Con Gas, Sin Hielo

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「エターナルズ」

2021年11月07日 13時18分34秒 | 映画(2021)
多様性、ここに極まれり。


アベンジャーズが人類の存亡を賭けて戦っていたその裏で、7000年以上も地球で秘かに暮らしていた宇宙種族・エターナルズがいたと言う。

彼らは常に陰から見守ってきた。高度な文明をもたらすとともに、邪悪な生命体・ディヴィアンツの捕食から救うことで、人類の発展は栄華を極めた。

ディヴィアンツの根絶をもって役割を終えた彼らは、組織としての行動を停止し、それぞれが自由な意志で人間社会の中で暮らしていくことを選択した。しかしある日、ロンドンの街に突如ディヴィアンツが蘇ったことで彼らは再集結を迫られることになる。

スケールの壮大さではマーベル作品の中でも群を抜いて最大であろう。なにしろ裏にいるセレスティアルズは、神も宇宙も超越した存在なのだから。

現代社会で人間として生きるエターナルズたちは多種多様だ。性別、人種、世代の違いにとどまらず、聴覚障害者までいる。原作がどうなっているのか知らないが、現代らしいといえば現代らしいし、キャラクターに個性があるとすぐに見分けがつくので観る側に対して親切であるとも言える。

彼らは思想も様々だ。人間社会の一員として暮らしていくうちに、無益な争いに血道を上げる人間たちに愛想をつかす者がいれば、人間との間に恋愛関係を芽生えさせる者もいる。

やがて話は彼らの存在意義へと行き着く。エターナルズは何のために生まれたのか。突きつけられた事実を彼らはどう受け止めたのか。

多様性の話を持ち出すでもなくエターナルズは我々の投影であり、それはこれまでのスーパーヒーロー映画で描かれてきたことと基本的に通底する。大切なものを護るために戦う姿は尊い。

脚本は非常に丁寧に書かれている印象を受けた。人物紹介に時間を取らざるを得ないシリーズ初作だけに上映時間は長いのだが、お披露目だけに留まらず、アベンジャーズでは「シビルウォー/キャプテンアメリカ」で見られたキャラクター同士の対立の構図までこの1作で描いてみせる。

しかもシリーズ初作のデメリットを逆手に取り、キャラクターの不安定さを先の展開の読みづらさ=面白さを深める効果につなげている。

以降のシリーズにも期待したいところだが、話によるとほかのMCU作品との連携の予定は今のところないとか?それでも、ポストクレジットでの大物ミュージシャンの登場を見れば期待しないわけにはいかない。

あとギルガメッシュはもう出ないのだろうか。ドクターストレンジの片腕になるものとばかり思って見ていたのだけど。

(80点)
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