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官の意識改革は可能か

2005年10月09日 13時55分04秒 | 社会全般
今まで放置されていた話題ですけれども、先日ノーベル経済学賞の予想についての記事を田中秀臣先生からTB頂いていたのですが、門外漢の私には何のことやらさっぱり分らず、当然のことながら何方が受賞されても、「ああそうか」くらいしか分りません(笑)。米国の有力大学の幾つかは、学内に普通にノーベル賞受賞者が何人かスタスタ歩いているという光景は普通のようで、受賞者以外は肩身の狭い思いをしたり、資金集めの力が違うということから教授格差を生じていたり、ということもあるかもしれません。「彼とこの人とあの人は経済学の受賞者で、あっちと向こうは医学・生理学の受賞者だよ」というのも、凄いことだと思います。日本はそういう意味では「まだまだだね」(エチゼン君風)ということなんだろうと思います。


それから、いつも拝読させて頂いているbewaadさんからもTB頂いていましたが、総務省の予算獲得については私の方で何か語るべきものもございませんので、特段の回答というものもないことをご容赦頂ければと思います。わざわざ有難うございました。

最近の論点としては、①国の債務の問題、②日銀の金融政策問題、③これらに関連した財政政策及び政府の責務、といったところが取り上げられているようですが、それらについての記事は既に書いてきましたので、改めて何か言うべきこともございません。今までに記事から色々と勉強させて頂きましたので、目標とするべき政策は共通するものもあると思います。しかし、政治的な、或いはその他基本的考え方においては、乗り越えられない隔たりが存在するのであろうと思います。個々の考え方に違いがあったとしても、それはそれでいいのではないかとも思っております。全くの部外者である馬の骨的な私と、行政府内部におられるbewaadさんは立場上も全く異なる訳ですから、ご自身なりの実現方法をおとりになられればよいと思います。




前置きが長くなりましたが、一部の方々には、私が公務員を目の敵にしている(笑)かのような誤解を与えているかもしれませんが、そういうことはありません。ただ批判の矛先を向けられた、政治家諸氏をはじめ、何度か引き合いに出された漆間警察庁長官、細川財務次官、森本会計検査院長などは苦々しく思っておられることでしょう(読んでないから知らないか。もし読んでいたら「このブタ野郎」と怒っておられるはずです。その他大勢の方々にとってもそうかもしれませんが)。ですが、組織の防衛の為とか以前の不備・失敗等の隠蔽やごまかしでは、何も良くなっていかないことはよくご存知であろうと思います。「変えられない」という組織上層部の姿勢こそが「変えていこう」に変わらなければ、組織がよくなることはないのです。彼らは一様に「こちらは悪くない」「それは出来ない」「失敗ではなかった」「過去の歴史が・・・」というようなことを公言する訳です。本質的問題として「改革が良いとは限らないんだ」という主張もよくなされる訳ですが、何も変えなくてよいならば当の昔に多くの問題が解決できたはずであり、現状がベストな行政であって、現在取り上げられる問題のようなことが発生し得ないわけです。


ところが多くの問題があって、現実にこれではダメですよ、改めて下さいね、と申し上げている訳ですが、学歴もキャリアも人並みはずれて立派であるのに、普通に考えれば誰しも思いつくようなことさえも、何故だか「それは出来ない」「改められない」という主張をされるのですね。根底には「政治家が悪いのだ、公務員は悪くない、政治家が悪い法を決めたからだ」というようなことを思っておられるのかもしれませんが、法の条文には特別悪いことなんか書いてあることなんて多くないと思いますよ。勿論、時には悪法も存在するかもしれませんが(専門外なので評価できませんけれども)、行政実務においては多くが公務員の裁量権とか解釈・適用に問題があるのではありませんか?組織上層部が改めようとしない限り、部下達が勝手に改革を推進できるはずもないでしょう。そういう組織体質を、上に立つ人間こそが率先して変えていく範を示すべきではないか、という意味で常々申し上げてきたのです。


本来、組織内部の人間こそがよく分るだろうし、変えていけるはずなのですよ。「お前らのような部外者に何が判る」と思うのであればなおのこと、自分達で変えない限り前進しては行けないでしょう。それとも天邪鬼的に、「変えろ」と言われれば言われるほど、「変えたくない」と頑張りたくなるものなのでしょうか?意識改革を行うことなど、最もコストも(法改正のような)手間もかからずに出来うる方策だと思いますよ。だって、まず上層部数人が頑張って考え方を変えればいいのですから。そうすれば、優秀な部下達が集められている訳ですから、直ぐに上司の考えや姿勢を汲み取ってくれますよ。それだけ立派な人材を集めてきたではありませんか。


政治家達は大きく様変わりしましたよ。これはトップの考え方が大きく変わったからであり、その成果は今のような政治に現れてきたと思っています。国民にもかなりの部分がオープンになってきて、情報共有が進められました。経済財政諮問会議等を含めて、政策決定過程が国民にも見える形となってきたことは、政治的に大きな成果をもたらしました。今回の選挙によっても、大きく前進したではありませんか。変われない政治家達の多くは退場を余儀なくされ、厳しい国民審判が待っていたのですから。「じゃあ、小泉チルドレンを大量に産んだのが良かったのか」という意見もあるやもしれませんが、色のあまり付いていない議員達が多くなったことで、過去の政治との決別というスタートラインにとりあえず立つことが出来たのです。新しい政治・統治システムを目指しましょう、というものが国民の意思として表現された結果だろうと思うのです。政官業構造の、政や業は僅かかもしれませんが、変わりつつあるのですよ。とり残された部分は、官だろうと思いますよ、やっぱり。強制されてしぶしぶ認めるから、外圧は強まるのです。自ら率先して変えていれば、こんな事態は招くことがなかったんじゃないか、と今でも思っていますよ。昨年の抵抗が強すぎた反動なのかもしれません。


公取や会計検査院は、百点満点とは評価されていないと思いますが、それでも随分と頑張るようになっています。彼らは色々な意味で、「不可侵領域」と思われるような部分にも勇気を持って踏み込んで行きました。これは何となくの感覚でしかありませんが、「このままではイカン。やるべきこと、求められていることをちゃんとやろう、信頼を得られるようにやって行こう」という、決意のようなものがあるように感じ取れますよ。実際には「そんな奇麗事なんかじゃないんだよ、本当は違うんだよ」という内部的意見もひょっとすると存在するかもしれませんけれども、私には以前よりも頑張っているように思えます。


総務省も不本意ではあったと思いますが、幹部更迭という試練を受けましたけれども、それでも政策評価の適正化、情報公開推進、行政手続法改正などでも、結果を出そうとそれなりに努力してきたと思いますよ。これらについては既に記事にも書いてきました。きっと一部には変えなくちゃいけない、と思っておられる官僚達もきっと存在するのだろうと感じます。

それであればなお一層、各省庁の幹部は「共に変わっていくぞ」という決意を示していくことが求められるはずだろう、と思います。一部の人がいくら頑張ろうと思っても、他の部分の人々が足を引っ張れば、やっぱりレッテルとして「役人はダメだ、なっちゃいない。リストラだ、リストラ。民間人はリストラに遭って苦しんだのだから、お前達も同じ苦しみを味わえ」というような強烈な意見が強くなっていくことになります。

(確かに一部には、自分が苦しむ時に他の人々にも同じ苦しみを求める人も存在するかもしれません。自らの不幸が他人の不幸によって多少癒されるという恐ろしい感覚です。本当の原因は自分にあるかもしれないが、それを認めず他人のせいにしてしまい、「俺が貧乏なのはお前が金持ちだからだ」という倒錯した感性を持つのかもしれませんが、心理学には無縁ですので判りません)


今後の官の意識改革実現こそが、公務員達の存在意義を高める唯一の方法だろうと思っています。



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2 コメント

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官の意識改革へ (hironagano)
2005-10-09 21:17:55
同感です。というか、官の中身もほんの少し垣間見てきた立場として、いまだに複数の中央官庁が同じ仕事をやっていたりすることを、変えられないなど、問題の本質は、自己正当化の言い訳を是とするこの国の仕掛けにあると考えています。

しかもこれが外交にまで縦割りで行ってしまい、国益を大きく損ねる、相手にうまく使われてしまう、更にはもっとひどい敵の敵的な情報の漏洩にまで行ってしまう、恐るべき平和ボケの官庁ではないでしょうか?

この際、小さな政府を求めてそこらまでもう一度見直すことが必要だなと思います。
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官僚道ってのがあるらしい (岩手の田舎人)
2005-10-09 22:26:58
↓「官僚道を歩く」という記事があります。

http://bewaad.com/archives/publicservantindex.html



頭のいいプロの官僚が、知識を積み上げてきっちり考えた結果なんだから、一面だけを取り上げて文句言うなってことだと理解しましたけども・・・。

官僚のやっていることは素人(知識が無い人)には理解できないことなんだそうです。

官僚をやっていけないバカが、政治家をめざすんだそうですよ。

さてさて・・・。
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