高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡した13歳と18歳のベトナム人の女の子2人から、抗ウイルス薬タミフルへの耐性を持つウイルスが検出されたそうです。耐性ウイルスによる死亡はこれが初めてとみられるとか。いずれもタミフルによる治療を受けた甲斐もなく、それぞれ発症8日目と20日目に亡くなったとのことです。現在、我が国をはじめ、世界中でインフルエンザの流行に備えて増産と備蓄が進められていますが、薬剤耐性ウィルスの出現によって、その努力の成果がかなり減殺されてしまう懸念があります。もっとも実験室段階では既に耐性ウィルスが存在していたそうですから、いずれ現れるというのは専門家の間では予測されていたのでしょう。
ところでタミフルとは一体どう言うもので、どうインフルエンザに効くのか、また、どうして効かなくなったのか、正直何も知りませんでしたので、良い機会と少し調べてみました。タミフルと言うのは日本の製薬会社が使っている商品名で、正しくはオセルタミビルと言うんだそうです。中華料理で使う香辛料「八角」に含まれている成分で、1996年にアメリカで開発、日本には2001年に保険適用となり、今では全世界の7割に当たる量を、日本一国で消費しているんだとか。その能力は、インフルエンザウィルスの増殖を阻害すると言うもの。インフルエンザに限らず、ウィルスというのは、自分達だけで増える能力がありません。彼らは自分の遺伝子を、他の生物の遺伝子コピー機能を使って、増やして行きます。古典的な生物の定義の一つに自己増殖能というのがありますが、その定義からすると、ウィルスは生物とは言えないわけです。
インフルエンザウィルスの場合、その大事な遺伝情報をタンパク質の膜の中にしまい込み、その膜の外側に、赤血球と結びつくための手や、そこから離れて他に行くための装置をちょうどウニの刺のようにまとっています。その手の役割をするのがヘマグルチニン、離れるための装置がノイラミニダーゼと言い、よくインフルエンザウィルスをH1N5型とか言うのは、それぞれの単語の頭文字を取って、型分けしていると言うことです。Hの型は現在15種類、Nの型は9種類知られており、人、豚、馬などでそれぞれ感染する型が一部重なっておりますが、一応別々にあるみたいです。その中で特に鳥インフルエンザが話題になるのは、鳥はこの全ての型に感染するという性質を持つためで、鳥ー人感染というのも型次第で確かに起こり、それが渡り鳥などで世界的に広がったりするからです。
タミフルは、この離れるための装置であるノイラミニダーゼという名前の酵素の働きを阻害し、増えたインフルエンザが他に移動するのを妨げる能力があります。他の細胞を見つけてくっつかないと次世代が生み出せませんので、後は体の防御機構がそうして増殖出来なくなったウィルスを駆逐してしまえば、病気が重くなる前にやっつけることが出来る、と言うわけです。
・・・と、このあたりまではちょっとぐぐれば判るのですが、ではどういう機構でインフルエンザはタミフル耐性を獲得したのか、は判りませんでした。酵素というのはよく鍵と鍵穴の関係にたとえられたりしますが、ようは一対一の関係で化学反応を促すことで仕事をするものです。ですから世の中には色々な種類の酵素があり、人の体の中でも様々に活躍しているのですが、その酵素を阻害するはずの薬剤が阻害できなくなったと言うことは、酵素その物が変容して、薬剤に反応しなくなったのか、あるいはその薬剤が酵素に届くのをブロックするような新たな楯みたいな物をウィルスが作ったのか、ひょっとして体に投入されたタミフルを迎撃し、ウィルスまで届かなくするような物質を生み出すなんていうような力を身につけたのか、いずれ調べているうちに判るだろうとは思いますが、いずれにしてもこちらが使いすぎれば相手も生き残りをかけて進化して行くはずですので、少しでも長く効果を保てるように、特に体力のある大人などには薬の使用を控えさせるとか、厚生労働省は指導した方がいいんじゃないか、と思いました。もちろんそれくらいで耐性ウィルスの出現確率を下げることが出来るなら、という前提ですが。
ところでタミフルとは一体どう言うもので、どうインフルエンザに効くのか、また、どうして効かなくなったのか、正直何も知りませんでしたので、良い機会と少し調べてみました。タミフルと言うのは日本の製薬会社が使っている商品名で、正しくはオセルタミビルと言うんだそうです。中華料理で使う香辛料「八角」に含まれている成分で、1996年にアメリカで開発、日本には2001年に保険適用となり、今では全世界の7割に当たる量を、日本一国で消費しているんだとか。その能力は、インフルエンザウィルスの増殖を阻害すると言うもの。インフルエンザに限らず、ウィルスというのは、自分達だけで増える能力がありません。彼らは自分の遺伝子を、他の生物の遺伝子コピー機能を使って、増やして行きます。古典的な生物の定義の一つに自己増殖能というのがありますが、その定義からすると、ウィルスは生物とは言えないわけです。
インフルエンザウィルスの場合、その大事な遺伝情報をタンパク質の膜の中にしまい込み、その膜の外側に、赤血球と結びつくための手や、そこから離れて他に行くための装置をちょうどウニの刺のようにまとっています。その手の役割をするのがヘマグルチニン、離れるための装置がノイラミニダーゼと言い、よくインフルエンザウィルスをH1N5型とか言うのは、それぞれの単語の頭文字を取って、型分けしていると言うことです。Hの型は現在15種類、Nの型は9種類知られており、人、豚、馬などでそれぞれ感染する型が一部重なっておりますが、一応別々にあるみたいです。その中で特に鳥インフルエンザが話題になるのは、鳥はこの全ての型に感染するという性質を持つためで、鳥ー人感染というのも型次第で確かに起こり、それが渡り鳥などで世界的に広がったりするからです。
タミフルは、この離れるための装置であるノイラミニダーゼという名前の酵素の働きを阻害し、増えたインフルエンザが他に移動するのを妨げる能力があります。他の細胞を見つけてくっつかないと次世代が生み出せませんので、後は体の防御機構がそうして増殖出来なくなったウィルスを駆逐してしまえば、病気が重くなる前にやっつけることが出来る、と言うわけです。
・・・と、このあたりまではちょっとぐぐれば判るのですが、ではどういう機構でインフルエンザはタミフル耐性を獲得したのか、は判りませんでした。酵素というのはよく鍵と鍵穴の関係にたとえられたりしますが、ようは一対一の関係で化学反応を促すことで仕事をするものです。ですから世の中には色々な種類の酵素があり、人の体の中でも様々に活躍しているのですが、その酵素を阻害するはずの薬剤が阻害できなくなったと言うことは、酵素その物が変容して、薬剤に反応しなくなったのか、あるいはその薬剤が酵素に届くのをブロックするような新たな楯みたいな物をウィルスが作ったのか、ひょっとして体に投入されたタミフルを迎撃し、ウィルスまで届かなくするような物質を生み出すなんていうような力を身につけたのか、いずれ調べているうちに判るだろうとは思いますが、いずれにしてもこちらが使いすぎれば相手も生き残りをかけて進化して行くはずですので、少しでも長く効果を保てるように、特に体力のある大人などには薬の使用を控えさせるとか、厚生労働省は指導した方がいいんじゃないか、と思いました。もちろんそれくらいで耐性ウィルスの出現確率を下げることが出来るなら、という前提ですが。