ヨハネス・フェルメール“手紙を書く婦人と召使い” 1670-1671年頃
  Oil on canvas(71.1×60.5cm)アイルランド・ナショナル・ギャラリー、ダブリン




    ヨハネス・フェルメール“リュートを調弦する女” 1662-1663年頃
  Oil on canvas(51.4×45.7cm)メトロャ潟^ン美術館、ニューヨーク




     ヨハネス・フェルメール“真珠の首飾りの女” 1662-1665年頃
      Oil on canvas(56.1×47.4cm)ベルリン国立美術館




       ヨハネス・フェルメール“取り持ち女” 1656年 
      Oil on canvas(143×130cm)ドレスデン国立古典絵画館
        日本初公開 2019.1.9からの展示




     ヨハネス・フェルメール“恋文” 1669-1670年頃
    Oil on canvas(44×38.5cm)アムステルダム国立美術館
         2019.2.16 ~ 大阪展にて展示