電脳筆写『 心超臨界 』

嘘と作り話の上に自己を築くことほど
この世で恥ずべきものはない
( ゲーテ )

「マクガバン・レポート」が米国の食事を一変させた――丸元淑生

2024-07-11 | 09-生物・生命・自然
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1977年にそれは、「合衆国の食事の目標」と題した栄養的な指針とともに、5000頁に及ぶ膨大な記録が公刊される。世界中でこれほどひろく読まれた、そしてまた大きな影響力をもった栄養学の本はないだろうといわれる「マクガバン・レポート」である。それによって、マクガバン自身が食事を一変させたと告白しているが、委員会のメンバーの一人であった上院議員のヒューバート・ハンフリーは、「もしわれわれがそれを知ってさえいたら」ということばを残してガンで死亡したことで知られる。


◆「マクガバン・レポート」が米国の食事を一変させた

『何を食べるべきか―栄養学は警告する』
( 丸元淑生、講談社 (1999/1/1)、p117 )

しかし、それでも経済的に豊かな米国人には栄養士の問題は存在しないと“推定”している人たちがいた。オーソドックスな医療にたずさわっている米国医師会のメンバーである。つまり、米国の医師の大多数は、米国人の食事が悪いために病気が増えているとは(彼らの表現によると)“推定”していなかったのだ。

この医師たちの圧力と、産業界の圧力によって、栄養学の新しい情報は踏みにじられる。そして栄養学者や、病気と栄養および食事の関係を論じた医師の主張はマスコミのさまざまな場面で否定されるのだが、逆にそのことによって一般の危機感を高め、上院に「栄養と人間に必要とされているものについての特別委員会」が設置された。対立意見を呼んでいるが故に食事と栄養が緊急の国家的な政治課題となったのだ。

むろん病気の増加が厳然たる事実としてあったからだが、委員長となった上院議員のジョージ・マクガバンは当然の経緯として、医学界の大物に意見を聞いてことをすませるというようなことはしなかった。徹底した独立の調査を行い、米国のみならず世界中の研究者を徴して、すべて公開の公聴会で証言してもらったのだ(トロウェルもアフリカからやってきて証言している)。

1977年にそれは、「合衆国の食事の目標」と題した栄養的な指針とともに、5000頁に及ぶ膨大な記録が公刊される。世界中でこれほどひろく読まれた、そしてまた大きな影響力をもった栄養学の本はないだろうといわれる「マクガバン・レポート」である。

それによって、マクガバン自身が食事を一変させたと告白しているが、委員会のメンバーの一人であった上院議員のヒューバート・ハンフリーは、「もしわれわれがそれを知ってさえいたら」ということばを残してガンで死亡したことで知られる。

彼はガンを告知されていて、公聴会で証言されていく事柄は、彼自身の役にはもはや立たなかったけれども、ガンと食事の関係の追及には熱心だった。彼のガンとの闘いは、食事に対する一般の意識を高めることへの使命感となっていったのだ。

こういう食事はガンの発病と高率に結びつき、こういう食事はガンを予防するという議論がつぎつぎになされていくのを、ハンフリーははじめて知ることとして、瞠目して聞き入った。彼の世代の米国人は、“肉をたべなさい、ミルクを飲みなさい”という農務省のメッセージを聞いて育ったのだ。「もしだれかがそれを話してくれてさえいたら」。彼は周囲の人に、悲痛な声で漏らしたという。「もし、それを知ってさえいたら・・・・・・」。
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