世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

番外編・プリウス急加速問題(50)

2010-06-10 12:01:23 | Weblog

更に東京都知事の石原慎太郎は、「アメリカはもともとしたたかで、ずるいんだから、そんな事でびくびくするな」と言っている。将に名言である。




p-0.7反発はアメリカの嫉妬? 石原都知事、トヨタリコールで発言
2010年2月13日(土) 12時56分
「東京都知事に自動車のことを聞くな」と、記者を牽制しつつ、石原都知事の論評は止まらなかった。アメリカのトヨタ自動車に対する風向きのことだ。

「アメリカのメンタリティとして自分たちの作り出した自動車を日本に抜かれた、腹立たしい気分はあるだろうね。これがフォードやGMの問題だったら、ちょっとこんな騒ぎにはならなかった気がするけどね。アメリカはそういうところはしたたか、ずるいんですよ」

そう言って、石原氏が例に挙げたのは航空機産業のことだ。航空機の主要な部品は、日本製で占められているという。それでも、戦後、日本製航空機は、ほとんど商用化していない。

「アメリカは、日本の航空機産業が、絶対に復活することを許さない。第二次世界大戦で世界一の戦闘機を作ったのは日本だから。それでてこずったんだ。そういうトラウマがあるから、日本の航空機産業を、大統領府はぜったいに好まない」

米国内で広がる自動車産業、トヨタへの反発もそれに似ているというわけだ。

「省エネの時代にトヨタが『プリウス』という新しいメカニズムの自動車を作った。それは発展途上の技術だから瑕瑾(かきん。欠点)もあるでしょう。ただ、あれで大きな事故が起こった、死人が出たという例はないわけで、不具合、不安定化の事象でしょうね。それが針小棒大に喧伝されて、ここぞとばかりに日本を叩く」(石原氏)

そして、早口でまくし立てた石原氏の結論は、「日本人はあまりびくびく、びくびくしないほうがいい」。

はたして、豊田社長はアメリカの強まる反発の中で泰然自若としていられるだろうか。石原氏の言葉はどう受け止めるのだろうか。

《中島みなみ》
http://response.jp/article/2010/02/13/136317.html




米国のずるさやしたたかさなどは、当ブログでも再三お伝えしている。日米安全保障条約があるからと言っても、米国は必ずしも日本を守ってくれるとは限らない。だから、日本は自分で自分の国を守る事もしなければならないのであり、米国と対等な関係を構築してお互いを守りあうと言う状態を作り出さなければいけないのである。そうしなければますます増長する中国に対抗できなくなる。そのためにも憲法9条は破棄して、核武装を含む自衛軍の構築が必要なのである。それが美しい国であり、未来の日本人に美しい日本を残せると言うことなのである。そうする事が我々日本人には必要であり、日本はそう言うことができる国柄であると言う事を、我々日本人は認識する必要があるのです。

最後に一つの事例を載せてこのブログも終わりとしよう。

それは「幸福実現党」なる政党のチラシの文言である。幸福実現党という政党は、「幸福の科学」と言う宗教団体を母体として、1995年5月に結成された政党である。小生は幸福の科学とか幸福実現党なんぞとは何の関係も無いが、その5/1の第2号と書かれていたチラシの『TOYOTAリコール問題はなぜ起きたのか?』と言う標題の文言を次に紹介したい。


[アメリカによるトヨタ自動車のバッシングが続いています。「トヨタの車は横転するぞ~!」などと言って回収を始めたりしています。しかし、このトヨタバッシングの原因は、トヨタの問題ではありません!これは、普天間基地の問題が原因なんです。

「普天間問題」が解決しないで伸びているために、日米同盟の機軸が壊れようとしているんです。日本の政府は、日米同盟か壊れるとどうなるのかが分からないようだから、「TOYOTAをたたいてみたらわかるかい?」「アメリカがその気になったら日本なんてつぶせるよ」と言うことを、アメリカは日本を代表する大企業であるTOYOTAをたたくことで、小学生にも分かるように教えているんです。
それでも、ニッポンの政府はわからないんですね。鳩山首相の中で、その事がつながっていないんです。本当に残念です。
日本の総理がオバマ大統領に会いに行っても、相手にされません。
お気の毒ですが「バカだ」と思われているんです。
しかも、TOYOTAの地元には、民主党の国会議員がたくさんいるというのに、そのことを意見する議員はいないのでしょうか?TOYOTA労組から出ている議員もいるというのに、誰も戦ってはくれないのでしょうか。日本の経済を支えているTOYOTAを守るのは日本を守る事でもあり、政府として当然のことではないでしょうか。
しかも、政府の失敗が原因でTOYOTAがたたかれているというのに、その責任すら感じていないのが今の政治家の姿です。
国家対国家の問題を大局的な見地で見れないようでは、この国を任せることは出来ません。
そもそも、選挙で勝つための政治では、国民を幸福にする事は出来ないんです。]



と言った内容であるが、まあ選挙目当てのPR文書であるが、一理を突いてるので紹介した。まあ一般民衆にも米国のトヨタバッシングは、今までの小鳩・民主党政権の無策ぶりに対するオバマの嫌がらせ以上の日本叩きだと思われている、と言うことの表れであろう。

また今朝のニュースでは、トヨタとテスラの提携話が難航している、と伝えていたが、どんな形に収まるか見ものである。多分にオバマからのちょっかいも、この提携話には入っているのであろう。なかなか目が離せない。

(終わり)
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番外編・プリウス急加速問題(49)

2010-06-09 10:34:41 | Weblog

2/2ページ
 古くから自動車をやっているメーカーは、ユーザーの怖さを知っている。「ウソがバレた」はもちろん、「見通しが甘かった」だけでもバッシングを受ける。結果としてウソになれば同じことだ。航続距離のような、“さじ加減”のきく数字を外部に出すときは、どうしても慎重になる。つまり、短めになる。

 逆にベンチャーは強気強気で押さなくてはいけない。「ちょっと電池を傷めるのですが…」などと言いよどんでいては、投資家様はお帰りになってしまう。内心不安でも、「800マイルも夢じゃないぜ、ラリー」なんてことを言い続けなくては、ビジネスが成り立たない。

 良い悪いではない。それぞれの業界が持っている“ノリ”が違うのである。それを、某技術者は「6掛け」と表現したのだろう。

 素晴らしい数字を出すテスラのクルマが、アルミニウム(Al)合金製の軽い車体に電池をこれでもかと詰め込んだものであり、大メーカーの車種より航続距離が長いことは納得できる。しかし、それだけで、この差を説明できるのか、「6掛け」の成分があるのかないのか、これまでは読めなかった。

「6掛け」はなくなるのか

 先週、トヨタがテスラに出資した。これではっきりするだろう。テスラは既にダイムラーの出資を受けているが、具体的な仕事は電池パックの供給だけだった。今回の提携内容は「EVとその部品、生産システムおよび技術」と漠然としているだけに、深くかかわる可能性がにおう。

 テスラに派遣されたトヨタの技術者は、航続距離の根拠を聞くだろう。「これは強気過ぎでしょう」「これが我々の流儀なんだぜ」といったやりとりがしばらく続くことだろう。

 その後、両社の航続距離は実力に向けて“サヤ寄せ”することになる。テスラが航続距離をあわてて修正してくるほどのことはなさそうだが、電池の急速な進歩に比べて、航続距離の伸びが物足りなくなる時期がくるかもしれない。

 そうした時期を過ぎれば、我々は「6掛け」などという面倒な操作をせずに航続距離を比べられるようになる。分からないことだらけのEV業界が、少しだけ公正、透明になるかもしれない。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20100525/214582/



と言った話もある。トヨタはテスラと何をしでかすか見物である。単に「テスラのチャレンジ精神や意思決定のスピード、柔軟性に魅力を感じた」(5/31のp-95参照のこと)だけではない筈である。トヨタとテスラが、この電気自動車に関して何をしでかすか、大いに注目してゆく必要がある。トヨタの今後の活動を見守ってゆきたいものであるが、あの米国でのトヨタバッシングは一体なんであったのか。今一度それを振り返り帰結としたい。

次の記事はGMの破綻がそのきっかけだと言っている。このブログでもトヨタバッシングの原因を論じているが、GMが破綻しトヨタが世界一となってしまった事、鳩山の能天気振り、中間選挙が近づいた事などがその原因であろう。




p-0.8トヨタ リコール、見えざる要因 その1…反トヨタ、反日本の意識
2010年2月10日(水) 23時05分

トヨタのリコール。品質、そして安全面でのトヨタ神話が覆されることとなり、米国でのビジネスはおろか全トヨタの屋台骨さえ揺るがしかねない。だが、米国内では、今回のリコール問題については別の面が見え隠れする。

解決すべき技術面の問題の影に、別の要因が隠されているようなのだ。その『見えざる要因』を分析していきたいと思う。


★いかにも、な日付

まず最初の要因として、米国全体の反トヨタ、反日本の意識があげられる。

アクセルペダル問題での最初の死亡事故は2009年の8月。折しも米国の新車購入支援補助政策の最中であり、この制度を利用しての買い換え需要のほとんどが『小さく故障しない燃費のいい日本車』に集中した。GMの破綻などで苦境に喘ぐ米国の自動車産業には「税金を使って日本車が売れた。なぜ米国の自動車産業を支援しないのか」という不満が出ていた。

昨年、最初にトヨタがリコールを申し出たのは11月25日。「問題を指摘されそれに対処した」だけのように見えるが、この日付が反トヨタ意識を再燃させたとの指摘もある。

実はこの11月25日というのは、米国では感謝祭の連休直前。この日にリコールを発表すれば、休日となるため、じっくり読んでもらえる26日の朝刊に掲載され、27日からのセール期間への影響を食い止められるという判断が働いていたことは、米国に住んでいれば誰にでもわかることだ。


★トヨタ憎けりゃ日本車憎い

2月に入ってからもリコール問題は騒ぎがますます大きくなっている。トヨタ自身は生産/販売停止にまで陥り、一方GMは補助金を用意して買い換えキャンペーンを始めた。体面を気にする状況ではなくなってしまったトヨタは、1月31日付けの『ニューヨークタイムス』をはじめ主要な新聞各紙に一面を使った状況報告と説明広告を掲載するに至る。

さらには米国販社のレンツ代表による謝罪、そして週が明けた2月2日には本社佐々木真一副社長が「お詫び」する事態になった。これらは米国政府が公聴会の開催を指示したり、制裁金を検討するなど、その場を取り繕う対応では問題がもう解決出来ないことを理解した上でのこと。

しかし、先に米国側の社長が謝ったということ、そして社長の謝罪がとにかく遅かったことなど、米国社会がますます感情的になってしまうような対応が続く。既に「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」となってしまい、日産のシカゴモーターショーへの急遽の出展は、飛んでくる火の粉を避けるための策だ。


★GMの破綻が問題を大きくした

欧州、そして日本国内でのそれも含めたトヨタの対応が非常にまずかったのは確かであろうが、問題の発端はGMの破綻にある。今年3月に予定されているGMとの合弁会社NUMMIからのトヨタの撤退だ。

そもそもNUMMIの行き詰まりは、GMが破綻したことに端を発するもの。トヨタに一方的な非があるわけではない。しかしNUMMIの工場が元々はGMの閉鎖工場であったことで、労働者の多くがGMで働いた経験があったことなどから、その鬱憤がそのままトヨタに対して向けられている側面があるのだ。

GMの破綻が日本車の躍進のためという論調は半ば八つ当たりとも言える。さらに言えば不具合があるとされていたアクセルペダルの生産は、米国企業によるものだ。またこの部品によるクレームは、全クレーム中、わずかしか該当しない。メディアの姿勢もこのような事実を無視した報道が中心になるなど、反トヨタが主眼であるといわざるを得ない。

事実、ワシントンDCにおけるトヨタのリコールに対するデモ行進が、そのままNUMMIからの撤退に反対するデモにすり替わったケースもあった。今や問題が技術面/品質面のはっきりしたものだけではないわけだ。GMが復興するにしても相当の時間を要するだろう。当然トヨタの苦労も当分続くこととなる。
《NYCOARA, Inc. 田中秀憲》
http://response.jp/article/2010/02/10/136207.html
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(48)

2010-06-08 11:42:58 | Weblog
p99BYD社とDaimler社、中国のEV開発拠点Shenzhen BYD Daimler New Technology社を設立

2010/05/28 15:01 小川 計介=日経Automotive Technology
(Photo) BYD社が2010年に中国と米国で発売するEV「e6」。

 中国BYD社とドイツDaimler社は2010年5月27日、中国でのEV(電気自動車)開発拠点となるShenzhen BYD Daimler New Technology社を設立することで合意した。新会社を通して、中国向けのEVを早期に開発する。2010年3月の両社の発表内容を受けたもの(関連記事)。 →http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20100305/180853/

 新会社の資本金は、6億元(1元13円換算で78億円)で、両社が折半出資する。開発するEVは、新ブランドを採用することが決まっており、Daimler社のEVに関する車両技術や安全技術とBYD社の電池・駆動システムを組み合わせる。

 Daimler社は、2010年に2種類の電動車両を実用化する計画で、これらは燃料電池車「B-Class F-CELL」とEV「A-Class E-CELL」である。一方のBYD社は2010年3月に、ハイブリッド車「F3DM」を個人向けに発売しており、2010年中にEV「e6」を米国と中国で発売する計画である。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100528/183016/



この関連記事によると、今年の3月のジュネーブショーで、両者は技術提携を発表している。そしてBYDの電池技術とダイムラーの電動車両技術とを組み合わせて、中国市場向けのEVを早期に開発し、独自ブランドで市場投入すると言う。そしてその車は多分、Aクラスのプラットフォームを使うと言う。ダイムラー社はもともと2010年にAクラスのEVモデルを実用化する計画であったので、それにはBYDのバッテリーを搭載することになるとしている。


テスラ・ロードスター380kmモデルSは先のp-9の記事によると483kmだから6掛けすると、夫々228km、290kmとなる。事ほど左様に現在のところ公表されている航続距離は当てにならないものなのである。それだけバッテリーの性能が無いのである。だからトヨタとしては、近距離は電気自動車、遠距離は燃料電池車としているのである。電気自動車でも遠距離まで航続距離が伸びて、バッテリーの充電が短時間で(例えば30分以内で)出来るようになり、かつ、充電スタンドが各地に設置されている様にならなければ電気自動車の用途は限られてしまう。トヨタもこれを何とか打破したいのであるが、ただし積極的には行動はしていないのであろう。トヨタはテスラと何をするのか、見ものである。



日経ビジネス オンライン 2010年5月28日(金)
浜田基彦の「走る 曲がる 止まる」 2010年5月27日(木)
p96トヨタがテスラ・モーターズに出資、気になる「ベンチャー6掛け説」の行方
浜田 基彦 【プロフィール】

1/2ページ
 「6掛け、いや7掛け、やっぱり6掛けかな」。迷いながら教えてくださったのは、「ベンチャー系の電気自動車(EV)の航続距離は割り引いて評価している」という大メーカーの技術者だった。確か昨年のデトロイトモーターショーの会場だった気がするから、1年半も前のことになる。

 トヨタ自動車が米テスラ・モーターズに出資した。この6掛けがどうなるか、気になってしょうがない。電気自動車「テスラ・ロードスター」の航続距離は380キロ、「モデルS」はいろいろ仕様があり、長い方で483キロだ。

(Photo)テスラ・モーターズのEVセダン「テスラ モデルS」

 ベンチャー系をもう少し挙げておくと、ノルウェーTHINK社の「TH!NK City」が170キロ。「TH!NK City」については同社のCEOであるリチャード・キャニー氏が、弊社主催のセミナー「AUTOMOTIVE TECHNOLOGY DAYS 2010 summer」で6月1日に解説することになっている。

 話を戻そう。ベンチャー系3車の航続距離を6掛けすると、それぞれ228キロ、290キロ、102キロになる。大メーカー系ではドイツ・ダイムラー「smart ed」が115キロ、日産自動車「リーフ」、三菱自動車「i-MiEV」がともに160キロだ。この関係をどう考えるか。本当に6掛けなのか。

 航続距離は「言ったもん勝ち」の数字である。10・15モード、LA4モードなどの燃費は各国や各州の監督官庁がきちんと試験法、定義を決めて測るが、航続距離にはそれがない。どんな走り方をした数字かさえ公表しないメーカーがあるほどだ。
航続距離をとるか、寿命をとるか

 例えば電池をちょっとだけ傷めてよければ、航続距離は簡単に、そして大幅に伸びる。もちろん寿命を縮めてはいるのだが、その影響が定量的に分かるのは電池が寿命を迎えたあと、つまり今から何年も先だ。

 加速試験という方法があって、先のことを占える。10年分、20年分の負荷を与えて早い時期に結果を出している。しかし、EV用電池のような新しいものに対しては、当然なことながら加速試験と実物との突き合わせができていない。加速試験はあまり信用できないのである。

(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(47)

2010-06-07 00:04:10 | Weblog

メリットの
第四には、リチウムイオン2次電池の選択肢が広がる事だ。

(4)現在テスラが「ロードスター」に使っている2次電池は、90年代にソニーが開発した主にパソコンなどに使われている通称「18650」と言う円筒形(Φ18×65mm)の電池を6,831個も束ねて使っている。これに対して、トヨタのプラグインハイブリッド車に使われているリチウムイオン2次電池は、パナソニックEVエナジー社製の角型電池だ。テスラとしては、条件が合えばどこのバッテリでもよいので、これも選択肢の一つとなる。


そしてこのジャーナルでは、テスラ、トヨタ双方のメリットをまとめてみると、「テスラ WIN!」だ、と結論付けている。トヨタもここは頑張りどころだ。しかしこの業界関係者がびっくり仰天した提携話もおいそれと進むとは限らないようだ。テスラは今年の1月29日に株式公開の申請をしているが、この提携話は多分にその公開申請が認められなければ成り立たない形になっているようだ。だからまだ、「開発や受注契約」については一切合意していないと言う。これはトヨタが念には念を入れているからなのであろうか。それともテスラがごねているのか。まだまだ紆余曲折があるのであろう。

しかしよく考えてみると、このブログでは、オバマは「トヨタ潰し」にかかっていると推測している。するとこのテスラとトヨタとの提携話にも、オバマの「ちょっかい」が入らないとも限らない。いくらテスラの勝ちだといわれていても、トヨタにテスラの良いとこ取りをされるわけにはいかない、とオバマは考えているかもしれない。だから、このテスラの株式公開の認可には、何らかの条件をつけられることも念頭に置かなければならないだろう。例えば、認可の条件として米国政府が出資するとか、テスラにGMも参加させるとかだ。一筋縄ではいかないだろう事も、トヨタとしては考慮していたのであろう。だからまだ具体的な合意は無い、としている。



p98米テスラ、トヨタとの共同開発で「合意できない可能性も」
2010年 05月 28日 08:23 JST REUTERS
 [サンフランシスコ 27日 ロイター] 電気自動車メーカー(EV)の米テスラ・モーターズは27日、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)との電気自動車の開発に関する契約が、まだ正式に結ばれていないことを明らかにした。
 テスラは株式新規公開(IPO)に向けた申請書類で、トヨタと「協力する意向を表明した」としながらも、「受注を含む契約については一切合意していない。合意に至らない可能性もある」とした。
 前週、トヨタとテスラはEVの開発などで提携すると発表。両社がカリフォルニア州パロアルトのテスラ本社で行った記者会見には、トヨタの豊田章男社長のほか、カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事も出席した。
 テスラは申請書類で、トヨタが合意した総額5000万ドルの出資は、年内にテスラが株式を公開できなかった場合、実現しない可能性があることも明らかにした。
 また、トヨタが閉鎖したサンフランシスコ地域の工場を約4200万ドルで買い取ることに加え、この契約がテスラの株式公開後数カ月以内に正式に成立する見通しを明らかにした。
 テスラは電気自動車「ロードスター」のメーカー。同車は10万9000ドルで販売されている。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-15547320100527



トヨタとしても何かと気になることがある。それは、自身の研究成果と比べてもテスラの言う航続距離には納得のいかない点もあったのではないかなあ、と思えるのである。テスラ・ロードスターの航続距離は380kmと言われているが、先の記事p-9では最大航続距離としているが393kmと言っている。それぞれ前提条件が異なるのであるが、このように電気自動車での航続距離の定義の仕方も決まってはいない。電気自動車のベンチャー企業の多くは、PRをかねてバッテリーを限界まで使い尽くす形で出した航続距離を発表している。それらは、いわゆる実用的な航続距離ではないのである。そのため多くのバッテリー技術者は、それらの航続距離を6掛けで見ていると言う。

事実大メーカー系では、ダイムラーの「smart ed」は115km、日産自動車の「リーフ」は160km、三菱の「i-MiEV」も160kmだけなのである。この日産と三菱の航続距離の一致は、多分に日産が無理をして三菱と同じの航続距離を公表しているのではないかとも、勘ぐれるのである。と言うのも後発の日産は三菱なんぞには、負けたくないと言う思いが強い筈だからである。

ダイムラーもテスラに資本参加しているが、これは「smart ed」にバッテリーを供給してもらうためのものであり、バッテリーの本命としてはまだ検討中であろう。なんとなればダイムラーは、中国のBYD (Beyond Your Dream)社と折半出資で会社を設立して電気自動車の開発に取り掛かることになった。だから、BYDの電池を使う可能性が高いのである。
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(46)

2010-06-04 11:55:53 | Weblog

日本経済新聞、5月29日(土曜日) Web刊

p98米テスラ、トヨタ・GMの旧工場を約38億円で購入
2010/5/28 9:33

 【シリコンバレー=奥平和行】米電気自動車ベンチャーのテスラ・モーターズ(カリフォルニア州)は27日、トヨタ自動車と米ゼネラル・モーターズの旧合弁工場であるNUMMI(同)の土地や建物の一部を4200万ドル(約38億円)で購入することを明らかにした。テスラは今月、トヨタとの資本提携や電気自動車の共同開発などで合意している。

 テスラは上場準備を進めており、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類のなかで、NUMMIの購入額を明らかにした。テスラはNUMMIの敷地の約55%や建物を購入するが、購入額に設備の費用は含まれていない。

 テスラとトヨタは20日、トヨタがテスラに5000万ドルを出資するとともに、電気自動車の共同開発や生産で協力することで合意した。SECへの提出書類でテスラは、トヨタとの協力関係の詳細については明らかにしなかった。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0EAE2E2838DE0EAE2E7E0E2E3E29C9C91E2E2E2




第三には、「モデルS」のプラットフォームにトヨタ車のどれか(例えばレクサス)の車体(プラットフォーム)が使われるかもしれないのだ。

(3)2012年半ばにモデルSを量産化するということは、後2年しかない。しかも車体の開発には、相当の金と期間がかかる。モデルSのエンジンは二次電池なので、現在の「18650電池パック」を使えない事は無い。エンジン用の電池は問題ないとしても、車体プラットフォームは一から開発しなければならない。だから当然既存車の流用となる場合が殆んどだ。テスラは車体工場を持っていない。現在の「ロードスター」はイギリスのロータス社製という。現在試作車を一所懸命作ろうとしているところなのではないかな。クルマを一から作るには、それなりの金と技術と期間が必要となる。もしテスラが、トヨタカローラの車体(例えばアンダーボデーはそのまま流用し、サイドメンバー、ルーフ、フード、ラッゲージ、ドア、エンジンコンパートメントなどのパネル)を若干モディファイして流用できれば、それに越した事は無い。現在のボディ技術をすれば、カローラだけれどもカローラで無いモデルSを作ることは、お茶の子さいさいである。しかもNUMMIではつい先ごろまで、そのカローラを生産していた。こう言う事は、極々自然に思い浮かぶ、と言っている。
三菱の「i-MiEV」は軽自動車の「三菱・i」を使っているし、日産の「リーフ」は「ティーダ」を使っている。

だから、テスラの「モデルS」はトヨタ車のどれかの車体を流用するのがもっともリーズナブルなやり方となる。果たしてどうなるか、両社はまだ決まっていない、と言っているようだ。

モデルSの全長は4978mm、ホイールベースは2959mmとかなり大きい。
レクサスLSの全長5060mm、ホイールベースが2970mmなのでLSと同じ大きさとなる。ちなみに
レクサスGSの全長4850mm、ホイールベースは2850mmである。このジャーナルでは、カローラのプラットフォーム活用が思い浮かぶ、と述べているが、これはモデルSの次の車種での話となろう。いずれにしてもトヨタのプラットフォームを使うとなれば、より取り見取りでかなり選択肢は増えることは確かである。トヨタとしては電気(バッテリー)自動車の性格上、カローラEVとかiQのEV化であるコンセプトモデル「FT-EVⅡ」などの小型のEV車の開発を優先したいと思っていることであろう。



p-9テスラ から4ドアEVスポーツ…モデルS 誕生
2009年3月27日(金) 17時50分 Response
テスラ
http://response.jp/special/recent/2310/%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%A9

├【井元康一郎のビフォーアフター】高まるEV熱、「使う側」と「作る側」の温...
http://response.jp/article/2010/05/28/140943.html

├【池原照雄の単眼複眼】豊田社長、テスラに創業期の自社を重ねる
http://response.jp/article/2010/04/02/138629.html

└[動画]トヨタとテスラ、両CEOが会見…シュワルツェネッガー知事も同席
http://response.jp/article/2010/03/23/138029.html

米国テスラモータースは26日、『モデルS』を初公開した。『テスラ・ロードスター』に続く同社2番目のモデルは、4ドアのEVスポーツカー。0-96km/h加速5.6秒、最大航続距離約483km、充電時間45分という性能を実現。ベース価格は日本円で500万円を切る設定で、2011年に発売される。(上部の写真はモデルS↑)

テスラ・ロードスターは2006年7月に初公開。米国シリコンバレーに本社を置くテスラモータース(2003年設立)が、ロータス『エリーゼ』をベースに開発したEVスポーツカーだ。12万8500ドル(約1166万円)という価格にもかかわらず、すでに250台以上が納車されている。

同社にとって2番目のラインナップとして開発されたのがモデルS。ロードスターとは異なり、そのボディは完全オリジナルだ。前後のオーバーハングが非常に短いのが特徴で、スポーティなルックスとロングホイールベースによる高いスペース効率を実現している。

ボディサイズ全長4978mmホイールベース2959mm。4ドアサルーンのように見えるが、実はリアには大型のテールゲートを備えており、厳密に言えば、5ドアハッチバックとなる。シャープなイメージのフロントマスクは、ロービームにHella製キセノンを採用。ハイビームやテールランプにはLEDが使用された。

パワートレーンは新開発の液冷式9インチモーター。シングルスピードのギアボックスと組み合わせられる。床下に置かれる2次電池は、新開発のリチウムイオンバッテリー。3種類の容量が用意され、最大航続距離はそれぞれ160マイル(約257km)230マイル(約370km)300マイル(約483km)となる。300マイル仕様の場合、最大航続距離はロードスターの393kmから483kmへ向上したことになるが、これはバッテリーのセル数が、ロードスターの6000から8000に増えたことが要因だ。

充電は家庭用のコンセントから可能で、電圧は110V、220V、440Vに対応。充電時間は220Vコンセントで約4時間だが、440Vコンセントなら約45分で完了する。車重は1735kgに抑えられ、0-96km/h加速5.6秒、最高速193km/hという性能をマークしている。

ブレーキはブレンボ製で、モノブロックのキャリパーはフロントが6ピストン、リアが4ピストン。ローター径は前405mm、後ろ380mmとなる。タイヤサイズはフロントが245/35ZR21、リアが285/30ZR21だ。

室内は100%リサイクル可能なPET樹脂や鉛不使用のイタリア製レザーなど、環境に配慮した仕上げ。スライド機能が付いたパノラマルーフも採用される。インパネ中央にはパソコンのような大型17インチタッチスクリーンモニターを装備し、各種情報機能を集約。インターネットに常時ワイヤレス接続できる3Gサービスも展開する。

ユニークなのは荷室に設けられ補助シート。大人5名に加えて、子ども2名の最大7名が乗車できる。60対40分割で倒せるリアシートや床下のサブトランクなど、機能性も高い。

テスラ社は「1回の充電にかかるコストは約4ドル(約396円)。ガソリンの価格が1ガロン1ドル(リッター約26円)に下がったとしても、EVはコスト面で対抗できる」と自信を見せる。

モデルSは2011年夏に生産が始まり、年産2万台規模を計画。価格は5万7400ドル(約568万円)からを予定しているが、米政府による7500ドル(約74万円)の補助金が受けられるため、4万9900ドル(約494万円)まで下がる。これはロードスターの半額以下という競争力のある設定。右ハンドルや4WDも用意し、テスラ社はEVの普及に向けて一気に攻勢に出る構えだ。
《森脇稔》
http://response.jp/article/2009/03/27/122334.html
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(45)

2010-06-03 10:43:44 | Weblog

さて、テスラサイドのメリットはどんなものであろうか。

このジャーナルの解説ではテスラサイドのメリットの方が大きいと言うイメージで解説されている。だからテスラにとっても、ある意味、トヨタから話があったことは(どちらが先に話を持って言ったかは確認していないが)渡りに船だったのではないかと思われる。

まず、テスラサイドの最大のメリットしては、

第一には、今年後半に株式公開をすると言われている。テスラはいまだ赤字続きのベンチャーだ。そのため、利益を上げうる再生計画が必要だった。トヨタとの提携は、その計画にお墨付きを得たものと言えよう。

(1)テスラ・モーターズは今年の1月29日(米国時間)に株式公開の書類を提出している。その資料によると、創業以来の売り上げは1億 820万ドルで、
今迄に積み上げられた赤字額は、2億3,640万ドルとなっている。そして2009年末までの累計販売台数は、わずかに937台だと言う。そのため株式公開では、最低1億ドルの資金調達を望んでいると言う。(http://wiredvision.jp/blog/kanellos/201002/201002012046.html より。)

事ほど左様にテスラといえども、金欠病にあえいでいるベンチャー企業なのである。そのためテスラは、2007年にアメリカ政府より低利の融資を受ける事を計画した。そのための再生計画が、5ドアセダンの「モデルS」構想なのである。この再生計画は、米エネルギー省(DOE、Department of Energy)のATVMローンプログラム(Advanced Technology Vehicle Manufacturing Loan Program)を獲得するためのものだった。このプログラムは、次世代技術の自動車を米国で製造する事業者へ、資金を低利で融資するためのものである。テスラは独ダイムラーからも資本参加を取り付けている。ダイムラーの「スマートed」へテスラの技術を提供しているからであり、そんなこんなでテスラは、2009年6月にDOEから4億6,500万ドル(約427億円)の融資を受ける事が決まった。

その結果米国政府からお墨付きを貰ったテスラには、民間ファンドからもオファーが増え始め、そして今回「世界のトヨタ」からも資本を得る事が決まり、テスラという会社が世界で半ば認知されたに等しい結果となり、半ば株式公開(IPO,Initial Public Offering)も成功したも同然と見られている。


p-4.7テスラ・モーターズが株式公開申請--「モデルS」予約はすでに2000台
2010年2月 1日

(これまでの マイケル・カネロスの「海外グリーンテック事情」はこちら)
http://wiredvision.jp/blog/kanellos/

テスラ・モーターズ(Tesla Motors)が米国時間1月29日株式公開(IPO)の申請を提出し、赤字を抱えながらIPOを目指すグリーンテック関連企業の仲間入りをした。

同社が米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、同社の創業以来の売上は1億820万ドル($108.2 million)で、また赤字額の累計は2億3640万ドル($236.4 million)だという。年度ごとの赤字額は、2006年が3000万ドル、2007年が7820万ドル、2008年が8280万ドル、そして2009年が3150万ドル。なお、同社は度重なる開発の遅れから、2008年なかばまで一般への販売をしていなかった。

テスラでは株式市場から最大で1億ドルの資金を調達したいと考えている。

同社はまだ赤字が続いているが、すでに株式公開を果たしたA123システムズ(A123 Systems)やエナーノック(EnerNoc)も同様に、IPO時点では赤字だった。

またテスラ・ロードスターの累計販売台数(2009年末まで)は937台で、あわせて18か国の顧客が購入したという。

そのほかの関連情報は以下のとおり:

●テスラは、2010年1月に最初の右ハンドル車を(すでに)納品した。同社は昨年秋に、英国やアジアの一部市場向けに右ハンドル車の開発に取り組んでいると述べていた。また昨年11月には、ダイムラーから受注したバッテリーの最初の納入を完了した(ダイムラーではこのバッテリーを自社のEVスマートカーに搭載の予定)。

●テスラが開発中の大衆向けセダン「Model S」には、すでに2000台の予約が入っている。Model Sは2012年に量産開始の予定。購入希望者は予約時に5000ドルのデポジット(キャンセル時には返金される)を払わなくてはならないが、11月だけで1800件の予約を処理したという。

●Model Sの登場は予定より少し遅れそうだ。SECに提出されたS-1文書には、Model Sの量産開始は2012年とある。同社ではこれまで2011年後半にModel Sを市場に投入し、最初の一般向けタイプが出回るのは2012年モデルからになるとしていた。これにより、2011年にはほんの僅かな台数が販売されるだけとなりそうだ。ただし、その後は急激に生産台数を増やしていく計画で、目標生産台数は年間2万台となっている。Model Sの市販価格は、予想通りの5万7400ドルとなる(ここから7500ドルの連邦税控除分が差し引かれるため、実質価格は4万9900ドルとなる)。

走行可能距離について顧客からさまざまな要望があり、それに応えるためにModel Sについては一度の充電で走れる距離が160マイルのものから300マイルのものまで複数の選択肢が提供される。

●将来的には、一般向けのバン、SUVや他のタイプの車輌を開発する可能性もある。Model Sは、さまざまなタイプの車両設計に応用可能な、柔軟なプラットフォームをベースにしてつくられている。フォード(Ford Motor Co.)でも自社のエコノミーカーやセダンの設計に同様のアプローチを採用しており、コストの引き下げや部品の共通化を進めている。

●テスラは今年、約1億ドル〜1億2500万ドルが必要となると見込んでいるが、この資金の大半はModel S生産工場ならびにパワートレイン製造工場の建設にまわされる。

●2009年末時点の従業員数は514名で、CEOのイーロン・マスク(Elon Musk)の受けとるサラリーは年間1ドルだが、カリフォルニア州の最低賃金を定めた法律に従うために同氏は年収3万3000ドル分の所得税を納めている。いっぽう、バッテリー開発の天才といわれるJ. B. ストラウベル(J.B. Straubel)の年俸は20万5000ドル。同氏を含む上級幹部クラスにはボーナスは出ていない。
[著者:Michael Kanellos(Greentech Media)/抄訳:坂和敏/原文公開:1月29日(米国時間)]
http://wiredvision.jp/blog/kanellos/201002/201002012046.html



(Photo)テスラ・ロードスター、モデルSは5万7,400ドル(約528万円)と言っている。↑

第二には、テスラはATVMローンプログラム申請に際して、工場予定地が既に加州に確保されているとされていたが、いまだ不透明の状態だったようだ。

(2)テスラの工場用地としては、バーバンク市、ロングビーチ市、ダウニー市などが取りざたされていたが、LAタイムズ紙などはダウニー市が最有力として伝えていたと言う。中にはダウニー市でのモデルSの工場建設計画の詳細を伝えるものまであった。それは、モデルSの量産開始時期としている2012年を、テスラは撤回せずにその旨言い続けていたからである。

トヨタサイドとテスラとヌーミーの利用について、いつどのように話し合いが始まったかは、明らかにされていないが、テスラはダウニー市との交渉を袖に振ってNUMMIヌーミーの一部を買うことにしたのである。このジャーナルの解説では、テスラにとって「奇跡の大逆転」とまで言っている。

しかし購入するのは、NUMMIの敷地の55%と建物としており、設備は含まれていないと言う。自動車製造設備が含まれていなければ、テスラといえども「モデルS」は作れない。そして今回の購入費用は4,200万ドル(約38億円)と言われている。トヨタはNUMMIの設備の現物支給で5,000万ドルを賄(まかな)うつもりなのだろうか。ここら辺も、まだはっきりしない。
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(44)

2010-06-02 11:27:46 | Weblog

2
石油カルテルからの支配を脱せるか?

 かつて内燃機関の自動車市場が世界的に加速拡大していた頃、「国際石油カルテル」と言われるものが存在した。
(Photo)
世界第3位の天然ガス埋蔵量を誇るロシアのプーチン大統領(当時)は2007年、OPECのようなカルテルを形成したいとの発言をして国際社会から批判を浴びた〔AFPBB News〕

 世界の石油メジャーが、主な石油資源の共同保有から生産、販売、輸送までの手段を支配し、生産量、価格などをコントロールする実質上のカルテルで、1930 年前後に始まり50年頃に最盛期を迎え、その後74 年にOPEC が原油価格を決定するようなるまで続いた。

 その後も原油の確認埋蔵量の76%のシェアを持つOPEC加盟国による価格・供給量コントロールが続き、産油国には大きな利潤がもたらされた。石油産油国の国営石油産業では営業利益率40~50%、さらに石油メジャーも開発部門を中心に高い利益を上げ続けている。

 一方、自動車産業は、世界の需要に応えるべく、絶え間ない技術開発や新製品の開発、さらに日々改善やコスト削減努力を続け、成長を遂げてきた。それでも堅調な成長期でさえ、売上高営業利益率は10%程度、需要が落ちると一気に赤字になるという状況である。

 自動車の普及に貢献すればするほど、利潤は産油国にもたらされるといった構造である。内燃機関中心のこのような構造は、環境問題の本格化により今立ち上がろうとしているハイブリッド車やEVの普及によって、ようやく依存度軽減の可能性を模索できそうな気配が見えてきた。

バッテリーカルテルが起きる可能性を指摘する声も

 ところが、改めてハイブリッド車やEVに目を移してみると、今後、先進国の大きな市場でのハイブリッド車やEV化の普及加速に伴い、そのエネルギー供給のキーを握るバッテリーに関して、原油依存同様のバッテリー依存という状況が起ころうとしている。

(Photo)
電気自動車用の充電プラグ。ドイツのエネルギー大手RWEは今年4月、世界の大手自動車メーカーなどがプラグの規格統一に合意したと発表した〔AFPBB News〕

 実際には、この場合エネルギー源となるのは電気であり、電気にとってのバッテリーは、ガソリンにとっての燃料タンクに過ぎないという見方もあるが、未来のクルマにとってのバッテリーの重要性はそのレベルをはるかに超えている。

 また、ガソリンは使用期間を通じて必要なのに対して、バッテリーは新車に搭載されるだけで供給量が限定的との考え方もある。

 しかし、プロジェクト・ベタープレイスのような、クルマの使用期間のエネルギー供給源としてのバッテリー提供ビジネスなどが普及するようなことになれば、ガソリンスタンドでガソリンが供給されるように、バッテリースタンドでバッテリーが供給される姿もあり得なくはない。

3
日本とアジアの独占に危機感募らせる欧米諸国

 特に欧米から見ると、さらに危機感は大きい。

 リチウムイオン電池がクルマに搭載される量は現状、極めて限定的ではあるものの、その市場シェアを見ると、明らかに地域的に偏在しているのだ。携帯電話やパソコンに使用されるリチウムイオン電池全体における日本企業の市場シェアは65%。

 これに第2位の中国(香港を含めシェア20%)と韓国(シェア8%)と台湾(シェア1%)を含めると、アジア勢のシェアは97%に達する。欧米からはアジア勢によりほぼ独占されているように見える。

 この状態で自動車用も普及し、もしアジア勢が結束を強めるような構造が作られれば、まさに、アジア勢による「バッテリー・カルテル」の脅威が現実のものとなる。欧米から見ると、内燃機関のウェイト低下により、ようやく産油国支配が軽減されると思った矢先に、気づいてみると次世代自動車の世界ではアジア勢によるバッテリー掌握の脅威にさらされる、という状況への危機感が感じられる。

欧米で相次ぎ発足した国家プロジェクト

 欧米では、こうした危機感を背景に、産業・政府・学界挙げて、日本へのキャッチアップと世界での主導権の掌握を図ろうとしている。電池のバリューチェーンにおける前段階(化学素材~セル)では3年程度、その後工程(電池パック~制御システム)では1~3年でのキャッチアップを目指していると見られている。

(Photo)
日産自動車とNECは2008年、共同でオートモーティブ・エナジー・サプライ(AESC)を設立、2009年までに自動車用リチウムイオン電池の大量生産を開始すると発表した〔AFPBB News〕

 ドイツ政府は、ドイツを電気自動車の中心市場とすることを目指し、2020年までに100万台の電気自動車を実用化する目標を掲げている。「第2次景気対策」でも総額5億ユーロが計上されている。

 2009年3月には、連邦議会予算委員会が次世代リチウムイオン電池の開発計画に総額5億ユーロの予算を承認した。同計画は、高性能、安価、安全な電気自動車用リチウムイオン電池の開発を目的とし、連邦教育研究省(BMBF)が6000万ユーロ、産業界が合計約3億6000万ユーロをそれぞれ負担する。

 さらに、2009年4月には、ドイツ連邦環境省(BMU)が、プラグインハイブリッド車とEVの駆動装置の開発、バッテリーのリサイクルの研究開発等に関し、1億ユーロの補助を発表している。

 2008年12月に戦略提携を発表したダイムラーとエボニックは、高性能リチウムイオン電池市場の規模は向こう10年以内に100億ユーロを超えると見通しており、電池の素材市場だけで40億ユーロ以上に達すると見ており、このような政府補助を積極的に活用する考えだ。

4
米国ではオバマ大統領が24億ドルの拠出決める

 また、米国では、オバマ米大統領が、2009年3月、家庭用電源で充電可能なプラグインハイブリッド車やこれに使用する先進電池の技術開発のため24億ドル(約 2300億円)の資金が用意されていると語った。数万人の雇用創出と、外国産原油への依存軽減効果も想定している。

(Photo)
今年4月、デトロイトで開催されたSAE(米自動車技術者協会)主催の見本市で、GMは「ハマー」ベースのハイブリッド車を公開した〔AFPBB News〕

 米エネルギー省自動車技術局(DOE-OVT)は、自動車技術プログラム(Vehicle Technology Program=VT)を通じて、ハイブリッド車やEVや電池を始めとする次世代技術開発をサポートする。

筆者注、DOE-OVT:The U.S. Department of Energy-The Office of Vehicle Technologies

 DOE-OVT の下では、様々な自動車技術プログラムが同時進行中で、電池関係ではUSABC支援プログラムで電池システムの技術開発、応用技術開発(Applied Technology Development=ATD)プログラムや応用電池研究(Applied Battery Research=ABR)プログラムでセルレベルでの研究開発、先進輸送技術用バッテリーー(Batteries for Advanced Transportation Technologies=BATT)プログラムで材料レベルでの基礎研究を行っている。 

(Photo)
14年前に創業した中国のBYDは、自動車用バッテリーで成功を収め2008年には世界で初めてプラグインハイブリッド車の大量販売を始めた〔AFPBB News〕

 さらに欧米以外でも、中国では携帯電話用リチウムイオン電池で世界シェアトップのBYDを中心に、政府の支援により、研究開発が加速している。

 中国政府はエネルギー不足と環境汚染対策にもなるとし、ハイブリッド車などのエコカーを対象に計200億元(約2800億円)の補助金を準備していると言われている。

 BYDオートの本拠地深セン市をはじめ、各地方政府からメーカーへの開発補助金もあり、また、これに伴って加速度的に増加する電力需要に対しても対策にもなるとし、原子力発電の積極的な開発・設置で対応しようとしている。
戦略シナリオと実行力が求められる日本

 一方、日本はハイブリッド車では先行し自動車用高性能二次電池(充放電可能な電池)ではニッケル水素電池の分野で圧倒的なポジションを築いた。さらに、まだ自動車用での本格搭載以前の段階ではあるもののリチウムイオン電池でも大きなシェアを維持している。

 今後、是が非でもそのポジションを維持しつつ環境技術普及のリーダーとして貢献度を高め、世界市場拡大の中で付加価値を維持していく必要がある。

 半導体や太陽電池では、日本が先行した後、他国に国家を挙げた強力な追随を許し追い越されてしまう状況もあったが、ハイブリッド車やEV用電池においてリーダーとしての地位を確保するためには、どのような方向性があるだろうか。

 国内市場を中心にいち早く普及させて経験やノウハウの蓄積と規模の経済性獲得により競争力の飛躍的向上を狙うのか。それとも、海外メーカーも含めて幅広い搭載車種展開でグローバル市場を対象とした圧倒的ポジションを再度海外新興バッテリーメーカーから奪還していくか。あるいは、海外で加速するハイブリッド車やEV用電池の開発を後方支援する格好で付加価値の高い要素技術を核に世界の電池技術の進化と市場拡大をリードして行くか。

戦略シナリオの想定と実行力が問われる。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/993
(続く)
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番外編・プリウス急加速問題(43)

2010-06-01 13:37:43 | Weblog
p66.5米テスラに電気自動車用電池供給へ=パナソニックのエナジー〔BW〕
時事コム (2010/04/28-13:53)

 【ビジネスワイヤ】電気自動車メーカーの米テスラ・モーターズは、パナソニック・グループのエナジー社(大阪府守口市)が電気自動車用電池セルの量産を開始し、同社も電池セルの供給を受けると発表した。エナジー社は大阪市住之江区にある同社の新工場で、業界最高のエネルギー密度を誇る3.1Ahの電池セルを製造開始する。年間3億セル以上が製造される予定。テスラは、複数の電池セルを集めて自動車で使用するためのバッテリーパック技術を保有しており、エナジー社製電池セルを使用して、世界で最もエネルギー密度の高い電気自動車バッテリーパックの製造を目指す。
 【注】この記事はビジネスワイヤ提供。英語原文はwww.businesswire.Comへ。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201004/2010042800465




そのためにこの解説では米電気自動車ベンチャーは技術主導型でなく、投機主導型と呼んでいるのである。そのため金の出所のひとつである米エネルギー省の存在価値が高まり、政府主導の環境エネルギー政策だと言っているのである。

それに対して日本はあくまでも技術主導型、すなわち自動車メーカーが主体的に電気自動車の開発を先導しているのである。そのため各自動車メーカーも必死である。それぞれがバッテリー開発の為に電機メーカーとタイアップして技術開発に勤(いそ)しんでいるのである。トヨタもパナソニックと組んでいるし、今回もテスラと組むことを決断したのであろう。

と言ったところがトヨタのメリットとして論じられ、解説されているが、自動車用電池をめぐる主導権争いは単なる企業間の競争ではない。現在の産業のあり方を一変させるほどの第4次産業革命となるほどの革新なのである。従ってリチウムイオン2次電池でも現在は日本が世界をリードしていてるが、欧米や中国は国と業界が結託して技術開発やそのシステム作りに取り組んでいる。日本では私企業連合だけでは、国をバックとした彼らには太刀打ちできなくなるであろう。それにしても現在の民主党と鳩山・小沢政権は、全くの役立たずだ。CO2の25%削減と言い、普天間の迷走と言い、子供手当ての大盤振る舞いと言い、在日外国人の参政権問題と言い、やる事なす事が全くの的外れの時代遅れで、日本を奈落のそこに突き落とし続けている。こんな政府の有様では、日本の自動車産業どころか、日本全体が浮かばれない。そんなことは分かりきっていたのに、喜んで民主党を持ち上げた国民も、結局は馬鹿だったことになる。

テスラサイドのメリットを論ずる前に、電池をめぐる攻防戦に目を向けてみたい。


JBpress-Japan Business Press
p-8自動車用電池巡る攻防戦、いよいよ始まる
先行する日本とアジアに欧米勢が急追
2009.05.11(Mon) 川原 英司
1
米国のEV(電気自動車)メーカーであるベンチャー企業テスラ・モーターズ(Tesla Motors)のEVは、1台につき「18650」規格のリチウムイオン電池のセルを約6800個(「Roadster」)~約8000個(セダン「モデルS」)搭載している。

(Photo)テスラの電気自動車「モデルS」
 このセルは、ノートパソコンに使われている標準規格のもので、ノートパソコン用では6~8個のセルが使われていることと比べると、1台当たり約1000倍の需要量となる。
 EVの将来市場に関しては様々な見通しがなされている。その中間的な水準を取って、仮に2010年代後半に世界で100万台規模の市場規模となると想定すると、ノートパソコン10億台分のリチウムイオン電池セルが需要されることとなる。
ノートPC用のセルは1億5000万台、自動車用は10億台

 携帯電話と並んで現在のリチウムイオン電池の最大の用途であるノートPCの世界出荷台数は約1億5000万台なので、それを大きく上回る用途市場が出現する。さらにEVの台数をはるかに超えるハイブリッド車用途(1台当たりの電池規模は一般にはEVよりも小さい場合が多い)を加えると、圧倒的な規模だ。
 もちろん、ハイブリッド車や量産EVには、このような標準セルを並べたものではなく、専用設計のバッテリーモジュールが搭載される場合が大半で正確な比較はできないかもしれない。それでも、性能容量としては上記の換算も可能だろう。

(図)ニッケル水素電池とリチウムイオン電子の比較資料:AESC→上部参照

 従来の自動車の延長上の要素をハード面、ソフト面ともに多く含んでいることは確かではある。一方で、こうした新しい付加価値部分の高まりにより、従来とは異なる設計思想やビジネスモデルの入り込む余地も大きくなる。
 現在、自動車産業は、従来の常識とそれを前提とした地道な努力を覆すような大きな衝撃に見舞われている。
 そこから立ち直り、次の成長に向けた転換期に再び進化を続けていくためには、短期的課題から長期的課題まで、自動車産業にはこれまでにない大きなチャレンジが必要とされるだろう。
(続く)
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