日本住宅会議(会長塩崎賢明)のサマーセミナーに参加した。セミナーの内容は盛りだくさんで、納得した点も多いが再検討すべき点も多かった。まずは石巻市長の話は、歓迎の挨拶だけでなく被害の状況と経過の報告を兼ねたものだった。東北大学の後藤光亀さんの話は、津波と土木の遺構についての内容で、地形、地質などの地勢を100年、1000年のスパンで読み解く重要性であった。これは地区防災でも防災カルテとして、住民に情報提供すべきである。ただ、資料の存在確認、公開、選択、分析など活かしきれるか問題である。豊田市役所でもGISを持ってるが、個人情報との関係で木造密集地域の図面をどこまで出せるかである。それをベースに街歩き、ワークショップで危険個所の点検をし、情報を書き加えるべきであろう。エリアの単位を自治区にするのか、中学校単位にするのか検討をようする。また、神戸市のように地区別防災計画が必要である。市単位の地域防災計画は市民にはなじめない。地区別の被害予測や仮設住宅の設置場所、戸数などの中学校単位のデータと具体的な危険個所の検討が必要である。今のハザードマップは大雑把すぎて危機感がない。防災訓練は炊き出し、非常食など救急訓練が多い。また防災講演会は関心が低く、町内役員などの割り当てによる動員もある。関心あるテーマで企画する工夫が必要である。企画提案を誰がするかが問題となる。専門性、継続性、地域精通などと連携ができる人材(NPO,NGO,公務員など)が必要である。
熊本地震の現状について、NPOまち・コミの宮定章さんは兵庫県と石巻を拠点に活動され、熊本にも調査支援に入った現況報告である。擁壁と境界の問題、罹災証明の発行と相談会の同時開催支援など、住民に寄り添った話は興味深い。個人的には罹災証明と新潟で経験したことのある応急危険度判定士の判定を、統一できないものか検討すべきだと思う。「全壊及び大規模半壊」と半壊かの判定で、仮設入居や再建の助成が変わってくる。また、東南海地震へ向けてどのような準備をすべきか提起している。さらには「復興とは何か」を悩み、「事前復興」の考えを模索している。事前復興は減災にも通じるが、災害をイメージし災害予防をいかに普段から準備し、安全なまちづくり、コミュニティができるかである。地域会議委員の立場からも、公助のあり方を考える上で大変参考になった。(次は、東松島市長の話を報告する予定であるが未定である。午後には藤岡で産廃の公害相談を受けたので現場に行く。明日からハバロフスクへ行く予定。)
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