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おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

クズ

2013-06-30 16:10:49 | 福島

 昨日、池内さんの本のことを書いた。その中に山で見た雨に濡れたクズの蔓の美しさが書いてあったのだが、クズという名前は知っていても、具体的な形とは結びついていなかった。 そこで早速インターネットを利用して調べてみると、1年を通してこれほどよく目にする植物も他にはないだろうというほど、普段から頻繁に見かける植物だったというのがわかった。

 クズと聞いてすぐに連想するのは食用にする葛粉だ。大和国の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来するというから、僕らのご先祖はずいぶん昔から口にしていたのだろう。葛湯でも知られているとおり、薬効もある。馬、牛、ヤギ、ウサギなど多くの草食動物が喜んで食べるというから、家畜を飼っていた家では重宝がられる存在だったろう。

 「だったろう」などと過去形で書いたのは、今どき家畜を飼っている家は少ないし、葛湯に入る習慣もほとんどなくなった。農家でも縛ったり巻いたりという作業に、わざわざクズの蔓を利用することはなくなった。それに伴い、定期的に刈り取られていたクズは、いたるところではびこり出したのである。

 かつては有用だったクズも、雑草としてはこれほどやっかいなものはない。蔓性で薮でも草地でも雑木林でも、どこにでも根を下ろす。地上部の蔓を刈り取っても、地下に栄養を蓄えた太い根が残り、すぐに蔓が再生するので、駆除するのはほとんど不可能に近い。なんと「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれるという厄介者なのである(そんなワースト100があることにも驚くが)。

 実際、散歩に出ると、注意しなくったって目に飛び込んでくる。木に巻き付き木々を覆い、電信柱に巻き付き電線を覆い、山の中に棄てられた粗大ゴミを覆い、すべてをクズの大きな葉っぱの下に隠してしまう。「なあんだ、これがクズだったのか」というくらい、田舎はクズで占領されているのである。

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旅行記

2013-06-29 14:43:30 | 日記

 旅行記を読んでいる。一冊は池内紀「海山のあいだ」、もう一冊は村上春樹「辺境・近境」。店番をしていると、外出するわけにも行かないので、旅をしている本が読みたくなる。

 村上さんのは、棄てられた戦車の上でポーズをとる作者の写真が使われていたので、ハードなノンフィクション物かと思ったら、人気作家による気楽な旅行記だった。ちょっとがっかり。でも、村上さんはあくまでも小説が本業なので、ノンフィクションでは、本領発揮というわけにはいかないのだろう。 

 池内さんのは、以前「ひとり旅は楽し」を読んだ時に、気持ちのいい文章だなあと思っていたので、その原点ともなったエッセイをぜひ読んでみたかったのだ。が、どこの本屋に行ってもないので、ネットで注文することにした。もう20年近く前に書かれた本だが、背表紙には第10回講談社エッセイ賞受賞作とあるとおり、短い文章の中に味わい深いところが凝縮していた。ちなみに池内さんはドイツ文学の翻訳者としても有名で、映画にもなりカンヌ映画祭でグランプリを受賞したギュンター・グラスの「ブリキの太鼓」は池内さんの翻訳であり、僕の愛読書のひとつでもある。 

 たとえば「海山のあいだ」の中にある「鼻曲山」という短文には、雨の中ひとりで山登りをしたときのことが書いてある。「汗まみれ、泥まみれ、だれにもたのまれたというわけではないのに、苦労してエッチラオッチラ、山を越えてきた。ぬれっぱなしの一日で、山影一つ見なかった。いかなる景観を満喫したわけでもない。しかし、雨のおかげで、だれとも会わずにいられた。いっそう暗くなった樹林が幻のように目の底にのこっている」。そして、雨に打たれた植物のクズのことにふれ、最後にこう締めくくる。「雨はいっときであるが、風にゆれるクズのツルは、心の中にしまっておいて、これから何度も取り出すことができる」。

 こういう文章を読みながら、僕もまた過去の旅行の思い出を好きなときに引っぱりだすのだ。

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雨宿り

2013-06-28 10:27:36 | 福島

 梅雨真っ只中。晴れ間が広がっても、翌日にはどんよりと厚い雲が垂れ込め、どこかで雷がゴロゴロと鳴り出す。

 バケツの底が抜けたような土砂降りだと、カフェで流す音楽より、屋根や木立を叩く雨音のほうが大きく、それ以外の音はかき消されてしまうので、これはこれで静寂と同じ感覚になる。こんな日はお客は来ないだろうなと、雨音を聞きながら読書をしていると、カランコロンと玄関の開く音がする。

 やって来たのは若い女性だ。営業でこの辺を回っていると、ここの看板が目についた。こんなところに来るのは初めてだけど、勇気を出して思い切って尋ねてきたらしい。もっとも、勇気がいるような場所じゃないんだけど。

 車はどこに止めたのかと聞くと、営業車に乗せて来てもらったので、三時に待ち合わせしていると言う。コーヒーが苦手なのでアイスティーを注文するが、ガサガサ鞄の中をかき回しながら、「すいません、車の中に財布置いてきちゃいました」と、あわてて席を立とうとする。

「待ち合わせは三時でしょ。それまでどうするつもりですか」
「その辺をプラプラしてます」

 と言っても、外は土砂降り、周囲は民家しかないので時間をつぶす場所もない。 

「どうせだったら、もうここで雨宿りしていったらどうですか」
「はい、ではお言葉に甘えさせてもらって」

 熱い紅茶をサービスし、1時間ほど絵や写真の話をして時間をつぶす。

「ここは食事も出すんですか』
「グリーンカレーか和風パスタ、ピザくらいしかないですけど』
「じゃあ、今度は食事にでも来ます。今日はありがとうございました」

 そう言うと、小止みになった坂を傘をさして下りて行った。 

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破壊王

2013-06-26 17:56:52 | 福島

 月曜日、ラジオの収録のために家を出ようとした矢先、雷が鳴り出した。雷が鳴ると発狂するドリを残して行くのが気がかりだったが、家の中に閉じ込めて出た。少々物が壊されるくらいは仕方がないと諦めていたが、収録が終わって家に戻ってみると、見事に大暴れした形跡が残っていた。

 暑くないようにと網戸にしておいたらバリバリに破られ、ガラス障子がはまっていたところは以前ドリが割ってしまったので、代わりにプラ板をはめていたのだが、これも見事に割られていた。

 まったく、雷が鳴るたびにこの始末である。網戸はもう何度張り替えただろう。リフォームした壁や扉、ふすまもドリがガリガリと前足で引っ掻くので傷だらけだ。

 昨日のうちにプラ板を買っておいたので、今日はカフェの開店前にあわてて修理した。ペンキのはがれたところも、あらためて塗り直した。それにしても、ドリには困ったものだ。今年の夏、一体どれだけ破壊しまくるのだろうか。

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ラジオの収録

2013-06-25 11:39:57 | 福島

 昨日、ラジオの収録に行ってきた。午後4時からの収録だったので、3時過ぎには出かける準備を始めたのだが、その頃から急に雲行きが怪しくなり、さあ出かけようとしたその時、遠くのほうで雷がゴロゴロと鳴り出した。こうなると我が家の犬たちは黙ってはいない。いや、正確にはトトはガタガタと震え、普段よりよほどおとなしいのだが、ドリのほうはと言えば、狂ったようにあちこちを前足でカリカリやり始める。

 家の中に入れておいてはカフェを破壊されてしまうかもしれない。が、外に出すと家を破壊されるかもしれない。あるいはショック死する恐れもある。時間も迫って来たので、ええい、なるようになれだ、と家を出る。

 「ふくラボ」さんの番組を収録するラジオ局は、郡山市内のとあるマンションの一室にあった。こんな狭い場所でとびっくりするが、電波さえ飛ばせればラジオの放送なんて場所を取らないのだろう。ドアをノックしても誰も出て来ないので、恐る恐る中に入ると、部屋の隅に放送のブースがしつらえてあった。

 若い頃と違って、年をとると滅多なことでは緊張はしないが、マイクの前に座りヘッドホンを渡されると、さすがに慣れないシチュエーションにドキドキする。台本原稿は持って来ていたが、頭が真っ白になってきっとどこを読めばいいかわからなくなりそうなので、覚悟を決めて流れにまかせることにした。スタッフが「アベさんは好きなだけ喋ってください。後はこちらで処理しますから」と言ってくれたのも、背中を押してくれた。

 収録後、録音したものをみんなで聞き直す。失敗したら誰にも放送のことは黙ってようと思っていたが、聞き苦しいながらも(自分ではこっ恥ずかしくってもう聞けない)、素人だからこんなものかなとは思うので、宣伝のためにも放送日を告知しておく。7月19日(金)午前11時48分からと午後6時20分(再放送)。ココラジ、Fm79.1MHz。あいにく郡山市近辺しか流れないので、聞きたい人は郡山近辺まで出かけて来ること。

「お店の内装なんかでこだわったことは?」
「まるで雑木林の中にいるように、草木に包まれ、野鳥のさえずりも聞かれます」


「どんな野鳥が来るんですか』
「シジュウカラとかヤマガラとか、キツツキの仲間とか。今ちょうど巣箱でシジュウカラが子育てをしてるんですよ」

 

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半年がかりで

2013-06-24 14:11:38 | 福島

 お正月、怠惰な生活がたたってずいぶんと体がなまっていたので、ちょっくら鍛え直そうと、福島でもジョギングを始めることにした。ここは里山で起伏が激しいため、ジョギングというよりクロスカントリーと言ったほうがいいかもしれないが、体を鍛えるには最適だろうと、せっせと暇を見つけては走っていた。

 最初のふた月で、あっという間に体重が3キロ落ちたので、とりあえず目標を5キロとしたが、その後は走っても走ってもさっぱり変化がない。これはもっとハードな山歩きにでもでかけなければならないな、とは思うものの、休みが月曜日だけで、いろいろ買い出しなんかに行かなければならず、おまけに時間が取れても天候が悪かったりして、ハードな山歩きは実現しない。

 が、夏本番を迎え、気温が上昇してくると、今までと同じジョギングでも汗をかく量が半端ではない。今朝も熱射病になるリスクを背負ってジョギングに出た。少し走ると、全身から汗が噴き出す。ちょっと走っては立ち止まり、ちょっと走っても立ち止まり、なかなか前には進まない。

 折り返しのお宮まで行くと、トトが木陰で寝そべり、しばらく休んで行こうと言う。ここで休んでは効果がないのだと、トトを引っ張り家まで走って帰る。シャワーを浴び、ヘルスメーターに乗ると、おお、2キロ減っているではないか。ということで、正月からの目標5キロ減を実現したのであった。でも、冷たいものを飲んだら元に戻るんだけどね。

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夕暮れの散歩

2013-06-23 11:54:05 | 福島

 天気予報では夕方には雨が降るかもと言っていたが、予想は見事に外れた。近くまで雨雲が来ていたのか、風はひんやりと冷たいが、おかげで散歩するには最適の条件となった。

 空気は澄み、青空が広がっている。一年で昼が一番長い時期なので、夕方の散歩はいつもより少しだけ長い距離を歩いた。

 発達した入道雲が、夕日に赤く染まっていく。もう、どこを見渡しても夏一色だ。 

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里山の夏

2013-06-22 09:09:49 | 福島

  同じ夏でも、都会で過ごす夏、海辺で過ごす夏、田園で過ごす夏、里山で過ごす夏ではずいぶんと趣が違う。テレビニュースではどうしても都会の夏が中心になり、猛暑だの熱射病だのどちらかといえば負の側面ばかりが強調される。が、「夏」という言葉を見るだけで、僕はすぐに子供の頃の夏休みの思い出がわっと匂いたち、僕の肺をいっぱいにする。白い砂浜に打ち寄せる波、真っ青な空に入道雲、むせ返るような山の緑、ブンブンと頭の上を飛ぶミツバチ、田んぼで大合唱するカエルたち。

 一昨年、初めて訪れた東北の夏も今回が三度目。けれども、一昨年も去年も九州との間を行ったり来たりしていたので、充分東北の夏を感じたとは言いがたい。今年はとりあえず9月の車検までは九州に戻る予定はないので、東北の夏を満喫できそうだ。

 野鳥を呼ぶために給餌台に蒔いていたエサを、鳥たちがあちこちに食べこぼしたらしく、花壇からヒマワリがにょっきりと顔を出し、大輪の花を咲かせるまでになった。

 ヒマワリの根元では、ホームセンターで買って来たミニトマトの苗が生長し、青い実をいくつもぶらさげている。

 里山を散歩すると、今はタチアオイや除虫菊、アジサイが花をつけている。至る所で花を咲かせるヒメジョオンも、朝日を浴びるとその姿は宝石のようだ。

春先、カルガモが子育てをしていた用水池にはアオコが水面を覆いつくし、田んぼは水面が見えなくなるほど稲が大きくなって風に揺れている。

  

 夏は暑くて嫌だという人もいるけれど、僕はやっぱり夏が好きだなあ。特に田舎の夏は最高だ。 

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青い鳥

2013-06-21 16:29:37 | 福島

 カフェをやっててよく質問されるのは、「どうして青い犬という店名にしたのですか」ということだ。別にそう難しく考えたわけではない。これが「カフェ ドリ」とか「カフェ トト」だったら、どうしてですかと聞いてこないに違いない。問題は「青い」という箇所だろう。

 お店の名前を考えるときは、「これ」というのがあって決めたわけではない。犬を飼っているとか、里山にあるとか、そういうジャンルを10個ほど並べ、それぞれに10個ほど名前を考えた。これだけで候補は100個になる。が、それでもピンとくるものがない。最後は印象に残るには、当たり前の名前より少しくらい気持ち悪いくらいのほうがいいかなと思い「青い犬」になった。それに「青」という色も字面も好きだし、「青い」という言葉は「素人っぽさ」を含むので、初めてカフェをやる人間にはちょうどいいかなとも思ったのだ。

 で、名前というのはどんなものでもそうだが、時間が経つとそれ以外にはなかったような気がしてくる。トトにしても、名前を決めるまでは紆余曲折あり、当初は違和感もあったが、今になってみれば他の名前は考えられない。「オズの魔法使い」の主人公ドロシーの愛犬が「黒犬のトト」というのも、まるで不思議な符号のように感じる。

 「青い犬」も、当初はもっといい名前がある気がしていたが、今となっては一番しっくりくる名前になった。実際には存在しない青い色の犬も、幸福をもたらす青い鳥は身近な場所にいたというメーテルリンクの「青い鳥」を連想させて、僕にとってトトもドリも、同時に幸福の青い犬でもあったなという想いにさせてくれるのである。

 そういえば、メーテルリンクの「青い鳥」はまだ読んでなかったな。内容はなんとなく知っているが、今度あらためて原作を読んでみよう。

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打ち合わせ

2013-06-20 12:03:36 | 福島

 福島の情報サイトを運営する「ふくラボ!」さんから、ラジオにゲスト出演してほしいという申し出があり、宣伝にもなるからと了承したら、さっそくラジオ原稿を持って打ち合わせに来た。

「読み合わせをしたいんですがいいですか。できたらちゃんと時間も測りたいんで、最初から通してお願いします」

 というわけで、司会進行にあわせ原稿を読む。CMの入る時間に合わせて、それも測っている。普通に喋っていれば緊張もしないが、「アベさん、こんにちわ」「こんにちは~」なんて原稿を読まされると、なんだか妙な気分だ。

 放送時間は10分程度だが、実際に僕が喋る時間というのは2~3分もあるだろうか。なんだか早口で説明しているうちに、あっという間に時間が過ぎる。こりゃ、収録までに少し要点をまとめておかなくては、支離滅裂になりかねないな。もっとも、支離滅裂な人生を送っているので、それが本当のところかもしれないが。

 さて、放送内容をばらしたら面白くないのでここではしないが、最後に司会者と口頭でジャンケンをし、僕が負けたら「アトリエ・カフェ 青い犬」のお食事券をプレゼントすることになっている。が、原稿を見ると、そこのところが「汚職事件をプレゼントいたします」となっているではないか。

「これは僕に八百長をしろということなんですね」
「いいえ、いいえ、誤植です。変換を間違えました」 

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