電脳筆写『 心超臨界 』

心地よいサマーレインのよう
ユーモアは一瞬にして
大地と空気とあなたを洗い清めてくれる
( L・ヒューズ )

日本史 鎌倉編 《 現代生活に欠かせない歴史の教養——渡部昇一 》

2024-09-14 | 04-歴史・文化・社会
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江戸時代の、いちばん輝かしい学者であった荻生徂徠が、人生における最大の楽しみは、炒り豆を嚙んで古今の英雄を罵ることだと、みごとに言いつくしたのはさすがである。ただし、幸いにも現代のわれわれは、炒り豆より少し上等の何やかやを、対話の合の手に選べるのだから、徂徠のしらなかったワインやブランデーなどが、気分をあたたかく盛りあげてくれるだろう。


『日本史から見た日本人 鎌倉編』
( 渡部昇一、祥伝社 (2000/02)、p254 )
解説――伝統の急所を説きあかす  谷沢永一

◆現代生活に欠かせない歴史の教養

とにかく歴史は面白い。人間が最も興味を抱くのは、すなわち人間に関する情報であるのだから、今、現に生きている人たちだけでなく、はるかに遡ったそれぞれの時代に、さまざまな活躍ぶりを示した個性を見わたし、自分なりの評価を与えてゆく楽しさは、いったんその味を覚えたら、病みつきになること間違いない。

江戸時代の、いちばん輝かしい学者であった荻生徂徠が、人生における最大の楽しみは、炒り豆を嚙んで古今の英雄を罵ることだと、みごとに言いつくしたのはさすがである。ただし、幸いにも現代のわれわれは、炒り豆より少し上等の何やかやを、対話の合の手に選べるのだから、徂徠のしらなかったワインやブランデーなどが、気分をあたたかく盛りあげてくれるだろう。また、徂徠があえてノノシルと言ったのは、ただ単に議論を重ねると言っただけでは、いかにも平板すぎるから、景気よく表現したかったからである。

そして、現代は、さらについ目の前の近い未来は、会話が重んじられる時代なのだ。昭和前半期までのわが国では、近世の武士階級に真似てであったろうか、食事をしながらしゃべるのを、はしたないと強く戒めた。今はまったく逆である。会食のムードを盛りあげるのは、軽妙な会話のウィットである。ましてや御馳走に招かれたとき、一座のくつろぎを引き立てるべく、話題を用意して行かねばならない。よそよそしいムッツリだんまりは、場所がらを弁(わきま)えぬ非礼である。

しかしまた、小咄(こばなし)だけでは、芸能人の亜流みたいで、どちらかといえば深みに欠ける。それは一発勝負で笑わせるだけ、あとへ話をつなげないから、対話が進行しないのである。

その点で、歴史はまことにありがたい。共通の話題が成り立つから、けっして一方通行にはならない。これこそ現代人に欠くべからざる、たしなみであり心得であるだろう。
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