電脳筆写『 心超臨界 』

ひらめきを与えるのは解答ではなく質問である
( ウジェーヌ・イヨネスコ )

朝鮮は日韓合邦によって救われ、再起再生を果たし得たのだ――黄文雄さん

2010-09-23 | 04-歴史・文化・社会
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「WiLL」2010年10月号、p53 】

「合邦は『七奪』どころか七大貢献だ」――黄文雄・評論家(その3)

その2よりつづく)

◆朝鮮総督府の七大貢献(p56)

日韓合邦時代に、朝鮮総督府はいったい半島で何をしたのか。「日帝三十六年の七奪」のみで語るのは決して公平ではない。

差別、搾取、弾圧、抑圧、迫害、虐殺だけの歴史はありえない。そういう人類史はない。本来なら、「七恩」や「七布施」で語るべき「日帝三十六年」の「七奪」は「政治」であって、「歴史」ではないのだ。

私は朝鮮総督府の三十六年、統監府時代も入れて四十年は、「半島半万年史」の中で、もっとも安定にして、変化に富む時代でもあったと考える。「変革」という視野からも、もっともダイナミックな時代だ。

半島にとってマイナスよりもプラスの面が多かった。だから大日本帝国の遺産をもっと再点検すべきだ。もちろんハード(インフラ等)の面だけでなくソフト(文化、精神)の方も、だ。

「七奪」に代わる七大貢献は以下の七つである。

一、朝鮮を中華の千年属国から解放した。

二、植物依存文化から産業社会化による朝鮮半島の国土改造と生態学的更生を実行した。

三、優生学的医療、衛生、環境改善および教育の普及による民力と近代民族の育成を図った。

四、日本とともに世界への雄飛、民族生活空間の地球規模への拡大をした。

五、伝統的階級制度から奴婢を解放した。

六、朝鮮伝統文化の保護保存と再生。

七、朝鮮半島の民力を超えた近代化社会の建設。

近現代史の流れを見ると、李朝朝鮮内部は三政紊乱(びんらん)(田政・地税・軍政・良役・還穀・国営の高利貸制度という農民収奪制度の乱れ)だけでなく、清国の属国支配も強化されつつあった。

たとえば、袁世凱(えんせいがい)の朝鮮統治を見ると、両班に暴力を振るい、両班の子女を妓生同然にあつかっていた。「国母」閔妃(みんぴ)の妹を妾にし、兵士は乱暴狼藉をきわめた。

当時、戊戌(ぼじゅつ)維新の主役の一人、中国近代の傑物・梁啓超は『朝鮮滅亡の原因』で朝鮮必亡を論じていたほどだ。

もし、日清戦争や日露戦争に日本が負けたら、朝鮮の清国朝鮮省やロシア沿海州への編入はさけられなかったのが時代の趨勢だった。朝鮮は日韓合邦によって救われ、再起再生を果たし得たのだ。

統監府の時代から四十年、朝鮮人の生命を維持してきたのが毎年15~20パーセントの日本からの財政補填(ほてん)で、それは赤字補填ではなく、産業投資でもある。日本のためではなく、日韓のためだった。搾取されたのは朝鮮人ではなく、日本国民だったことを想起すべきだ。

ではなぜ、朝鮮総督府が半島の再生と転生をわずか「三十六年」だけで完遂できたのだろうか。

もっとも根本的な理由は、日本が半島の歴史の中でもっとも安定的な社会をつくったからだった。社会が安定しないかぎり、近代経済運営が不可能なのは常識である。

「朋党の争い」は李朝時代の名物だけでなく、有史以来、半島の因習だった。伝統文化ともいえる。終戦後にすぐ朝鮮戦争、南北分断、李承晩大統領以来、必ず前政権が粛清されることにもその一端がうかがえる。

(その4へつづく)
 
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