アメリカでは、健康保険制度を取り入れようとすると、反対する人間のほうが多いのでビックリする。国民皆保険の日本人からすると、健康保険がないということは信じられないが、社会保障という考えが社会主義、共産主義の考えだということを思えば、当たり前といえば当たり前だ。お金持ちは貧乏な人の面倒を見なければいけない、健康な人間は病気の人間の面倒を見なければならないというのが、その根底の思想なのだから。
しかしながら、その立派な思想の根底には、貧乏人は善、お金持ちは悪、だからお金持ちのお金は貧乏人にばらまく必要があるという、ねたみと嫉妬とうずまいていることにも注意しなければならない。
自分のことは自分で面倒を見る、というのは開拓者で成り立つアメリカの基本的な思想だ。だから銃でさえも自分の身を守るためには必要と考える。自分の健康も自分で管理する、自分の財産も自分で管理する。だから、健康保険も年金も、開拓精神には反する。そういう自分の面倒は自分で見る、という開拓者精神は、「保守派」と呼ばれる。お金持ちは貧乏な人の世話をし、健康な人間は病気の人の世話をするというのは「革新派」と呼ばれる。
ところが、この「保守」「革新」の意味合いは、日本ではあいまいにされている。結果、保守派も革新派も、手厚い社会保障は疑う余地もない政治の役目だと考えている。まずは、社会保障というのはどこまでも手厚くする必要があるのか、最低限度の社会保障でいいのか、本当はここのところを本気で考えなければならないのに、ずるずると借金を重ね、税収の不足ばかりを言う国に成り下がっているのである。




























