電脳筆写『 心超臨界 』

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すでにそれを達成したことにある
( エマーソン )

不都合な真実 《 イラク戦争を始めた真の理由――堤未果 》

2024-05-07 | 05-真相・背景・経緯
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爆撃後のイラクで使われたのは、みるみるうちに生産高が倍増する「米国製魔法の種子」でした。アメリカは自国で開発したGM種子(注:遺伝子組み換え技術を用いて遺伝的性質の改変が行われた作物の種子)と農薬、農耕器具をセットで持ち込み、イラク国内に補助金つきで無料提供したのです。キーワードは「復興支援」でした。この時、長い歴史を持つイラク農業の伝統に終止符が打たれたことはあまり知られていません。前年の種子を保存したり、農家同士で自家採種し、交換・交配させる行為は、ここからすべて「違反」になったのです。


◆イラク戦争を始めた真の理由は何か?――堤未果

『株式会社アメリカの日本解体計画』
( 堤未果、経営科学出版、p104 )

イラク戦争は、マスコミが主導して始めた戦争でした。でも、何故フェイクニュースを流してまで戦争をしたかったのでしょうか?

この質問を講演先ですると、「私、知ってます。石油ですよね」と、答えてくれる方がおられます。その通り、世界第2位の埋蔵量を持つイラクの石油資源は有名ですね。

でもイラク戦争にはもう1つの大きな目標がありました。

イラクの食の主権、これが欲しかったのです。(詳しくは拙著『(株)貧困大国アメリカ』(岩波新書)参照)。

中東でも有数の歴史を持つイラクは、世界最古の文明であるメソポタミア文明が栄えた地域です。その中心を流れるティグリス・ユーフラティス川の流域はとても肥沃(ひよく)な大地で、1万年近く前から農業が営まれていました。

1万年もの間、イラクの農業者たちは、地球の気候に合わせた小麦を、多様な選択肢の中から選び出し、種子を交配し、進化させてきた歴史を持っているのです。

しかし、その素晴らしい農業は、イラク戦争が終わった時、壊滅状態になっていました。肥沃な大地は米軍によって徹底的に爆撃され、長い歴史を持つ種子開発場や農業技術は全部破壊されてしまっていたのです。

ここに参入してきたのが、巨大バイオメーカーの「モンサント社」(現バイエル社)でした。

モンサント社はミズーリ州クレーブクールに本社を置いたアメリカの多国籍バイオ科学メーカーです。主力製品は日本でも売られている「除草剤ラウンドアップ」、遺伝子組み換え種子の世界シェアは90%、世界の食料市場をほぼ独占する巨大グローバル企業で、2018年6月にドイツのバイエル社に買収されています。

爆撃後のイラクで使われたのは、みるみるうち生産高が倍増する「米国製魔法の種子」でした。アメリカは自国で開発したGM種子(注:遺伝子組み換え技術を用いて遺伝的性質の改変が行われた作物の種子。GMはgenetically modifiedの略)と農薬、農耕器具をセットで持ち込み、イラク国内に補助金つきで無料提供したのです。

キーワードは「復興支援」でした。

この時、長い歴史を持つイラク農業の伝統に終止符が打たれたことはあまり知られていません。

前年の種子を保存したり、農家同士で自家採種し、交換・交配させる行為は、ここからすべて「違反」になったのです。

代わりにイラクの農民たちは、モンサント社の種子と農薬をセットで購入し、毎年特許使用料を支払うという、無限ループに組みこまれていきました。こうしてライセンス契約と引き換えに、イラク人の「食の主権」は奪われていったのです。

イラクに仕掛けられたこの戦略を知った上で、ここ十年ほどの日本国内の農業政策を見てみると、その意図がはっきりと見えてくるでしょう。ウォール街が財界・米政府と連携して狙うターゲットは全世界の市場です。国内政策は単体で見ていてはその本質がわかりませんが、視点を日本という一国の枠から拡げて世界規模で見てみると、彼らが1つまた1つとオセロの駒をひっくり返すように手を伸ばしてきていることに気づくはずです。「種子法廃止」や「種苗法改正」などは、すべて同じ戦略の一部だとわかるでしょう。
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