孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アメリカ・ロシア  核兵器廃絶への細い糸

2007-12-07 13:36:40 | 世相

(2006.8.6 広島 “flickr”より By Nab'in)

“恒例の”というか何というか、日本提出の「核兵器廃絶決議案」が国連総会において14年連続で採択されたそうです。
49カ国の共同提案で、昨年を2カ国上回る過去最多の170カ国の賛成でした。
反対国はアメリカ、インド、北朝鮮。
昨年棄権したエジプトが賛成に転じ、反対だったパキスタンも棄権に回ったということで、情勢を反映した若干の変更はあるようです。

もちろん、採択されたことで何が変わるわけでもない・・・ということは皆が承知のことです。
核兵器廃絶なんて夢想の世界のこと・・・と言えばそうでしょう。
そんななかで、最近少し気を引かれた記事がありました。

****核兵器:米露、国民の6割以上が廃絶を支持…米大学調査****
米国とロシアの国民の6割以上が核兵器の廃絶を支持していることが、米メリーランド大学などが両国で行った世論調査で明らかになった。
北朝鮮やイランなどの核開発で核拡散防止条約(NPT)体制の弱体化が指摘されて久しいが、米露の2大核保有国でも一般国民レベルでは大多数が核廃絶を求めていることが確認された。
9日発表の調査結果によると、検証体制が確立された場合、核兵器全廃への合意を支持するかとの質問に、米国で73%、ロシアで63%が支持すると回答した。また、自国政府の核廃絶努力の強化を望む人は、それぞれ79%と66%だった。
核兵器の臨戦態勢解除についても、検証体制の存在を条件に、米国の64%、ロシアの59%が支持を表明した。
調査は9月に米国で1247人、ロシアで1601人の成人を対象に行われた。【11月10日 毎日】
******

この数字の評価についてはいろいろあるでしょうが、「こんなに高いとは思わなかった」というのが率直な個人的感想です。
あれほどの量の核兵器を抱え込み、現実の外交政策では“力”の行使をちらつかせるの常套手段の両国で・・・。
アメリカでは銃器の個人保有すら正当な権利と考える人が多いことを考えると、意外な高率と思えました。
「核兵器廃絶?夢みたいな馬鹿げたこと言うじゃないよ!」というのが一般的な反応かと思っていました。

当然ながらこの数字が直接に政策に反映されるものではありません。
少なくとも今まで同様に何もしなければ。
しかしながら、“夢想の世界のたわごと”ともとられがちな“核兵器廃絶”と現実世界に、全くの接点がない訳でもないという、両者をつなぐ一筋の細い糸の可能性を見たような気もします。

コメント
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