崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

広島女学院大学で集中講義

2005年12月27日 11時25分03秒 | エッセイ
 人間は無法状況においてまったく自由となり、楽しい時間を持つという学生がいた。親が旅行中、留守番をしていて強く自由を感じたという。しかしそのような無法状況は同時に危険でもあることを、私はサハリンで戦争中の無法状態で日本人たちが朝鮮人を大量虐殺したことを例にして説明をした。自由は人に偉大な創作も可能にするし、英雄を作ることもあるが、人によっては自由によって怠け者になったり、自由を管理できず独裁国家を産出した南米諸国のようになったりする。韓国も学生デモで独裁政権を倒した後、無法状況になって自由を自己コントロールできず朴大統領の独裁政権を生み出した。そのような事情を教えてくれた本、20歳前後の私を感動させた本がErich Frommの Escape from Freedomである。それが若い時の私の精神的力になったことを思い出した。自由をコントロールできる市民を育成することこそ私の教育の原点であることを主張した。