シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ダイバージェント

2014-07-15 | シネマ た行

世界が崩壊した100年後、復興した人類はそれぞれを性格により5つのfaction(共同体)に分けることで平和な世の中を保っていた。一定の年齢になると性格審査にかけられ、どの共同体に属するのかを判断されるが、その判断とは別に自分の意志でどの共同体で残りの人生を生活していくかは決めることができた。ただ、90%ほどの者は生まれた共同体に残り、別の共同体を選んだ者はそこに属する資質がなければ「無所属」というホームレスのような生活をしなければならなかった。

その5つの共同体とは

Abnegation(無欲) 他人に奉仕することを主として生きる。政治を司る。服装はグレー。虚栄の象徴である鏡を見ることを許されていない。

Dauntless(勇敢) この世界の秩序を保つ警察のような役割。体育会系のノリでハメを外しがち。服装は黒のボディスーツでスポーティー。

Erudite(博学) 知識、教育を司る。服装は紺。

Candor(高潔) 嘘をつくことができない。白黒をはっきりさせる性質から司法を司る。黒いジャケットに白のネクタイ。

Amity(平和) 平和を愛する農民。明るい性格。オレンジ色や土色の服装。

トリスシャイリーンウッドリーは無欲生まれだが、自然に人助けができる兄ケイレブアンセルエルゴートとは違って無欲であることに違和感を覚えていた。そんな兄妹についに残りの人生をどの共同体で暮らすかを選ぶテストの日が。父アンドリュートニーゴールドウィンと母ナタリーアシュレイジャドは彼らがどんな選択をしようと愛していると言ってくれている。

トリスのテストの番がやってきた。適性を調べる機械にかけられるトリス。試験官のトーリマギーQはトリスの結果を見て青ざめる。トリスはどの共同体にも分類されない「ダイバージェント」(異端者)だと言うのだ。弟がダイバージェントで社会に殺されたトーリは手動でトリスの適性を「無欲」と入力してトリスを逃がしてくれた。無欲を選んで静かに暮らしなさいとトーリに言われたトリスだったが、選択の日、昔から憧れていた「勇敢」を選んでしまう。

トリスが勇敢を選んでから、他の転向組と一緒に教官フォーテオジェームズの下、訓練されるシーンがねぇ、、、長いんだわ。これ多分1時間以上ここに時間を割いてますよね。訓練風景っていうのは決してつまらないわけじゃないんです。ガチな素手での殴り合いとか、射撃訓練とかナイフ投げとか面白いんですよ。女の子たちが容赦なくボコられるのは見ていてつらいですけど、全体的に見ごたえはある。が、です。ただこれがすごく長くてですねぇ。トリスがダイバージェントと診断されたことっていうのが全然生きてこないで、延々と「勇敢」に属するための訓練を見せられるっちゅうのがどうにも納得がいきません。

肉体的な訓練が終わったと思ったら、今度は精神的な訓練ってわけで、ここでトリスがダイバージェントだってことが教官フォーにばれてしまいます。どうやらダイバージェントは特殊な能力で恐怖を克服してしまうらしい。でも、このフォー教官がトリスが気があるもんだからまたかばってもらえちゃうんです。やっぱ可愛い子は得だね。

一方そのころ、博学のリーダー・ジャニーンケイトウィンスレットは、無欲よりも博学が政治を司るべきだと考え、勇敢の武力を利用して無欲を支配しようとしていた。その企みに気付いたトリスとフォーは2人で反逆を起こし、世界を救おうとする。

ここでやっとこさトリスのダイバージェントとしての能力が大いに発揮されるのかと思いきやですね、博学が勇敢を操るために打った薬がトリスにだけは効かないってのは良かったですけど、結局それだけなんですよねー、彼女のダイバージェントとしての能力は。あとは勇敢の訓練で培ってきたものを使っただけって感じだったのが非常に残念だったなぁ。ダイバージェントってそんなに社会の脅威とされるほどの能力ないじゃん!

トリスを演じたシャイリーンウッドリーちゃんが可愛いから見てられましたけどね。そして、後から娘を助けに来たお母さんが超カッコ良かったー。お母さんがアシュレイジャドで最初にちょこっと出ただけだったから、あれだけでアシュレイジャド使うなんてもったいないなぁって思っていたら!なんとお母さん実は勇敢生まれだったんだねー。あの一連のシーンは非常に良かったですね。

ケイトウィンスレットの初めての悪役も楽しみにしていたんだけど、もう少しパンチが欲しかったですね。マギーQももっと後半活躍してくれるのかと期待していたんですが。

要はアメリカの中学高校生向け映画っちゅうことですかねー。シャイリーンウッドリーが活躍してテオジェームズがカッコ良ければそれで良かったのかな。設定的にはすごく面白い作品になる要素がある作品だと思うので、もう一歩深く掘り下げてくれたらもっと面白い作品になったんじゃないかなぁと思います。途中笑えるシーンとかカッコいいシーンとかはいっぱいあるので、決して面白くなくはありません。ただちょっと惜しいなという作品でした。

オマケ1若者向けとあって、サントラもカッコいいんですが、トリスが勇敢に入ってすぐにみんなと一緒に列車に飛び乗って行くシーンの「Run Boy Run」は最高にカッコ良かったな。

オマケ2原作は3部作らしく、2作目をナオミワッツ主演で撮影が始まっているそうです。それにトリスたちが登場するのかどうか全然知らないのですが、主演がナオミワッツならまた見に行きたいな。