電脳筆写『 心超臨界 』

目標を立てることは
見えないものを見えるようにするための第一歩
( トニー・ロビンズ )

人間通 《 自負――谷沢永一 》

2024-06-19 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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何事か期するところある鋭鋒(えいほう)の感じとれぬ人物は軽蔑(けいべつ)される。毅然(きぜん)たる自負は頼もしがられる。しかし自負と野心は殆(ほとん)ど見分けがつかず紙一重の差でしかない。その間に身を処して野心の臭気を去り、自負の鋭気のみを表出する構えが人を美しく見せる。若くして自負なき者は取るに足らぬ。若年の自負は精気であり好もしい眺(なが)めである。


◆自負

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p23 )

面(つら)が乾いている、という表現を用いて司馬遼太郎(りょうたろう)は越後(えちご)長岡藩の河井継之助(つぎのすけ)を評している。たかだかとした自負心が内にあって、しかも野心と我慾(がよく)とは吹っ切れている、という涼やかな爽(さわ)やかな至誠の気配であろう。それは世に珍らしい光景であるから取り立てて描くに値(あたい)するのである。鬱勃(うつぼつ)たる功名慾を押さえきれない為(な)すところあらんとする者が、湧(わ)きあがるような野心を抱くのは当然である。野心なくして人生行路に花を咲かせることは出来ない。正味のところ野心は否定されるべき悪徳ではない。にもかかわらず野心は厭(いと)わしい眼で見られる。人は誰かに野心の臭(にお)いを嗅(か)ぐとき鼻をつまんで面(おもて)をそむける。性行為は周知の事実であり人類生存の源であるのに人の眼を避けて隠さねばならぬ。同じようにまた野心も通常に遍在すること周知であるのに秘して表にあらわしてはいけないのである。

しかし何事か期するところある鋭鋒(えいほう)の感じとれぬ人物は軽蔑(けいべつ)される。毅然(きぜん)たる自負は頼もしがられる。しかし自負と野心は殆(ほとん)ど見分けがつかず紙一重の差でしかない。その間に身を処して野心の臭気を去り、自負の鋭気のみを表出する構えが人を美しく見せる。若くして自負なき者は取るに足らぬ。若年の自負は精気であり好もしい眺(なが)めである。しかし年齢を閲(けみ)するにつれて自負は柔らかくほぐしてゆかねばならぬ。自負を責任感へと次第に転化してゆく配慮が必要である。自負を責任感へと化けさせる智恵(ちえ)働きが熟年老年に及んで世に許されるための秘訣(ひけつ)であろう。
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