シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

第9地区

2010-04-13 | シネマ た行
なんじゃあ、この映画ぁ?

いや、これね、ピータージャクソンが製作の無名監督(ニールブロンカンプ)の作品で「なんじゃあ、この映画ぁ」な映画だってことだけを知ってたんで、作品の内容はまったく見ないようにして行ったんですよ。絶対そのほうが面白いだろうと思って。

ドキュメンタリー、ニュース映像風(モキュメンタリー)の冒頭から怒涛のように、本編になだれ込んでいきます。ここで、一気に乗り切れなかった人はもうずっと乗り切れないかもよ~。

この作品をモキュメンタリーにしたことが、ヒットの原因と言えるでしょうね。普通に町にUFOが来て、エイリアンを難民として助けてってのをストーリーとして描いちゃうと一歩引いて見てしまって、くだらないB級ムービーになり下がってしまうところ。

エイリアン難民を助けて収容地区(第9地区)を作ったはいいものの、地元住民との衝突などの問題が起き、さらに山奥に作った新たな収容所にエイリアンたちを移送することに。超国家機関のMNUの職員でこの移送計画を指揮することになったヴィカスシャールトコプリーがエイリアンの作った謎の液体を顔に浴びたことで、腕の先がエイリアンになり、そこからエイリアンに変身していく。

というここの展開から、モキュメンタリーからSFアクションものへとスムーズに移行するんです。

ヴィカスはエイリアンを馬鹿にしていたし、エイリアンの卵を破壊して大喜びしていたような人間だったのに、自分がエイリアンになりかけるというハメになって、人間には実験台にされるし、エイリアンに助けを求めるしかないという状態に陥ってしまう。ここで、思いもかけないエイリアンとの友情物語にまで発展してしまうというまさにハチャメチャな展開。あー、これ全然ダメな人は全然ダメな作品なのかも…

あとで振り返ってみると、まさになんやこれーな作品なんやけど、見ている最中はもう食い入るように見てしまいましたよ。ヴィカス役のシャールトコプリーも最初はなんか気持ち悪いタイプの男に思えたのに、途中からよく見ると実は顔もハンサムやんって思えてきて。最初と最後で、(人間→エイリアンというのは別にして)完全に別人です。最後なんかマジでほろっと来ちゃったし。あのエビ型エイリアンに哀愁まで感じるようになっちゃうんだから不思議です。

舞台が南アフリカなこともあって、この「人間VSエイリアン」が「白人VS黒人」という構図を風刺してるっていうのが評価につながってるっていうのがあるんだろうけど、ワタクシは逆にそっちはどーでもいいかなーって感じ。そんな社会的にどーとかこーとかじゃなくって単にエイリアン映画として面白い。宣伝のうまさとかもあったんでしょうねぇ。そういうのもひっくるめてみんなやられちゃったって感じ?

画面が埃っぽくって、汚くってねぇ。血とかカメラに飛んでくるし。こういうのがダメな人もダメかも。全体的に好き嫌いが激しく別れる作品なのかもしれませんね。ワタクシは好きなほうで、すべてはストーリーどうのこうのより、設定と作り方の勝利だと思いました。


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