日本原作、トムクルーズ主演!というのはワタクシにとってはかなりどーでも良くって。お目当てはエミリーブラント。彼女が出ていなければ見に行ってなかったと思います。
「ギタイ」という宇宙からの侵略者に支配されつつある地球。全人類を挙げて戦っているが戦況は良くない。この度軍は新たなパワースーツを開発し一矢報いる希望が出てきた。その広報に回っているウィリアムケイジ(クルーズ)。彼は将校というランクではあるが、実戦経験はない。広報のために前線に行くよう命令が出たときもあらゆる手段を使ってそれを回避しようとするほどの弱い男。彼は命令違反で逮捕された挙句、前線へ放り込まれた。
実戦経験もなく、度胸もなく、武器の知識もないケイジが最前線で生き残れるはずはなく、あっさりと戦死。
と思いきや、目覚めたら昨日。あ~戦死したのは夢だったのか。と思っていると夢の中に出てきたファレウ軍曹ビルパクストンがやってきて夢の中とまったく同じセリフを言った。このあとファレウ軍曹にJ分隊のメンバーを紹介されるがそこでの出来事も夢の中とまったく同じだった。
次の日また同じ戦闘に向かうケイジ。そこで武勲を挙げているリタヴラタスキ(ブラント)に出会う。ケイジが何度も何度もその戦闘を経験していることを知ったリタは事情を察し、目覚めたらまた私に会いに来なさいと言う。
一番最初に死んだときに敵の血を浴びたケイジは敵の親玉が持つ時間を支配する力を手に入れ、時間をループするようになったとリタに説明される。実はリタも以前同じことを経験したが、ケガをして輸血を受けその力を失ってしまったらしい。
敵は同じ力を持っている奴がいると気付くとそれが誰なのか探し始める。その時にケイジには敵の姿が見え、敵がどこに潜んでいるのかが分かるようになるので、その力を使って敵の親玉を殺しに行こうというのがリタの作戦だった。
そのためにケイジは何度も何度も死んでは、リタに会いに行くことを繰り返し、最強の兵士になるべく訓練され、ケガをすればリタに殺されリセットされた。
死んでリセット、死んでリセットを繰り返すというのはまさしくゲームの世界で、これは命を軽んじるとかおエライ方々には批判を受けそうな内容。でも映倫さんは「G」をつけているので、その辺はクリアしたということか。
何度も何度もリセットされるのだけど、繰り返されるシーンが少しずつ違っていたり、相手のセリフを知っているケイジがお茶目にからかったりして笑いを誘うシーンも結構ある。観客が一度目だと思って見ていると実はケイジはすでに何度もその現実を経験していたり、とか同じことが繰り返される中でも見ているほうは飽きないようにできているのがうまいなぁと感じた。
リタがケイジを鍛えていく中で、ケガをするとすぐに殺されてまた繰り返すのですが、バン!(リタ撃つ)ハッ!(ケイジ目覚める)バン!ハッ!バン!ハッ!を繰り返すところはなんだか笑えてしまいました。
実戦経験のない弱虫な将校というのはトムクルーズには非常に珍しい役柄だったけど、最初の弱っちい将校のときのトムがなかなかに可愛らしくて良かった。徐々に強くはなっていくのだけど、いつもみたいに超人的に強いって感じじゃなくまさに等身大の兵士という雰囲気なのが非常に良かった。
そして、お目当てのエミリーブラントですが、リタが以前の能力で武勲を挙げたことにより「フルメタルビッチ」と称されて、軍隊のイメージポスターみたいなのになっているんですが、それがめっちゃくちゃカッコ良かったです。しなやかな体で訓練に励み日々鍛えている様子にもシビれました。今回イギリス人アクセントのままだったのも良かったな。美人がイギリスアクセントで話すのはなんともセクシー。
役者で言うとファレウ軍曹役のビルパクストンが、ん?これビルパクストンよな?と一瞬疑ってしまうようないつもと違う雰囲気だったのが面白かったです。
欲を言えばもう少しケイジとリタのエモーショナルな部分に切り込んで欲しかったなと思います。ケイジは何度も何度もリタに会い惹かれていっていますが、事情を理解しているとは言え、その都度リタにとっては初めてケイジに会うわけですから、2人が同じテンションで惹かれ合うということはないわけだし、そのあたりのリタの戸惑いと受容をもう少し深く表現してほしかったです。
あとは最後のケイジのタイムループについては、何か理論的な説明がつくのかなぁ?どうしてループの能力を失ったケイジが元に戻ったのか全然分かりませんでした。ワタクシが何か見落としたのかもしれません。そして、リタに会いに行くんですが、この時リタは「何見てるの?」と偉そうに言いますが、リタのランクから考えると将校の制服着た人が来たら「Sir」つけないかな?あそこはリタが「Sir」をつけて話したほうがセリフとしては面白かったような気がするのですがどうでしょう?