京都市上京区を運行中の市バス車内で10月、歩行が困難な女性乗客が2度転倒し、起き上がれない状態だったにもかかわらず、男性運転手(33)が救護などをせずにそのまま走行していたことが15日、市交通局への取材で分かった。同局は、女性からの苦情や車内のドライブレコーダーで運転手の対応が不適切だったことを認め、「厳正に対処する」としている。
市交通局によると、10月11日午後0時半ごろ、三条京阪行きの51号系統で、上京区の今出川大宮のバス停から乗車した女性が発車直後に転倒した。運転手は転倒に気付いたが、安全な場所に停車させて救護するといった対応をとらずに運転を続けた。女性は次のバス停に停車した際、周囲の乗客に助けられて立ち上がったという。
女性は烏丸今出川のバス停で降りるまでに再び転倒したが、運転手の対応は同様だった。女性にけがはなかったが、運転手はけがを確認する言葉をかけず、降車時に「毎回こけますね」と述べたという。
女性が相談した上京署から連絡を受けた市交通局は、運行管理者を派遣して謝罪し、翌日以降、この運転手を乗務から外した。乗客からも運転手の対応への苦情電話が1件あったという。同局運輸課は「運転手として、人として情けない。基本を徹底する」としている。
【京都新聞 2017年11月16日】