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朴ソウル市長の足取り

2012-07-23 | 平和・人権・環境・自治制度

 昨年秋に、野党統一候補としてソウル市長に、朴元淳氏が当選しました。朴さんは人権派弁護士、市民運動家で参与連帯の事務所長でした。参与連体は2000年の総選挙で、「腐敗・無能」の国会議員名簿を作り、7割を落選させました。参与連帯の前身では「国民基礎生活保障法」の立法請願をし、NPOへの「寄付ショッピング」など社会的企業家の育成にも力を注ぎました。SNSを活用する点では橋本市長と類似点があるが、「人を言い負かすレトリックと恫喝が身上の橋本氏と、『市民こそが市長である』を信条とする朴市長とでは、政治スタイルに大きな差」(上田修)があります。
 以下、世界7月号の世古一穂の朴市長インタビュー記事から抜粋メモです。
 市民社会は、「民主主義の危機が訪れ、公共性が脅かされているときには、政治の中で市民的な価値を実現するために協働することが大切」。「市民は政策の対象ではなく、政策を決定する主役」で、「市民参加型の予算制度を実現させることが必要」。「傾聴ツアー、政策ワークショップなど、市民要求を市長、職員がダイレクトに伝わるシステムをつくった」。
 「これまで韓国は経済成長を中心にした社会でした。いわゆる土木工事中心の社会だったわけです。それを社会保障の充実を図り、生活の質を向上させる社会に切り替えようと思っています」。環境の1つの実践として、「ソウル市では原発1基分の電力消費を自然エネルギーで代替していく太陽光プロジェクト政策を進めています」。若者雇用創出で、「ソウル市立大学の授業料を半額にしました」。「若者の働き場所を創出するために3000億ウォンの社会投資基金を設立しました」。「市職員はパートナー」について、「日本の自治体首長の中には公務員制度について不合理な面の改革や、必要のない組織のリストラ、それに公務員に対する意識改革に取り組む人がいると聞きます」。「・・・敵対視する相手ではないと思っています。市職員は市長のパートナーであり、心を共にする同志だと思っています」。「強いリーダーシップは市民の反感を買い、長続きしません。長期的に見ると、柔らかなリーダーシップこそ大きな変化を生み出します」。
 こんな市長の下で働けば、やりがいがあります。韓国は輸出型大企業優先で、日本と似ている面もあります。また、グローバルな視点で日本と別の動きもあります。年末の大統領選挙も注目したいものです。(写真は家庭菜園のかぼちゃの花です。)
<特記>
LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正は許しがたいです。円高にもなり世界経済へのダメージで、庶民の生活が犠牲になります。ヘッジファンドなどの規制で、ルールある世界経済の構築が急がれます。
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