かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

映画「プロメテウス」、期待していた分観終わった後は・・・

2012-09-20 21:44:36 | アニメ特撮
 今日は映画「プロメテウス」を観てきました。当初、「アベンジャーズ」を観るか、それとももう一度「るろうに剣心」を観るかで迷ったのですが、「プロメテウス」が一番早く公開終了することや、予告を観た時から一番気になっていた映画だったので、これを観ることに決めました。
 で、予告編以外全く予備知識無しで観に行ったのですが、全体になんとなく「エイリアン」っぽいなあ、と思って帰ってから検索してみたら、当初構想で「エイリアン」の続編というか、前日譚のような位置づけで作品作りが始まった、というような一文を見つけました。異星生物や宇宙船などの描写、ストーリー展開などもいやに「エイリアン」を彷彿させるな、と思っていましたが、案の定だったわけです。
 さて、内容はネタバレになるので詳しくは避けますが、地球人類の起源は進化論ではなく異星人の手によるもので、世界中の考古学的な遺跡に記された壁画から割り出されたその異星人の星へ1兆ドルかけて会いに行ってみよう! という壮大なお話で、「2001年宇宙の旅」の「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れたシーンもかくやと言わぬばかりな急展開でいきなり星の大海を件の星めがけて旅する宇宙船「プロメテウス号」のシーンに行ってしまい、正直、かなり戸惑いました。なんとなれば私は壮大な勘違いをしていて、考古学的解析や星探し、その星に行くための宇宙船開発などに相応の時間が取られるのだろう、と勝手に科学教養的SF展開がなされる映画だと思い込んでいたためです。最初から「エイリアン」関連だと知っていれば絶対にそんな誤解はしなかったでしょうが、冒頭の禿頭の筋骨隆々とした男が滝のそばでなにか黒い液体を飲んで身体がバラバラにほぐれて滝に落ちて死んでしまうところなども、一体何のことかさっぱり判らず、しばらくはずっと首を傾げたままでした。これも帰宅してからネットで調べて、異星人が地球人類のモトをばらまくために自らの肉体を供した、という事をようやくにして理解しました。

 で、感想なのですが、そもそも上記の誤解があったにせよ、映像を見てそれをなんとなくでも観ているヒトに状況を感じさせられない描写というのはどうかと思いますし、随所に「おいおいちょっと待てよ」と言いたくなるシーンがあって、どうにも興が削がれました。例えばですが、いくら地球と同じように息が出来る環境だからと言って、科学者集団という設定の人達が詳細な調査もしないでヘルメット脱ぐなよ! なんていうようなところです。あと、未知の惑星に行くのに宇宙船にはまともな武器もないのか? とか、アンドロイドさんが男に現地採集のエイリアンの素を酒にかこつけて飲ましてましたけど、あんた一体その知識どっから手に入れたの? とか、手術室に取り残されたタコみたいな奴は一体何を栄養にしてあんな巨大化したの? とか、とか。
 映像は綺麗ですし迫力もありますが、そんなものは今日日当たり前の話で、その上でお話を魅せてくれないといけないのに、あまりに中身が杜撰です。敵宇宙船に特攻をかけるのが黒人と東洋人なんていうのも、いかにも人種に配慮するハリウッド映画、という感じがやたら鼻につきましたし、もう、なんとかならんのでしょうか?
 
 「エイリアン」も映画館で見ましたが、あれは本当に恐ろしかったですし、息を呑んだり心臓が飛び出そうになったり思わず悲鳴を上げそうになったりの連続でした。ですが、この「プロメテウス」にはその手の「驚き」は無いとは言いませんがあまりに矮小でした。まあそれも「エイリアン」との関連話を知らなければそんなものか、とそれなりに満足できたのかもしれませんが、関連が見えた以上比較対象は「エイリアン」にせざるを得ず、そうなるととても足元にも及ばない、と言わざるをえないのです。
 これはやっぱり「アベンジャーズ」を観ておいたほうがお気楽に楽しめたかもしれないな、と少し後悔した映画でした。


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