かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

うまいもの無し、と言われる奈良にも、隠れた名店は存在します。

2009-07-31 22:28:26 | Weblog
 今日は共同研究をしている某大学准教授の先生と、とある仕事でお付き合いしている工業デザイナーの方と3人で一杯飲みました。いわゆる「酒も仕事のうち」というタイプの飲み会で、大学の先生ご推薦のお店で、懸案の仕事について色々と密談を重ねました。まあ話の内容はともかくとして、そのお酒と料理が実においしかったです。地酒は清酒発祥の地奈良県に伝わる秘伝の製法で醸造し、7年間も寝かせた珠玉の一品。絶品の料理は創意工夫を凝らした珍しいものばかりでしたが、中でも秋刀魚のたたきは一時仕事も忘れて堪能しました。スダチを絞り、少ししょうがを利かせてこくのある醤油でいただくと、全くいやなにおいもなく、下品なしつこさも無く、まるで上物のトロの様に美しく脂ののった身が口の中で甘みとうまみを振りまきながらまさに溶けるように消えて行くのです。そしてこれがまた超辛口の酒に見事に調和することといったら! 私は生まれてはじめて、秋刀魚がこんなにうまいものだと知りました。本当に今だけの限定調理だそうですが、こんなうまいものに出会えてそれだけで今日の私は運がよいと感じてしまいました。
 もちろん他の料理も珍しくかつおいしく堪能できました。たとえばコロッケのおでん。秘伝の方法で硬く焼きしめるように作ったカリカリの衣のコロッケが、これも絶品のおでんのつゆの中に浮かんでいる様はちょっと信じがたい光景です。もちろんすぐに衣が溶けるようなことは無く、少しづつ時間をかけてつついていたのに最後までカリカリ感を残していたのが驚くばかり。会計の後、店のご主人にあの衣の秘訣をだめもとで質問すると割りと気さくに答えてくれたのがまた印象的でしたが、多分それだけではない工夫が幾重にも施されているのでしょう。
 結局、3時間ばかり3人で飲み食いして、合計1万円ちょっとと言う良心的な価格も素晴らしいものでした。機会があれば、また是非飲みにいきたいお店ですね。

 奈良にもこうして京大阪に負けない料理と酒を出すお店がありますが、残念ながらほとんど知られていません。奈良に住んでン十年の私も、今日先生に紹介してもらうまではそんなお店の存在は知りませんでしたし、観光のお客などには当然全く知られていないことでしょう。まあこういうお店にあんまりヒトが群がって行列を作ったりするのは感心しないので、今のように知る人ぞ知る店のありようはかえってよいとは思うのですが、うまいものなし、といわれる奈良県にもこんなお店があるんだぞ! と言いたくなるのもまた県民愛というものでしょうか。ブログで公開するのもなんなので、もし奈良にお越しの際はご一報くだされば紹介くらいはさせていただこうと思います。ついでに一緒に飲みに行くのもやぶさかではありませんよ。


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3 コメント

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Unknown (TTX)
2012-12-14 00:11:50
かっこうさんこんばんは。
始めまして。奈良の美味しい店を探していて辿り着きました。奈良にそんなに美味しいお店があるなんて…
是非場所のヒントだけでも教えていただきたいです!
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Unknown (かっこう)
2012-12-14 21:39:37
こちらこそ初めまして。
拙ブログにお立ち寄りいただき痛み入ります。
さて、奈良のおいしいお店は、だいたい餅飯殿商店街の近辺にあるようです。本記事のお店も餅飯殿の中にありますし、最近のブログにも書いた酒肆春鹿や、100種類以上の奈良の地酒を利き酒できる酒蔵(http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/420f2de053bbd5a3567c2d8b55e7311b)など、餅飯殿は歩くだけでも結構楽しめる街ですよ。そうそう、晴朗亭勝手口(http://seiroutei.dip.jp)という小さなお店も、隠れ家的な雰囲気でお酒も料理も美味しいものを揃えておられました。ご参考までに。
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Unknown (TTX)
2012-12-16 18:09:33
かっこう様
早速のお返事誠に有難うございます。
餅飯殿商店街にこれから美味しいお店を求めに行こうと思います。本記事のお店に出会う事を期待します!
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