Con Gas, Sin Hielo

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「イントゥザスカイ 気球で未来を変えたふたり」

2020年02月01日 23時52分26秒 | 映画(2020)
実話から着想を得たアトラクション。


冒頭に"based on~"の下りが登場する映画は数多くあるが、史実との距離感は千差万別だ。

本作は、ガス気球での最高高度到達記録を更新した二人の男性のうち一人を女性に置き換えて、彼女を中心に物語を組み立てている。

これは一つの手法であり特に意見を言うつもりはない。現代的な見せ方としてはむしろ堅実とも言える。

ただ、設定がかなりのフィクションであるという感覚が全体に転移してしまい、個人的には、主人公たちに危機が迫る場面を手に汗握って観ていた一方で、この部分は実際とはまったく違うんだろうなと醒めている自分も同時に存在するという状況であった。

気球に乗るのは女性飛行士のアメリアと気象学者のジェームズ。フィクションだからキャラクター設定に自由度が増える。やはり娯楽映画として正しい選択だったのであろう。

演じるのはF.ジョーンズE.レッドメイン「博士と彼女のセオリー」 - Con Gas, Sin Hieloコンビが再タッグを組んだことになるが、今回は女性のアメリアの方が前面に出て活躍する。

というか、ジェームズとの比較以前にアメリアの活躍は超人級である。10,000フィートの上空でフリークライミング的に気球のてっぺんまで上っちゃうんだから、これはもうアメコミヒーローの血が混じっていると断言できる。

その間低酸素からか気絶して貢献度ゼロだったジェームズは高度が下がってから一気に復活し、最後は気球がトランスフォームする。

皮肉っぽく書いてしまっているが、これは手法の問題で、過去の人物の業績を伝記として描くのか、拝借したエンターテインメントにするのかのどちらを選択するかという話である。

本作は明確に後者を選んでおり一貫してブレはない。気球が大空に浮かぶ光景など、かつての「タイタニック」が大海を進む画を彷彿させる美しさであり、題材やキャストの良さをできるだけ引き出している点には好感が持てた。

(70点)
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