【私の理念は、幸せと平和を願う人々の心が臨界質量を超えることです】
[ひとこと超臨界]
トヨタが新興市場国「BRICs」のひとつロシアのサンクトペテルブルクに進出します。投資額は150億円で、日本メーカーとして過去最大。トヨタの投資が対ロビジネスの呼び水となることが期待されています。
背景にあるのはロシアの好調な経済。国民の生活水準向上に伴い中国と同様に一大消費国に変わりつつあるとして、販売拠点も整備します。
モノ、カネ、技術、企業が国籍を超えた世界的大分業が拡大し続けています。
大型事業には、大まかに①事業企画②技術開発③デザイン④部品生産⑤組立製造⑥製品デリバリー⑦宣伝戦略⑧金融操作――の8工程(段階)があります。このうち今回のトヨタのロシア進出は、⑤組立製造と⑥製品デリバリーに当たります。
トヨタの現地生産は、さらにグループ企業のロシア進出を促します。生産量が増え、現地調達を始める2009年前後には、④部品生産がロシアに進出する見通しとなります。
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「ロシア投資 日本企業動く」 BRICs出遅れ「R」に注目
「トヨタ、工場起工式 年20万台視野」――「大消費国」へ攻勢
2005.06.15 日経新聞(朝刊)
日本企業の対ロシア・ビジネスがじわり拡大している。トヨタ自動車は14日、第二の都市サンクトペテルブルクで自動車工場の起工式を行った。新興市場国「BRICs」(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中では中国に比べ出遅れ感はぬぐえないが、好調な経済を背景に日本企業の進出は増加している。日本メーカーとして過去最大となるトヨタの投資が対ロビジネスの呼び水となる可能性もある。
《 起工式に大統領 》
【カンクトペテルブルク=栢俊彦】起工式にはロシアのプーチン大統領や森喜朗前首相も出席、日ロ両国の期待の強さを示した。プーチン大統領は「日ロの経済協力には大きな可能性がある。日本の産業界の指導者はトヨタに続いてほしい」と述べた。
新工場は2007年12月から主力セダン「カムリ」を生産する。当初は年産2万台、早期に同5万台に引き上げる計画だが、奥田碩トヨタ会長は起工式で「極力早く、ヨーロッパ向け輸出も視野に入れ20万台体制にしたい」と表明した。投資額は150億円で、将来の拡張に備え220㌶の土地を確保した。
《 部品各社追随へ 》
トヨタの現地生産はグループ企業のロシア進出を促す。ロシアには高品質の部品を供給するメーカーが少ないため、トヨタは部品各社に進出を打診。デンソーなどが工場建設の検討に入った。当初は日本から部品を持ち込むノックダウン方式を採用するため、部品メーカーが進出するのは「生産量が増え、現地調達を始める2009年前後になる」(グループ幹部)見通しだ。
販売拠点も整備する。グループ商社の豊田通商は販売店を現在の4店から06年末までに9店に増やし、このうち高級車「レクサス」専門店をモスクワに3店出店する方針。日産自動車も07年度末までに「インフィニティ」の販売網を構築。マツダは05年度内に販売統括会社を設立する計画だ。
背景にあるのは好調な経済。日本企業はロシアを資源大国と位置付けてきたが、「国民の生活水準向上に伴い中国と同様に一大消費国に変わりつつある」(伊藤忠商事の小林栄三社長)。人口約1億4千万人の市場の変容は大きな意味を持つ。世界の主要自動車メーカーは相次ぎ現地生産に乗り出した。すでにフォード・モーター、ゼネラル・モーターズ、仏ルノー、独BMW、韓国の現代自動車などが進出。独ダイムラークライスラーは今秋にも工場を稼動させる。
04年の乗用車販売台数(中古を含む)は約180万台。富裕層の拡大に伴い、国産車から外車へのシフトが進み輸入新車の販売台数は前年比80%増の35万台。日本からロシアへの輸出額は04年度には前年度比53%増の3千597億円となった。
《 NECも携帯で 》
ロシアに照準を合わせるのは自動車メーカーだけではない。サンクトペテルブルクに既に固定電話用交換機の製造・販売合弁会社をもつNECは今秋から携帯電話機の販売も始める。民間調査会社によると、ロシアの携帯電話加入者数は3月末時点で8千5百万人を超え、03年末比約2.4倍に拡大した。「06年度以降に普及が見込める第三世代携帯電話機で一気に攻勢をかける」(NEC)という。
デジタル家電など高額商品への消費意欲も高まっている。ソニーの現地法人は2ケタ増収が続いており「薄型テレビやデジタルカメラ、ビデオカメラなどの需要が成長している」という。
ただ、AV(音響・映像)・家電の分野ではサムスン電子など韓国勢先行するため松下電器産業は昨秋、モスクワに市場調査や販促活動を手掛ける子会社を設立。新会社で家電分野の販路を開拓し、06年度にロシアでの松下グループの販売額を現在の2倍の千億円強に引き上げる計画だ。
[ひとこと超臨界]
トヨタが新興市場国「BRICs」のひとつロシアのサンクトペテルブルクに進出します。投資額は150億円で、日本メーカーとして過去最大。トヨタの投資が対ロビジネスの呼び水となることが期待されています。
背景にあるのはロシアの好調な経済。国民の生活水準向上に伴い中国と同様に一大消費国に変わりつつあるとして、販売拠点も整備します。
モノ、カネ、技術、企業が国籍を超えた世界的大分業が拡大し続けています。
大型事業には、大まかに①事業企画②技術開発③デザイン④部品生産⑤組立製造⑥製品デリバリー⑦宣伝戦略⑧金融操作――の8工程(段階)があります。このうち今回のトヨタのロシア進出は、⑤組立製造と⑥製品デリバリーに当たります。
トヨタの現地生産は、さらにグループ企業のロシア進出を促します。生産量が増え、現地調達を始める2009年前後には、④部品生産がロシアに進出する見通しとなります。
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「ロシア投資 日本企業動く」 BRICs出遅れ「R」に注目
「トヨタ、工場起工式 年20万台視野」――「大消費国」へ攻勢
2005.06.15 日経新聞(朝刊)
日本企業の対ロシア・ビジネスがじわり拡大している。トヨタ自動車は14日、第二の都市サンクトペテルブルクで自動車工場の起工式を行った。新興市場国「BRICs」(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中では中国に比べ出遅れ感はぬぐえないが、好調な経済を背景に日本企業の進出は増加している。日本メーカーとして過去最大となるトヨタの投資が対ロビジネスの呼び水となる可能性もある。
《 起工式に大統領 》
【カンクトペテルブルク=栢俊彦】起工式にはロシアのプーチン大統領や森喜朗前首相も出席、日ロ両国の期待の強さを示した。プーチン大統領は「日ロの経済協力には大きな可能性がある。日本の産業界の指導者はトヨタに続いてほしい」と述べた。
新工場は2007年12月から主力セダン「カムリ」を生産する。当初は年産2万台、早期に同5万台に引き上げる計画だが、奥田碩トヨタ会長は起工式で「極力早く、ヨーロッパ向け輸出も視野に入れ20万台体制にしたい」と表明した。投資額は150億円で、将来の拡張に備え220㌶の土地を確保した。
《 部品各社追随へ 》
トヨタの現地生産はグループ企業のロシア進出を促す。ロシアには高品質の部品を供給するメーカーが少ないため、トヨタは部品各社に進出を打診。デンソーなどが工場建設の検討に入った。当初は日本から部品を持ち込むノックダウン方式を採用するため、部品メーカーが進出するのは「生産量が増え、現地調達を始める2009年前後になる」(グループ幹部)見通しだ。
販売拠点も整備する。グループ商社の豊田通商は販売店を現在の4店から06年末までに9店に増やし、このうち高級車「レクサス」専門店をモスクワに3店出店する方針。日産自動車も07年度末までに「インフィニティ」の販売網を構築。マツダは05年度内に販売統括会社を設立する計画だ。
背景にあるのは好調な経済。日本企業はロシアを資源大国と位置付けてきたが、「国民の生活水準向上に伴い中国と同様に一大消費国に変わりつつある」(伊藤忠商事の小林栄三社長)。人口約1億4千万人の市場の変容は大きな意味を持つ。世界の主要自動車メーカーは相次ぎ現地生産に乗り出した。すでにフォード・モーター、ゼネラル・モーターズ、仏ルノー、独BMW、韓国の現代自動車などが進出。独ダイムラークライスラーは今秋にも工場を稼動させる。
04年の乗用車販売台数(中古を含む)は約180万台。富裕層の拡大に伴い、国産車から外車へのシフトが進み輸入新車の販売台数は前年比80%増の35万台。日本からロシアへの輸出額は04年度には前年度比53%増の3千597億円となった。
《 NECも携帯で 》
ロシアに照準を合わせるのは自動車メーカーだけではない。サンクトペテルブルクに既に固定電話用交換機の製造・販売合弁会社をもつNECは今秋から携帯電話機の販売も始める。民間調査会社によると、ロシアの携帯電話加入者数は3月末時点で8千5百万人を超え、03年末比約2.4倍に拡大した。「06年度以降に普及が見込める第三世代携帯電話機で一気に攻勢をかける」(NEC)という。
デジタル家電など高額商品への消費意欲も高まっている。ソニーの現地法人は2ケタ増収が続いており「薄型テレビやデジタルカメラ、ビデオカメラなどの需要が成長している」という。
ただ、AV(音響・映像)・家電の分野ではサムスン電子など韓国勢先行するため松下電器産業は昨秋、モスクワに市場調査や販促活動を手掛ける子会社を設立。新会社で家電分野の販路を開拓し、06年度にロシアでの松下グループの販売額を現在の2倍の千億円強に引き上げる計画だ。