Con Gas, Sin Hielo

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「アントマン&ワスプ:クアントマニア」

2023年02月25日 13時28分10秒 | 映画(2023)
遠い昔 はるかかなたの量子世界で。


MCUの第5フェーズ。ここからいよいよマルチバースサーガのアベンジャーズに繋がる物語が始まる。

その先頭を飾る作品は、インフィニティサーガでも大きなカギを握ったアントマンとなった。神でも超人でもない、並み居るヒーローたちの中でも最も平凡な人物であるスコットラングがその役を担うところがおもしろい。

サノスとの闘いを終えて大切な娘やパートナーのホープたちとの生活を手に入れたスコットであったが、当然それは昔のままというわけではない。過酷な経験はそれぞれを変えてしまい、それはまっすぐ健全な方向へ成長させたわけではなかった。

「アントマン」第1作のころ小さな女の子だった一人娘のキャシーは高校生になったくらいだろうか。量子学に興味を持ち才能を開花させる一方で、強固な正義感を持ち、デモ活動の鎮静化に当たった警察の車をミニチュア化させてしまうなどの問題行動も起こしていた。

そして彼女が開発した量子世界との交信装置をお披露目したときに事件は起きた。悪い予感を感じたホープの母・ジャネットが止めようとした瞬間に、スコット、キャシー、ホープと両親の5人全員が量子世界へと引き込まれてしまったのだ。

そして、ジャネットが言えなかった量子世界での秘密が明らかになる。それは、世界を再び滅亡の危機に陥れる規模の脅威であった。

冒頭の数分で全員が飛ばされてしまうので、ほぼ全編を通して舞台は量子世界である。だから、お気楽な日常的な風景はほとんど描かれない。

そして、誰も見たことがないから仕方がないことではあるが、この量子世界、ミクロというよりは、どこのユニバースですか?といった印象を抱く。

人間と同様に頭や手足があって、外見だけ異様な生命体がコロニーを作って生活しているという絵面は、映像技術こそ発達しているが40年近く前のスターウォーズから何ら変わりがない。これはスターウォーズが偉大なのか、現代人の発想が貧困なのか限界なのか、おそらく両方の要素があるのだろう。

そんな世界に幽閉されていたのが征服者・カーンである。新たなアベンジャーズの敵として満を持して登場した彼は、サノスと違って見た目は普通の人間である。

しかしマルチバースを操るので、いくら駆逐しても次々にスペアが現れる存在らしい。そりゃ確かに強敵だ。相当上手い脚本を作らないと理解できないし、理解できなければカタルシスを味わうこともできないだろう。

演じるJ.メジャースのたたずまいは良いので、これからに期待したい。

全体的に可もなく不可もなく。こじらせ娘の設定がもう少し穏やかであったら素直に楽しめる作品だったと思う。あ、アリが活躍したのは良かった。

(70点)
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