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民主党の郵政改革プラン

2005年08月13日 23時43分43秒 | 社会全般
先日、菅直人氏の発言を怒りに任せて書いた(参院採決は否決(解散閣議決定だ!))のだが、どうやらマニフェストに載せるということになったらしい。国会審議で示さず、今頃になって、出してくるというのはどう見てもおかしい。しかも、そのプランはかなり以前に記事でも触れたのだが、現実的な方法としてはかなり難しいと言わざるを得ない。余程うまく財務省が新発債を個人向けに供給する必要があるし、郵政「大リストラ地獄」とか政府系機関からの「貸し剥がし」、国債大量売りで長期金利暴騰に繋がりかねない。今の時点で問題点を洗い出すと、民主党を利することになってしまうが、仕方がない。マニフェストが印刷されてから、「バーカ、バーカ」と言う感じで攻めた方が民主党にとっては、非常に痛いはずなんだが。でも書かずにはいられない(笑)。

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <民主党>郵貯限度額引き下げを政権公約に 岡田代表発表


まず、簡単な部分から。「今後2年間は公社形態で」っていうのは、政府案も同じだろ。先日の廃案になった法案だって、2年後の07年から民営化へ移行なんじゃないか(しかもシステム移行がスムースでなければ、延期も多少認められる)。民主党は寝ぼけているのか?政府案だって、形態的に言えばあと2年間は公社だろ。何が違うって言うんだ?今頃になって、「私達は、あと2年間は公社でやるべきだと思っているんです」って言うならさ、政府案と全く一緒だ。


それから、「直ちに700万円に引き下げ、その後段階的に500万円に引き下げる」というのは、いかにも危険だな。よく考えてから言えよ。菅直人氏の「300万円にする」のよりは、まだ穏当だがな。簡保資金約120兆円はとりあえず置いておくとして、郵貯だけでまず考えてみよう。今は郵貯資金は220兆円を割る水準だと思うが、計算を簡略化するためにとりあえずこの水準としよう。


大雑把にいって、220兆円の3割が国民に払い戻されるとするなら(本当は3割よりもやや少ないと思うが)、66兆円資金が減少する。直接的な貸付以外(地方公共団体、公庫公団貸付、加入者貸付等を除いて、という意味で)から払い戻すとして、200兆円分の国債・財投債・預託金などから回収して、払い戻しが必要である。66兆円規模となれば、新規発行のかなりの部分を個人向け国債に置き換えて売り切らなければならない。また、仮に国債や預託金で半分ずつ回収するとしても(33兆円分を市場で保有国債を売り切り、尚且つ預託金の借入先(所謂特殊法人等の財投先)は元本を33兆円返済するか財投機関債等で資金手当てをしなければならない)、債券が市場に溢れかえり長期金利は上昇圧力が相当強まる危険性がある。果たして、財投債とか機関債を市場がこなせるか?借入先を探せるか?資金調達は円滑に進められるか?大いに疑問である。資金手当てが出来ない財投先を破綻処理するなら別だけれど、その場合には相当の痛みが伴うし、首切りの嵐だな(笑)。


財投先の債務残高は定かではないが、恐らく300兆円以上あると思われている。下手すりゃ、330~340兆円程度かもしれない。国の債務の約半分程度の規模と同じ債務があるということだ(国の780兆円の借金の内、財投債を除くと約680兆円)。この10%程度を回収するのだから、そりゃ、大変な額ということになる。破綻先の債務を清算できるのか?何処かの公団とかを、いきなり「倒れました」って整理できるのか?債務は税金で処理するのだぞ?


それと、郵政の収益源である利息収入財源を確実に奪うことになる。これも判っているのか?資金が66兆円が減少すると、平均運用利回りが2%とすれば、1兆3200億円の利益が失われる。これはほぼ郵政公社の剰余を全て吹き飛ばす規模だ。そして、上限を500万円まで落とせば、仮に資金量が半分に減るとするなら、郵貯資金は110兆円まで減少する。これがどういう意味なのか、判っているのか?簡保120兆円と合わせても230兆円まで資金量が減少するが、仮に2%運用であれば340兆円時代には利息収入が6.8兆円あったものが、230兆円になれば4.6兆円に減少する。2.2兆円の収入が消滅するのだ。この時点で、郵政の赤字は約1兆円なのだぞ?これは公社の正規職員を約半分にする(人件費半分カットで約1兆円以上が浮く)ということと同じで、10万人以上(もっと悪けりゃ15万人か?)の「大リストラ」敢行ということだ。労組の連中は、民主党が言っているプランがどういう意味なのか、考えているのか?平均運用利率が1.5%としても、340兆円ならば5.1兆円の収入だが、これが230兆円になれば3.45兆円となって、やっぱり1.65兆円減少するので大赤字間違いなしだ。単年度で約4~5千億円程度の。郵便事業のマイナスは経年的に増大していくから、恐らくもっと赤字幅は増えるだろう。


民主党の赤字大出血プランの正体とは、こういうことなのだぞ?労組の連中よ、「いい加減、目覚めなさい」(笑)。民主党は赤字が拡大すれば、税金投入は「国民が選択・判断する」と言っているのだぞ?岡田くんは、テレビでそう明言していたぞ。つまりは、大多数の国民がこの段階に到達した時に、少数派な過疎地のことを考えたり、守ろうとしたり果たしてするだろうか?毎年5千億円以上の税金を投入しても、本当に郵政公社を守ろうとするか?よく考えてみろ。このプランが実行された時には、本当に「赤字」の大きい部分は切り捨てて、税金投入は止めろ、って結論に導かれるだろう。それが多数派となるだろう。少数の国民の利便の為に、税金を数千億円も投入することを認めてくれるのか?


だから、前から言ってきただろ。ブログの記事(郵政民営化の考察4)にも書いただろ。民主党や毎日のプランは厳しい、って。

政府案の方が、よっぽどソフトだぞ。



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1 コメント

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無責任野党 (hironagano)
2005-08-15 10:23:18
民主党も責任政党とか口では言うが、根拠のない選挙民受けのデマでしかないということですね。たぶん党首はあまり深くは理解せず本気で言ってると思われる、つまり、本人もどっかで自分をだますかだまされた状態であろう。

預金限度額の引き下げというのは確かに判りやすい表現ですね。騙されない様に。直接の被害をこうむるのはすぐに皆さんですね。一番安全安心なお金の置き場所が制限されますよね。
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