散歩をしていたら、雑木林からカサコソと音がした。何かいると思い、雑木林の中を覗き込むと、木をよじ登る小さな影が確認できた。「リス」と瞬間的に判断したが、その時にはもう姿を消していた。
それでも、以前に遭遇した経験から、リスは木の裏に回り込むとその場で息を殺してジッとしていると思い、足音を忍ばせ、リスが消えた木陰に目を凝らす。と、やっぱり幹にしがみついたまま葉っぱの陰に隠れているではないか。そこでカメラを向けパチパチとシャッターを押す。が、この季節では若葉が邪魔をしてなかなかピントが合わない。
撮った写真をその場で拡大して確認すると、リスと思ったものの耳の形が違うような気がする。おまけに鼻の付け根が低くリスらしくない。リスでないとしたら、以前この場所で遭遇したモモンガに違いない。そうだ、きっとモモンガだ。モモンガだモモンガだ。やった、モモンガの撮影に成功したぞ。
意気揚々と家路につき、改めて写真を確認するが、モモンガと決めつけるのも確証に欠ける。
そうこうしていたら、NHKの「さわやか自然八景」で、十勝の春の風景でモモンガとリスが登場していた。これは見比べるのにちょうどいいなと注目して見て観ると、モモンガは撮った写真とは明らかに耳の形が違いすぎる。おまけに夜行性で、夜になると巣穴から出てくるなんて紹介されている。
ということは、写真の正体はリスだったのか。そう思って眺めていると、耳の形も毛の長さでどうとでもなりそうだし、鼻の付け根が低いと思ったのも、木漏れ日が顔に当たり、なんとなく鼻が低くなっているようにも見える。
そうか、リスか。最初からリスと思って写真を撮っていたらテンションも高かったが、モモンガだと喜び、その後でリスだと判明すると、同じリスの写真を撮っても、現金なものでガッカリ感のほうが強いのである。






















