Con Gas, Sin Hielo

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「ブライトバーン/恐怖の拡散者」

2019年11月23日 12時45分02秒 | 映画(2019)
落とし物は警察へ届けましょう。


映画のマーケティングでは様々なうたい文句を付けて観客を呼び込もうとするが、外国映画で有名な俳優や映画賞に頼れない場合は、相当頭を悩ませて、結局良いアイデアが出ずDVDスルーとなるのが常である。

そこで本作。前面に押し出してきたのは、なんと「「ガーディアンズオブギャラクシー」のジェームズ・ガンの製作」というものであった。

「ガーディアンズ~」はそれなりのヒット作であるとはいえ、これでよく劇場公開に踏み切れたものだと思ったところ、どうやら今回は楽天が新たに設立した映画配給会社の第1作ということらしい。攻めの姿勢は楽天らしいが、肝心の映画の中身を見るとDVDでもよかったのではと思ってしまう。

あらすじを簡単に言うと、思春期≒反抗期を迎えた子供がスーパーな能力を覚醒させ、周りを恐怖に陥れていくという話。スーパー少年である理由は映画開始からほどなく明らかになる。

子宝に恵まれなかった夫婦のもとに天から舞い降りてきた贈り物。主人公の少年・ブランドンは、いわばスーパーマンのような出自なのだが、決定的に違うのは、ブランドンの中に邪悪が棲み着いていたことであった。

本作の何が残念かと言えば、ブランドン以外のキャラクターが激弱だったことがまず挙げられる。

両親はいたって普通の田舎の夫婦。善人だが悪に立ち向かえるキャラクターではない。そのほかに叔父や叔母、クラスメートに地元の警察などが登場するが、両親より更にひとまわり小さい存在に過ぎない。

だから超絶なブランドンが少しでも本気を出せば、誰もがなすすべなくひねられてしまうわけで、普通に戦えば見どころなくバッドエンド。ハッピーエンドに持っていこうとしても、相当無理な展開が必要となるという、救いどころが難しい仕立てになってしまっていた。

途中からは、どう転んでもおもしろくなりそうもない話をいかにまとめるのかだけを興味に見守っていたが、結果としては、やっぱりそうだよねということにしかならず。

スーパーマンにとってのクリプトナイトのようなものが登場するが、レックスルーサーがいなければその設定を生かすことはできない。旅客機がブランドンに向かってゆっくり迫ってくる画にもげんなりした。

ヒーローものの誕生譚のように見せるエンディングはお遊び感があって良かったけど、ヒーローに付き物の心情的な描写は一切なく、無表情か怒りしか表さないブランドンには好意も嫌悪も持つことができなかった。

(50点)
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