ケネディ大統領暗殺事件に何らかの形で関わった人たちの事件後の4日間を描く作品で、映画の画像を見ていたら久しぶりにブリーボブソーントンがまともな風貌で出演していたので、興味が湧きました。
おそらく誰しもが一度は見たことがあるであろうケネディ暗殺の瞬間を8ミリフィルムで撮影したエイブラハムザプルーダーポールジアマッティ。
初めて護衛対象を暗殺されたシークレットサービス。
ケネディ大統領が運び込まれたパークランド病院の研修医ジムザックエフロンとペリー医師コリンハンクス。
狙撃犯として逮捕されたオズワルドジェレミーストロングの兄ロバートジェームズバッジデールと母ジャッキーウィーヴァー。
そのオズワルドを数週間前に調べていたFBI捜査官ロンリビングストンとその上司デヴィッドハーバー。
こういった人々の事件当日とその後の3日間が描かれる。
ザプルーダー氏は8ミリ愛好家だったらしいのだけど、この日のことが衝撃的過ぎて事件以降8ミリを撮影することはなかったそうだ。
シークレットサービスがケネディ大統領の棺を飛行機に乗せるとき、棺が入らずに飛行機の内装の壁をのこぎりで切ったというエピソードは初めて知った。
パークランドに大統領が運び込まれたとき、研修医しかおらず、最初の処置が間違っていたように描かれていたけれど、あの状態ではどの道助からなかっただろうな。放心状態のジャッキーが握りしめていた何かを看護師マーシャゲイハーデンに渡し、それが大統領の吹き飛ばされた頭蓋骨の一部だったというのはあの瞬間にその場にいたら相当衝撃だっただろうな。ジャッキーがとっさに吹き飛ばされた夫の一部を拾い集めたのはそれこそザプルーダーフィルムで何度も見た光景だけど、あの瞬間あの行動を取ったジャッキーってすごいなぁと何度も見ても思う。
同じ医者たちが大統領と逮捕後ジャックルビー殺されたオズワルドを診たんですね。大統領のときはすでに死んでいると分かってからも必死で蘇生していたけど、オズワルドのときはあっさりしたもんだった。医者としては適切ではないと思うけど、人間の心情としては仕方ない部分もあったのかな。オズワルドも蘇生すれば助かるという状態ではなかったわけだろうし、別に見殺しにしたわけではないんだけど。
オズワルドを逃したFBI捜査官については、どうもそれは仕方ないんじゃないの?っていう気はするなぁ。テロ対策などが徹底されている現代でさえも、そういう捜査網をかいくぐる犯人はたくさんいるわけだから、あの当時ならばそんなこともあるだろう。
新鮮だったのは、オズワルドの家族にスポットが当てられてたこと。犯人は誰なのか、オズワルドは単独犯なのか、そういったことに目が向きがちで彼の家族のことに思いを馳せたことはなかった。オズワルドのお母さんは随分エキセントリックな人だったんですねぇ。それゆえに余計お兄さんが不憫だったな。彼は名前を変えることもなく生涯アメリカで過ごしたようだけど、あの後の人生はどんなだったんだろうなぁ。ケネディ暗殺事件に関しては相当の数の映画があると思うのですが、オズワルドの家族に焦点が当てられるのは非常に貴重です。
でも、あのお母さん「オズワルドはアメリカのスパイだった」と繰り返していましたが、それが完全なる嘘だとも言い切れなかったりして、、、???
ワタクシがそもそも眠気を我慢しながら見ていたせいか93分という上映時間なのに長く感じてしまった。衝撃の事件の裏側のわりに結構淡々と進むのですよね。それがちょっとばかり辛いところ。事件の裏側ではありますが、特に新事実が発覚とか新しい解釈とかそういう作品ではないので、ケネディ暗殺やアメリカの歴史的な事件に興味ある方でないとつまらないかもしれません。