中室牧子(2015)『「学力」の経済学』Discover
東大に入る親の年収は1千万円以上が多いと言われています。親の収入が少なく、習い事もできず、自習環境の悪い子どもは貧困の連鎖から抜けれないとも言われます。この本は経済学的な視点から、数値での評価分析をしているとしていますが、教育は数値で現れないものもあり、評価も第3者での公正な評価か問題となります。特に、小中学校の少人数学級に興味があります。豊田市では小1~3年生、中学校は少人数学級になっています。豊田市では最近、小学生の悲しい事故、熱中症による死亡や小学6年生の自殺などが続きました。また、教員の多忙も良く聞かれます。みよし市は全学年少人数学級を実施しています。豊田市では小4~6年生は補助教員をつけています。以前、総合計画説明会で、市長は少人数学級の意義はわからないと応えていました。財務省と文部省の対立の影響があったのだろうか。
2014年10月、財務省が「今まで公立学級で進めてきた35人学級を見直し、40人学級に戻すべきだ」として、文部省と対立した。
筆者は日本では論証するデータが少ないとしている。35人学級にした場合、こどものいじめや暴力行為、不登校に因果関係があるかは極めて難しい。アメリカで少人数と言えば私立で20人以下である。海外の研究から少人数にすれば学力の向上はある。生徒が獲得する将来の所得は伸びなく、投資しただけの効果はないとしている。
橘木俊詔は「子どもの格差の経済学」で、稼得能力は向上しないだろうとしているが、非認知能力を高める効果はある。先生と生徒のコミュニケーションが増える。いじめや校内暴力、不登校に効果が予想される、としている。
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