電脳筆写『 心超臨界 』

明日への最大の準備はきょう最善を尽くすこと
( H・ジャクソン・ブラウン・Jr. )

活眼 活学 《 戦後世界の著しい現象――安岡正篤 》

2024-06-28 | 04-歴史・文化・社会
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思想的・文化的にもそうでありまして、東洋というものが新たに脚光を浴びて登場して参りました。イギリスやフランス、アメリカなどにおける東洋研究は、実に盛んなものであります。まごまごしておると、外国語から翻訳して我々が東洋文化を研究しなければならないというようなことになるかも知れない。この世界の形勢に対して、一番指導的役割を演じ得るのが日本である。


『活眼 活学』
( 安岡正篤、PHP研究所 (1988/06)、p27 )
[1] 活眼・活学
1 肉眼と心眼

◆戦後世界の著しい現象

その一つは、物質の化合も同じことでありまして、大きなショックの後にいろんな面白い創造が、意外ないわゆるクリエーションが行なわれる。戦争も同じでありまして、戦争は一面に大破壊を演じますが、それと同時に思いがけないものを創造することもあるのであります。

その一つとして、今日識者が注目しております大問題は、西洋文明と東洋文明との融合というものであります。第一次大戦後も西洋文明の行き詰まりということが論ぜられて、西洋文明の行き詰まりを救うものは東洋文明である、東洋文化であるとよく言われました。しかし前大戦に比べますと、第二次大戦は、それと比較にならんほど、その意味において盛んになりまして、西洋文明の行き詰まりということも、前大戦後に比べると一段と深刻でありますだけに、これは何とかして新鮮・活發なエネルギーを回復しなければならない。それにはどうしても、東洋文明、東洋文化というものをもっと取りいれなければならんというので、東西文化の比較研究、あるいはその融合というようなことが盛んに行われております。これは第二次大戦後の確かに著しい現象であります。

それから世界の政局も、今までは圧倒的にヨーロッパが檜舞台であったのでありますが、これは皆さんも気がついておられるでしょう、第二次大戦後は非常にアジアが、特に極東が正に世界の檜舞台になりつつあるのであります。例えばソ連の世界革命政策の如きも、先年まではやはり主力をヨーロッパに置いておったのであります。ところがこのことは、皆さん御承知でありましょうが、毛沢東文書というものが識者の間にかなり知られておりまして、それはスターリンが死んだ時、ソ連に出かけて行くのに携えていった毛沢東の政策書類のことでありますが、これが探知されて大体の内容が報道され、アメリカでも上院のノーランド議員が発表したものであります。それによりますと、ソ連の世界革命活動は、ヨーロッパにおいては、相撲でいうと水が入ったというような状態になっておる。これに比べるとアジアはまだ処女地である。今後はどうしても、世界革命工作の一番力を入れるべき目標がアジアにある、という点を毛沢東が力説している。事実アジア赤化工作が非常に活發になりました。例えば従来かつてなかったことでありますが、今度の中共の革命記念日、(編集部註・昭和33年)10月1日の如きは、ソ連からいろいろの重要な人物、軍政両面の大物が北京に参りました。

思想的・文化的にもそうでありまして、東洋というものが新たに脚光を浴びて登場して参りました。イギリスやフランス、アメリカなどにおける東洋研究は、実に盛んなものであります。まごまごしておると、外国語から翻訳して我々が東洋文化を研究しなければならないというようなことになるかも知れない。この世界の形勢に対して、一番指導的役割を演じ得るのが日本である。というのは、日本においては神道ばかりでなく、儒教も仏教も老荘も、皆日本に集中してきておるからであります。だから今後の新しい世界文明に対しては、日本人がいい条件を持っているはずなんですが、ところがその日本人は、東洋文明というものに対して、まことに冷淡なことは意外なほどであります。これはとんでもないお恥ずかしいことであります。
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