電脳筆写『 心超臨界 』

もっとも残酷な嘘の多くは沈黙の中で語られる
( ロバート・ルイス・スティーブンソン )

不都合な真実 《 水俣病 科学者の責任——有馬朗人 》

2024-01-16 | 04-歴史・文化・社会
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有力な科学者の意見が一致しなければ、国として対策が立てられなかったであろう。しかし有力な説があったのであるから、一部反対者があっても、科学者はとりあえず水俣湾内での漁業を禁止し、漁民に補償する対策を国に提案し、その上で原因の究明をさらに進めるべきであった。そうすれば極めて多くの人々を被害から防げたのである。


◆水俣病の歴史に科学者の責任を痛感した――有馬朗人・物理学者/俳人
(「あすへの話題」09.05.16日経新聞(夕刊))

水俣病の歴史を調べていて、科学者の責任ということを痛切に感じた。1956年5月1日、水俣病のチッソ付属病院の細川院長は「脳症状を呈する原因不明の症病が発生し、4人の患者が入院した」ことを発表した。同年8月、熊本大学の医学部研究班は原因究明を開始し、約半年で化学物質により汚染された魚介類の摂取による発症と原因を絞り、59年には有機水銀説を公表した。しかし国の対策は遅れた。その大きな原因は、有機水銀説に対する科学者の見解が一致しなかったことにある。

59年には清浦雷作東工大教授が「水俣湾の水銀濃度は他地区の都市や工場地帯の海洋の海水に大差なく、有機水銀説の論拠は妥当でない」と唱えた。日本科学工業協会は60年、「水俣病研究懇談会」を設けたが、その場で清浦教授と戸木田菊次東邦大教授は有毒アミン説を発表し、水俣病の原因解明を遅らせてしまった。多くの委員会で水銀説賛否双方と中立な研究者が、意見を戦わすだけでなく、協力し実地に研究すべきであった。アルデヒド製造に詳しい応用化学者と医学者が共同して研究すべきであった。

有力な科学者の意見が一致しなければ、国として対策が立てられなかったであろう。しかし有力な説があったのであるから、一部反対者があっても、科学者はとりあえず水俣湾内での漁業を禁止し、漁民に補償する対策を国に提案し、その上で原因の究明をさらに進めるべきであった。そうすれば極めて多くの人々を被害から防げたのである。

地球温暖化について科学者の意見が一致しないが、100%確実でなくても、あぶなければまず手を打つべきである。
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