電脳筆写『 心超臨界 』

敵を知り、己を知れば百戦殆うからず
( 孫子 )

人間学 《 なめくじの味――伊藤肇 》

2024-06-27 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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この松尾金蔵に、まんまとかつがれたことがある。戦争中、食うものがなくなってナメクジを食べたという。蝸牛(かたつむり)などはフランス料理の最たるものだから、ナメクジだって同じようなものだ。吸ものに出てくる蓴菜(じゅんさい)みたいな味がするのではないかと思って、「どんな味がしましたか」ときいたら、大まじめな顔でやられた。


『人間学』
( 伊藤肇、PHP研究所 (1986/05)、p70 )
第3章 応待辞令の人間学

◆なめくじの味

日本鋼管会長の松尾金蔵がまだ通産省の役人時代、アメリカへいった。

アメリカで一番困るのは「ハイセツ」の問題である。日本みたいにところかまわずやらかせば、たちどころに罰金である。

御多分に洩れず、松尾も前を押さえて脂汗を流す破目となったが、さいわい公衆便所があったので、あわててとびこみ、せいせいしてでてきたところをポリスに一喝くらった。

「汝は、コノFor Ladie’s only〈女性専用〉ガ目ニハイラヌノカ!」

瞬間、〈しまった〉と思ったが、そこはそれ、通産事務次官時代には国会のメイ答弁で鳴らした松尾金蔵である。

精いっぱいの愛想笑いをうかべながら、やおらMボタンのあたりを指して

“This is for Ladie’s only”〈コレハ女性専用だ〉

件(くだん)のポリス殿、目をシロクロさせたが、やがてのことに、そのシャレに気がつくと“Oh! me too”とニヤリと笑って許してくれた。

この松尾金蔵に、まんまとかつがれたことがある。

戦争中、食うものがなくなってナメクジを食べたという。

蝸牛(かたつむり)などはフランス料理の最たるものだから、ナメクジだって同じようなものだ。

吸ものに出てくる蓴菜(じゅんさい)みたいな味がするのではないかと思って、「どんな味がしましたか」ときいたら、大まじめな顔でやられた。

「うん、あまり、うまそうなので、貴重品の食塩をふりかけて、すすってみようと思ったら、残念だったねえ。ナメクジのやつ、とけちゃって、影も形もなくなってしまったよ」
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