せっかくの休日なのに、昨夜から暴風が吹き荒れている。寝ているとゴーゴーと物凄い物音で、家が崩れていっているのではないかと心配になるほどだ。夜が明ければ風も収まるだろうと気楽に考えていたが、朝になってもちっとも風はやまない。
真冬の重装備で朝の散歩に行ったものの、今日のランニングは厳しそうだ。天気予報によると最低気温マイナス7℃、最高気温に至ってはマイナス1℃という。この強風の中、とても満足に走れる状態ではないのである。河川敷の隠れる場所のない土手を走って回るというのは、低体温症になりに行くようなものなのである。
というわけで、ランニングは諦め、コタツに入って絵を描くことにした。
絵を描くためには、手法というものがある。手法にはそれぞれ合った題材というものがあり、題材と手法の組み合わせを間違えると、ダサい作品になってしまう。
この前から取り組んでいる、単純な色面と陰影による遠近感で描く手法では、どちらかというと混沌とした自然の風景を描くよりは、人工的なもののほうが扱いやすい。で、何か題材がないかと検討した結果、以前旅行で二度ほど立ち寄ったことがある瀬戸内海の鞆の浦を描いてみることにした。ここはドラマ「流星ワゴン」やジブリの「崖の上のポニョ」の発想を得た場所ということにもなっている。
前にも描いたことがあるが、以前の手法ではどう扱っていいのかわからず、あまりうまく行ったとは思えなかったのだが、今度は面白い絵になるのではないかと期待している。
朝からお昼まで描き続け、とりあえず少しだけ形が見えて来たので、これからこの線で少しずつ描いて行くつもりでいる。完成すると、画面いっぱい所狭しと家が立ち並ぶ絵になる予定だ。