この所の寒の戻りというか、やっと例年通りというか、私泣かせの気温が続いている。負けちゃならぬと、リハビリや自主トレに精を出すのだが、そのお返しは筋肉や筋の痛みやツッパリ・・・。『バナナ酢効果』も吹っ飛んでしまう辛さで・・・。でも負けません。
最近のパソコンのCMか何かで『ウィンドウを開いて』と言われると父親が窓を開く。こんな場面を見られた方もいるでしょう。私も、会社でパソコンを教えた時、クリックをずっと『クリップ』と言っていた人がいた。私の母はコンタクトレンズを『コンパクトレンズ』と言っているし(大体、あんなに大きなものが眼に入るか・・・。)親戚の叔父は昔、結婚式で司会者が『新郎新婦はこの披露宴の後、エアバスにて沖縄に新婚旅行に出発されます』を聞いて『いやぁ、たいしたもんだ。最近はバスで沖縄に行けるのかぁ』と感心していた。また、結婚式の披露宴で乾杯の発声を頼まれた上司が、仲人や主賓が挨拶する中で『人生色々多難・・・』と言われたのが頭に残り、乾杯の発声の時に『お二人の前途多難を祝して、乾杯!』と言ってしまった。先日も、旅行会社に勤めている娘が『今日来たお客さん、笑うに笑えなくって大変だった』と言って説明してくれた。中年の男性が福岡行きの航空券を予約に来て、こう言われたそうである。『福岡に行きたいんだけれど、行きはスカイラークにしてくれ、帰りはジェルでいいから』と・・・。当然、スカイマークとJALである。人間というものは普段使ったりせず、また初めて聞く言葉を自然と頭の中で前に聞いた言葉や、一番最近聞いた言葉や自分の頭の中にIN-PUTされている言葉で、最も近いものと短絡させる癖が、知らず知らずのうちに付いてしまっているのかも知れないし、常に刺激の中に身を置いてないと退化していってしまうのかもしれない。「物忘れがひどくなった」などと老化の始まりを気にする人が多いが、人間は感情から老いるとの指摘もあるくらいだ。和田秀樹著『人は「感情」から老化する』の中で、人の脳でまず縮み始めるのは前頭葉。思考・意欲・感情などを司り、「記憶力の低下以前に、自発性や意欲が衰え、感情の切り替えやコントロールが出来なくなり始める」という。これを食い止めるには”脳のトレーニング”だけでは足りない。より大切なのは「行動する」ことだ。「何でも楽しめる人でいられるか、何をしてもつまらない人になってしまうか」。やる気が大事である。と書いてある。以前にも書いたが、やる気を起こさせる部分は脳の『側坐核』にあり、中々その気にさせるのが難しい。その気にさせるのは『常に陽気に、前向きに』ただひたすら行動するしかないというのである。皮肉なものである。やる気を起こさせる為にひたすら行動しなければならないなんて・・・。ある作家の言葉に『老化に伴う一番悪い事は、肉体が衰える事ではなく、精神が無関心になることだ』とある。そういえば、元気なご老人は多趣味で好奇心旺盛な方が多い。毎週通う病院でお会いするご婦人も然りである。その病院の医院長先生が多少イライラするくらいの方が脳神経の再生には良いとおっしゃっていた。柳田邦男の『フエィズ3の眼』という本がある。フエィズ1は寝ている状態、フエィズ2は普通に生活している状態、フエィズ3は軽い緊張感の中に居る状態、フエィズ4はパニックの状態。人間はフエィズ3の状態に居るときが一番能力を発揮するのだそうです。私は病気のために行動をかなり制限されているが、唯ひとつ体を動かす事の出来るリハビリ、自主トレをめげることなく『やる気』を継続させて、以前、有名な医学博士に言われた『良くなってゆく過程を楽しみなさい』を実践していきたい。まだまだ、若くいたいから・・・。