崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

華人について

2010年12月05日 05時58分33秒 | エッセイ
上水流久彦氏の科学研究費による華僑華人社会に関する研究発表にソウル大の嶋陸奥彦氏と並んでコメントした。人生にとって最大の危機である死を家族がどのように知らせ、処理するかその初期段階で「訃聞」ということがある。伝統社会では肉声で叫んだり書信型の布告をしたりしたが新聞媒体が出てからは新聞広告をするようになったという。その資料を集めて分析した。また海外の華僑華人(富)が僑郷(貧)へ支援するところに伝統文化がルーツ源になっていることが報告された。
 故郷を離れた人が故郷に錦を飾るという絹衣帰郷したいという帰巣意識は誰でも持っている。それが国内的には年末年始の帰省、帰郷、また故郷に墓や廟を建てるまでさまざまである。韓国では狐も死ぬ時は元の穴に戻るという。故郷がない人は寂しい、故郷を離れた人は帰巣意識をもつ。なぜであろうか。それは自分が作って持っている時間の大切さ、自分史であろう。嶋氏とは40年近く友人であり、短期間は同僚でもあった。昨日は彼と私の縁を持った人や教え子たちが集まった。そして一日中熱心な討論となり素晴らしい研究会であった。研究会は夜のふぐ料理の懇親会まで続いた。残念ながら私は早く引きあげた。今日は早朝韓国へ発つ。