物事いつもうまくいくとは限らない。。。
どちらかというとうまくいかないことの方が多いかも。料理もしかり。
新規メニューは特にレシピ通りに手順を踏んでいても何かしらのズレから大きく失敗したりまずい方向に向かったりするものです。
こういうときにどうするかが、次のステップにつながるような気がします。ちょっとオーバーに言うと人生経験と人間性の幅を広げることになると思ってます。"要するにいかに機転がきくか""利かせられるような人間になるか"ということです。
リカバーがきっちりできるかどうかが何事もプロかどうかの大きな要因だと思います。
先日も実家近くの銀行へ投資の用事で行かなければならず、実家用手土産の制作。
ここ最近の実家帰りも銀行側の失敗のリカバーの悪さが大きな原因の一つなのですが。。。
今回は“パルミエ”を作ったのですが、当初の予定は"Apple turnover"でした。これはいわゆるアップルパイで、日本では"ショソン・オ・ポム"とフランス語でのネーミングの方が一般的。パイ皿で焼くタイプとは違い二つ折にした葉っぱ型のパイです。アメリカでは葉っぱ型ではなく、三角形が定番。日本のでリンゴのデニッシュパンに近い感じの見た目です。アメリカンレシピでの簡単折パイ生地の作り方を試してみたくて選んだのですが、パイ生地制作がうまくいかず、急遽方向転換することになりました。
ということでまずはパイ生地の制作失敗の道のりから。
今回も"Baking illustrated"のパイ生地の作り方を参考にしたのですが、レシピというより材料選択が大きな失敗の原因。
バター品薄、高騰の折、お持たせ用にはケーキ用マーガリンを使うことが多いのですが、今回もこれを使いました。問題は"菓子用"ではなく、"ケーキ用"のマーガリンということ。練りこみやすいように冷蔵してもバターより柔らかく、練込やすいのがこの油脂の特徴なのですが、冷凍してもカチカチにはならないようです。
今回もバターと同様に一晩冷凍庫にいれてカチカチに凍らせたつもりだったのですが、見た目カチカチのわりにすぐに解凍できて柔らかい状態に戻ってしまいました。
最初にマーガリンをカチカチにして、包丁で粗く刻みこみました。この時点ではバターと遜色なく問題なし。
フードプロセッサーに入れて、薄力粉を加え、粉と切り混ぜました。数回パルスした時点まではよかったのですが、これ以上かけた時点から事態は一変。マーガリンが解けてきたのか、生地がべたっとまとまってきてしまいました。
とりあえずフードプロセッサーから急いで出して手順通り、水を加えて混ぜ合わせ、本来ならここでまな板の上ですり混ぜ作業をするのですが、もうすでにまとまっているので、このままラップに包んで冷凍庫へ。
オリジナルのレシピでは冷蔵庫で30分休ませて、折り込み作業を開始するのですが、冷蔵庫ではマーガリン生地は柔らかくて作業がしにくいので冷凍庫で凍らせながらの作業となりました。
レシピでは折込み作業は2回なのですが、すり混ぜ作業をしていないこともあって4回作業することに。
折り込み作業はレシピ通りにやりましたが、もたもたするとすぐに生地が柔らかくなってしまうので、オリジナルよりかなり荒くスピーディな作業となりました。
まず生地をラップにはさんだまま、まな板いっぱいの四角形に伸ばし、三つ折り。
90度回転させて三つ折りした生地をくるくると巻いていきます。くるくる巻くほど長く伸ばせなかったので、ざっくりまいた感じになりました。
もう一度麺棒で四角に伸ばし、冷凍庫で30分固め、あと3回作業を繰り返しました。
かなりやわらかい生地だけにきちんとバターが折り込まれているか非常に不安。かなり悪い方向へ向かっているように思いました。
よって一口分だけを試し焼きしてふくらみ具合をチェックして、今後の対策を考えることに。普通だとあきらめて別モノをつくるか、バターで再度生地を作りなおすのが早くて簡単なんでしょうが。。。ケチなのかエコなのかわかりませんが、このまま諦めることができませんでした。
とりあえず焼いてみて膨らまないようであれば、タルト生地へ展開。フィリング材料を買出しに行かなければなりません。膨らむようであれば続行です。オーブンとにらめっこしながら焼いてみると、やや膨らむものの、層が立ち上がるほどのふくらみになりませんでした。タルトにしてはちょっとサクサクすぎるかも。どうするか思案して、急遽"パルミエ"へ方向転換することにしました。
"パルミエ"は日本の源氏パイやウナギパイといったところ。一口クッキーパイです。
こういうときにはどれだけお菓子の種類を知っているかにつきますね。レシピ本を見ながらどれに使えるか食感と見た目を想像しながらマッチングしました。
パルミエも作ったことはないのですが、ターンオーバーほど派手に膨らまなくてもサクッとした食感がでれば見た目はカバーできると考えました。
パルミエの方がターンオーバーやタルトよりフィリングは簡単。砂糖とシナモンを混ぜるだけ。日本のレシピだとジャムを塗ったりするものが多いのですが、アメリカレシピではやはりシナモンシュガーです。
方向転換レシピを模索している間に生地を休ませ、固まらせたので、成形へ。
今度は3mm厚程度でかなり縦長に伸ばして、溶き卵を表面全体に刷毛で塗ります。
シナモンシュガーを卵を塗った上に多め振りかけます。
ここから独特の"パルミエ"の形に成形します。
生地の両端約8cm部分を中央に向かって折り、中央部分は5cmほど空けておきます。さらに折り込んだ部分を半分に折り、最後に中央部分で二つ折にして棒状に。
端からみるとハート型で渦巻き模様が何となく見える。巻き寿司のように絞めて巻くと生地がひっついてしまうので、ふんわりめに巻きました。
生地を再度冷凍庫にいれて一晩休ませて固め、次の日に切って焼きました。
成形した生地が解凍しなくても切れるとレシピに書かれてあったので、切ってみましたが、今度は固すぎて生地が割れてしまう事態に。かなり太めに切る場合は大丈夫ですが、厚さ1cm程度の薄さで切ると、一部欠けるようにわれてしまうため、今度は軽く解凍して切ることに。
かちんこちんの生地は切りやすいだろうと思っていたのですが。。。。
少し柔らかくなったところで1cm幅に切り、天板に並べていきました。解凍が進むにつれて、今度は切ると包丁の押し圧で形が変形してきました。柔らかくなって切れなくなってくるので、手早く切り、天板の上で完全に解凍したものから少し手で形を整えてなんとか巻き模様は保ちました。
220度のオーブンで10分焼きました。レシピではひっくり返してさらに焼くように指示がでていましたが、天板に接する側は砂糖が溶けて層がきれいに見えないので、ひっくり返さずに焼きました。生地の状態がレシピと違うこともあるのか、焼き色をつけず少し浅めに焼いて取り出し、網の上で余熱で乾かすように火を通すとカリッとしていい感じになりました。焼きすぎると、カリカリというよりボリボリになります。
最初のマーガリンとバターの選択の違いでこんなに扱いにくい生地になるとは思いませんでした。成功するより失敗した方がより多く考え、より勉強になるとは思いますが、体力も気力も3倍消耗ですね。
それでもなんとか手土産品のレベルは保てたのでよかったです。
ちなみにアメリカで売られていた"パルミエ"は顔くらいの大きさでした。。。
どちらかというとうまくいかないことの方が多いかも。料理もしかり。
新規メニューは特にレシピ通りに手順を踏んでいても何かしらのズレから大きく失敗したりまずい方向に向かったりするものです。
こういうときにどうするかが、次のステップにつながるような気がします。ちょっとオーバーに言うと人生経験と人間性の幅を広げることになると思ってます。"要するにいかに機転がきくか""利かせられるような人間になるか"ということです。
リカバーがきっちりできるかどうかが何事もプロかどうかの大きな要因だと思います。
先日も実家近くの銀行へ投資の用事で行かなければならず、実家用手土産の制作。
ここ最近の実家帰りも銀行側の失敗のリカバーの悪さが大きな原因の一つなのですが。。。
今回は“パルミエ”を作ったのですが、当初の予定は"Apple turnover"でした。これはいわゆるアップルパイで、日本では"ショソン・オ・ポム"とフランス語でのネーミングの方が一般的。パイ皿で焼くタイプとは違い二つ折にした葉っぱ型のパイです。アメリカでは葉っぱ型ではなく、三角形が定番。日本のでリンゴのデニッシュパンに近い感じの見た目です。アメリカンレシピでの簡単折パイ生地の作り方を試してみたくて選んだのですが、パイ生地制作がうまくいかず、急遽方向転換することになりました。
ということでまずはパイ生地の制作失敗の道のりから。
今回も"Baking illustrated"のパイ生地の作り方を参考にしたのですが、レシピというより材料選択が大きな失敗の原因。
バター品薄、高騰の折、お持たせ用にはケーキ用マーガリンを使うことが多いのですが、今回もこれを使いました。問題は"菓子用"ではなく、"ケーキ用"のマーガリンということ。練りこみやすいように冷蔵してもバターより柔らかく、練込やすいのがこの油脂の特徴なのですが、冷凍してもカチカチにはならないようです。
今回もバターと同様に一晩冷凍庫にいれてカチカチに凍らせたつもりだったのですが、見た目カチカチのわりにすぐに解凍できて柔らかい状態に戻ってしまいました。
最初にマーガリンをカチカチにして、包丁で粗く刻みこみました。この時点ではバターと遜色なく問題なし。
フードプロセッサーに入れて、薄力粉を加え、粉と切り混ぜました。数回パルスした時点まではよかったのですが、これ以上かけた時点から事態は一変。マーガリンが解けてきたのか、生地がべたっとまとまってきてしまいました。
とりあえずフードプロセッサーから急いで出して手順通り、水を加えて混ぜ合わせ、本来ならここでまな板の上ですり混ぜ作業をするのですが、もうすでにまとまっているので、このままラップに包んで冷凍庫へ。
オリジナルのレシピでは冷蔵庫で30分休ませて、折り込み作業を開始するのですが、冷蔵庫ではマーガリン生地は柔らかくて作業がしにくいので冷凍庫で凍らせながらの作業となりました。
レシピでは折込み作業は2回なのですが、すり混ぜ作業をしていないこともあって4回作業することに。
折り込み作業はレシピ通りにやりましたが、もたもたするとすぐに生地が柔らかくなってしまうので、オリジナルよりかなり荒くスピーディな作業となりました。
まず生地をラップにはさんだまま、まな板いっぱいの四角形に伸ばし、三つ折り。
90度回転させて三つ折りした生地をくるくると巻いていきます。くるくる巻くほど長く伸ばせなかったので、ざっくりまいた感じになりました。
もう一度麺棒で四角に伸ばし、冷凍庫で30分固め、あと3回作業を繰り返しました。
かなりやわらかい生地だけにきちんとバターが折り込まれているか非常に不安。かなり悪い方向へ向かっているように思いました。
よって一口分だけを試し焼きしてふくらみ具合をチェックして、今後の対策を考えることに。普通だとあきらめて別モノをつくるか、バターで再度生地を作りなおすのが早くて簡単なんでしょうが。。。ケチなのかエコなのかわかりませんが、このまま諦めることができませんでした。
とりあえず焼いてみて膨らまないようであれば、タルト生地へ展開。フィリング材料を買出しに行かなければなりません。膨らむようであれば続行です。オーブンとにらめっこしながら焼いてみると、やや膨らむものの、層が立ち上がるほどのふくらみになりませんでした。タルトにしてはちょっとサクサクすぎるかも。どうするか思案して、急遽"パルミエ"へ方向転換することにしました。
"パルミエ"は日本の源氏パイやウナギパイといったところ。一口クッキーパイです。
こういうときにはどれだけお菓子の種類を知っているかにつきますね。レシピ本を見ながらどれに使えるか食感と見た目を想像しながらマッチングしました。
パルミエも作ったことはないのですが、ターンオーバーほど派手に膨らまなくてもサクッとした食感がでれば見た目はカバーできると考えました。
パルミエの方がターンオーバーやタルトよりフィリングは簡単。砂糖とシナモンを混ぜるだけ。日本のレシピだとジャムを塗ったりするものが多いのですが、アメリカレシピではやはりシナモンシュガーです。
方向転換レシピを模索している間に生地を休ませ、固まらせたので、成形へ。
今度は3mm厚程度でかなり縦長に伸ばして、溶き卵を表面全体に刷毛で塗ります。
シナモンシュガーを卵を塗った上に多め振りかけます。
ここから独特の"パルミエ"の形に成形します。
生地の両端約8cm部分を中央に向かって折り、中央部分は5cmほど空けておきます。さらに折り込んだ部分を半分に折り、最後に中央部分で二つ折にして棒状に。
端からみるとハート型で渦巻き模様が何となく見える。巻き寿司のように絞めて巻くと生地がひっついてしまうので、ふんわりめに巻きました。
生地を再度冷凍庫にいれて一晩休ませて固め、次の日に切って焼きました。
成形した生地が解凍しなくても切れるとレシピに書かれてあったので、切ってみましたが、今度は固すぎて生地が割れてしまう事態に。かなり太めに切る場合は大丈夫ですが、厚さ1cm程度の薄さで切ると、一部欠けるようにわれてしまうため、今度は軽く解凍して切ることに。
かちんこちんの生地は切りやすいだろうと思っていたのですが。。。。
少し柔らかくなったところで1cm幅に切り、天板に並べていきました。解凍が進むにつれて、今度は切ると包丁の押し圧で形が変形してきました。柔らかくなって切れなくなってくるので、手早く切り、天板の上で完全に解凍したものから少し手で形を整えてなんとか巻き模様は保ちました。
220度のオーブンで10分焼きました。レシピではひっくり返してさらに焼くように指示がでていましたが、天板に接する側は砂糖が溶けて層がきれいに見えないので、ひっくり返さずに焼きました。生地の状態がレシピと違うこともあるのか、焼き色をつけず少し浅めに焼いて取り出し、網の上で余熱で乾かすように火を通すとカリッとしていい感じになりました。焼きすぎると、カリカリというよりボリボリになります。
最初のマーガリンとバターの選択の違いでこんなに扱いにくい生地になるとは思いませんでした。成功するより失敗した方がより多く考え、より勉強になるとは思いますが、体力も気力も3倍消耗ですね。
それでもなんとか手土産品のレベルは保てたのでよかったです。
ちなみにアメリカで売られていた"パルミエ"は顔くらいの大きさでした。。。