地区計画区域で高層マンション

田中町の区画整理を行なった区域で地区計画があっても高層マンションが建設中です。周辺の人の反対運動もあったと聞いています。用途地域は第１種住居地域で、60、200です。建築基準法は適合です。なぜ、地区計画で高さ制限をかけなかったのか疑問が残ります。マンション問題は事後の紛争では解決が困難です。建築確認は申請から確認までの期限が切られています。民間へ出すこともできます。自治体によっては紛争予防条例や、指導要綱がありますが調整不能の場合が多いようです。建築基準法の集団規定（外部の形態制限）は緩和の歴史でした。自治体で都市計画決定や条例化すれば一定の制限は可能です。いずれにしても地域住民が地区の将来像、まちづくりルール、制限内容を予め決めておくことが重要です。住民は問題が発生しないと行動しないので、自治体サイドで高さ規制や地区計画での制限を提案する必要があります。新宿区では商業地域を除いて、全ての用途地域で高さ制限を今年３月に決めています。豊田市でも都市計画マスタープランの見直しの中で、全市高さ規制や、最低敷地規模制限をすれば快適で美しい街づくりができると思います。

トヨタの田中寮

田中町にあるトヨタの寮です。高さは11階ですが色がグレーで落ち着いているのと、やや低地にあるので余り高くは感じません。用途地域は第２種中高層住居専用地域で、60、200です。

ちょっと目立つマンション

聖心町にちょっと高いマンションが３棟ほどあります。細長いので日影規制はクリアしているでしょうが、気になる高さです。用途地域は第１種住居地域で、60、200でしょうか。

アリビア聖心

トヨタの社宅か寮か分かりませんが、高さ、色、デザインは周辺にマッチしていると思います。意匠はレジデンス聖心に似て、屋根に少し勾配をつけ、ベランダは変化をもたせ、色は同系を使い設計者のセンスを感じます。用途地域は第１種中高層住居専用地域で、60、200でしょう。

レディデンス聖心

トヨタの寮と思われます。都市景観賞をあげたいですね。洒落たデザインですが住戸の面積はわかりません。駐車場には熊本と山形のナンバープレートのクルマがありました。全国から職を求めてくるのでしょう。近くの店舗では飛行機のライセンスを扱っていました。その横のコンビニの前では、青年がコンビニ弁当をぱくついていました。何かアンバランスな感じでした。

トヨタの寮

聖心町にあるトヨタの寮で、階段室が特徴です。建設年次は相当古く、入室は期間工の人でしょうか。管理人室には人の代わりに顔のポスターが貼ってありました。

永覚雇用促進住宅

　雇用促進住宅は炭鉱の離職者を主な対象として、雇用促進事業団が建設しました。豊田では永覚のほかに高美と東山にあります。東山の一箇所は改築されました。高さは５階でエレベーターもなく、家賃も安いためか居室面積は狭いです。
写真は永覚で、用途地域は第１種中高層住居専用地域で、建蔽率60、容積率200です。東山も同じですが、60、150です。高美は市街化調整区域で60、200です。

トヨタの永覚団地

　住宅計画は都市計画の基本です。都市を計画するには住宅の戸数、居住面積、位置を計画的に配置すればい訳です。しかし、日本の場合は持ち家主義と建築・開発自由のためと住宅が市場となっているため、快適な住環境はなかなかストックされません。そのため日照問題、景観、交通、学校、コミュニティなどが事後の問題として、時には紛争の種になります。
　今月のテーマは「豊田の中高層住宅」を順不同で追ってみます。
　写真はトヨタの永覚団地です。この住宅は比較的古く、11階のため遠くからも見えました。高い建物はラウンドマークにもなりますが、突出した高さは山並みのスカイラインと調和しないことがあります。フェンスで囲まれた団地の中では小公園もあり、1つのコミュニティを形成しています。（用途地域は第１種中高層住居専用地域で、建蔽率60％、容積率150％）