いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

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安保理での完敗で傷を舐め合う米韓

2010年07月19日 19時19分43秒 | 外交問題
これまで何度か取り上げてきた韓国哨戒艦沈没事故だが、その後始末に苦慮しているのがよく分かる。


結果は周知の通り、安保理決議は当然出せず、単なる議長声明で終わった。それも、「両論併記」という形で、韓国と北朝鮮への配慮は同等だった。
日本の外務省幹部とやらが「北朝鮮の名指しだ」と豪語したのも空しく、一文を盛り込むのが精一杯、というのがアリアリと伝わる声明文だった。

その失敗だけなら、まだいい。
米国にとっての致命傷でもないし、韓国サイドでも「ここまでの流れでは厳しい」という感触はあったはずだからだ。常任理事国である中国やロシアの立場があるからだ、両国への配慮の関係上仕方がないんだ、という言い訳や大義名分が立つのなら、それで治まりのつけようがなかったわけではなかった。韓国にとっては渋い結果ではあるが、少しばかり我慢をするだけで完全な面目丸つぶれにはならず、まだ恰好のつけようがあったはずだ。


こういう「中国が強硬に反対するから仕方がない、妥協もやむを得ない」といったことなら、傷は浅かったということ。

では、一体何が問題だったのか?


それは、米国さえも見放していたのか、という韓国側の不満・疑念・不信感、そういったものが湧いてきたことだった。
それまでは、沈没事故問題の渦中にいて、当事者であったが故に気付くことなく来てしまっていた、ということなのさ。韓国は、知らなかった。気付いてもいなかったんだよ。

だから、拙ブログでは親切心から教えるべきと思って、書いたわけである。


何をか、って?(笑)
それは、米国自身が、これまで一度だって「北朝鮮が魚雷で攻撃し天安を沈めた」という事実を明確に述べたことがない、ってことさ。

米国の負け惜しみ(笑)


どうして、そう言わなくなったと思う?

5/18 >韓国哨戒艦沈没事故についての疑問~4・Smoking Gun!

5/19 >韓国哨戒艦沈没事故についての疑問~5

拙ブログで記事に書いたから。
というのは、きっと違うだろうと思いますけれども、おかしいということは書いておいた。

その直前までは、平たく言うと「北朝鮮が実行犯である、という線が有力」といったような米国サイドの見解みたいなものが非公式ながら出されていたわけですよ。だからこそ、(沈没原因について)「完璧に具体的に特定されました」とか豪語する輩がいたわけで。魚雷で撃沈された、と喧伝しておった連中は、ネット上でも散見されていた。20日の合同調査団の発表時点では、日本のメディアも一斉に「北朝鮮がやった」と報じていたわけですから。

ところが、拙ブログの指摘が届いたかどうだか知りませんが、確かにそう言われると「『犯人が北朝鮮』というのはどうして言えるのかな」、という素朴な疑問に行きあたるわけだ。普通の思考力のある人間ならば、分かるんだよ。「言えるわけがない」と。

なので、拙ブログで書いて以降に米国側の公式見解とか会見とかオバマ大統領をはじめ政府高官とか、そういう方々の口からは、「北朝鮮が魚雷攻撃を行い、天安を沈没させました」という事実は一切聞かれることがなくなった、ということ。直接そのように公式発言をした人がいれば、それは誰ですか、とお尋ねしたくなるのは当然なのですよ。少なくとも、私の見ている範囲では、知らない。
英語は嫌いだから見落としは当然あるはずだし、全員の発言をくまなく拾って歩いているわけでもないから、正確かどうかは自信がない。だけど、米国政府高官で、そんな発言をした人はいたかな?と考えると、思い浮かばないんですよ。


で、この事実を韓国は知らなかった。
知らなかったどころか、韓国内では「情報統制の失敗」の責任を韓国内の誰がどのように取るのか、ということを揉める始末。どうして責任問題に発展したかといえば、米国側の政府高官どもの誰かが烈火の如く激怒して、これも簡潔に言えば「何やってんだ、バカ、うすのろどものせいでしくじっちゃったじゃないか、この頓馬野郎」みたいに、酷くお怒りになられたわけですよ。なので、韓国側は急激にシュンとなっちゃって、米国さまゴメンなさい、ということで、失敗の責任のなすり合いになったわけで。

滑稽この上なし。


ところがですね、韓国にも目はしの利く人間というのがきっとおりまして、どうやら「米国は、韓国の味方だ、とか調子いいことを言ってたけど、犯人が北朝鮮だとは認めてないんだってよ、一度たりとも発表してなかったんだってよ」ってことが、政府内でもバレて広まってしまったのでしょう。

演習延期とか空母を引っ込めるくらいなら、まだ理由付けができたわけです。黄海に空母を浮かべるなと中国さんが怒っておられる、と言えば済むから。だけど、韓国は大統領自らが涙の会見で全国民にあれほど訴えることまでやったのに、米国は「犯人は…モゴモゴ」と言葉を濁し「韓国の味方だー!全面支援だー!」くらいしか言わないってのは、一体全体どういうことなんだよ、となるわけですわ。
そもそも韓国側としては、苦渋の選択として、あの「合同調査団の調査結果」というものを出してきたのに、今更になって米国の態度はどういうことなのよ、と、ヘソを曲げるのは当然ですな。

もっと平たく言えば、「お前らがやれって言うからやったんじゃないか、それなのに何でお前らは掌返したみたいな態度なんだよ、犯人は北朝鮮にしろって言ったのはお前らなんだから、自分の口からはっきりそう宣言しろや!!」と、韓国側が怒るということになるわけで。


そして、韓国を宥めるのに必死だな、ということになったわけだ(←いまココ)。
米国は韓国のご機嫌を直してもらうように、2+2をセッティングして、異例のヒラリー&ゲーツそろい踏み、ということにしたわけだ。

5月にヒラリーが訪中した時なんて、韓国には帰り際に数時間だけ面通しをしただけで、形式的に通過したというだけに終わったので、軽んじられたという思いは韓国側にあったでしょう。そういうモロモロのことがあったので、今回は、じっくりと訪韓しましょう、ということになったわけだ。

ここまで世界の外交の舞台で恥を晒してしまい面子を失い傷を負った米国と韓国が、互いの傷を舐め合う、というのが一つある。
そして、もう一つが韓国さえも「米国は酷い、味方するって言ってたジャンかよ」と不信感を募らせる結果となったので、それを宥め修復しようという試み、ということですな。


こうして、ヒラリーとゲーツだけじゃなく、悪巧み?コンビのキャンベル&ベーダーも来るよ、という、三役そろい踏みを演出したわけだ。しかも、これまた異例の「ゲーツ長期滞在」ということで、「韓国は米国にとって大事」、というメッセージを米国が必死で訴えるということになっておる、と。


大爆笑。

ゲーツなんて、韓国に何日も滞在したって、喜びもしなけりゃ、見たい観光地さえないだろう。気が狂いそうになるのを必死で抑えながら、韓国のつまらない演出に付き合わされて、それをゲーツが部下に悪態をついて嘆く、という図が目に浮かぶようだ。

韓国側だって、面白くも何ともない、気難しいだけのゲーツを何日も接待しなけりゃならないとなれば、これはもう大変。ゲーツにしてみりゃ、お前らと改めて話すことなんかない、というような態度がアリアリで、韓国側の国防関係者とこれといって話すべき話題もない。双方にとって、苦痛の時間が続くだけ。まさしく、拷問。


でも、つまらない脚本だろうと何だろうと、米韓両国が演じきらなけりゃならない、政治シューなので、仕方がないんだそうですよ。そこまで追い詰められたのは、兎にも角にも、哨戒艦沈没事件での失敗、これが響いたということです。国連に舞台を移しての、改めての敗北、これが決定的となったわけだ。世界にどのような印象を与えたのか、このことが5月時点では「彼らには予想できなかった、想像できていなかった」ということなんですよ。

まあ、自業自得ですな。

災厄は、自らが招いた、ということです。




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