古民家を利用し、日曜日だけ開館する個人美術館に行ってみることにした。普段は仕事に行っているとかで、日曜日しか開けないのだ。
車で10分ほど走ると、ぽこぽこと小高い丘の連続するのどかな場所の一角に、古い農家があり、そこが美術館だった。名前は「小さな森の和(やわらぎ)美術館」。
入ると直接土間の上に椅子やテーブルを置き、壁にはいろんな絵が架けてある。真ん中にはいろりがあり、あちこち開け放った縁側や窓からの景色は、雑木林に囲まれて実に平和だ。本棚にはいろんな美術書が並び、ラジカセからは音楽が流れてくる。
だが、「こんにちわ」と声をかけても誰も出て来ない。勝手に見学してもいいのかなと恐る恐る中に入り、人が来たら挨拶しようと思っていたが、最後まで人影はなく、そのまま館を出た。
カフェが始まるまで少しだけ時間の余裕があるので、車に乗せていった犬たちを阿武隈川まで連れて行く。
阿武隈川にはこの時期、たくさんの渡り鳥たちがやって来る。中でも白鳥たちの群れは町おこしにも利用されているようで、ちゃんと野鳥観察の看板も出ている。グワグワガーガー、その声はかなりうるさい。人間を見たら逃げるかと思ったら、餌付けをしているのか、グワグワガーガー鳴きながらどんどん近づいてくる。
ドリはうまそうなものが近づいて来たと思ったのか、グイグイと前に出る。トトは興奮して後ろ足でその辺の土をひっかける。
春のようにポカポカと暖かな陽気で、阿武隈川の水の色はびっくりするほど青い。その上を白鳥が優雅に泳いでいる。ドリは道端の草をワシワシ喰っている。