毎年しもやけができる。今年もみごとにしもやけができた。テレビを見ていたら、北海道の人でしもやけの人なんて滅多にいないという話をしていた。僕なんかは九州にいたって冬はしもやけになる。両手の指、両足の指、鼻の頭、とにかく先端は全部しもやけになるといっても過言ではない。きっと血流が悪いんだろうと思う。
ここ数日、「たった一人の北極行」という本を読んでいる。北極点を目指して、たったひとりで歩いて目指す。荷物はソリに乗せ、腰に結んだロープで引っ張る。氷原といっても真っ平らなわけではないので、盛り上がった氷の間を迷路のように進む。氷の上なので、たまに知らないうちに流されたりする。連日零下30度だの40度だのいう世界なので、本人はしもやけどころの話ではない。軽い凍傷で爪は剥がれ、危険の連続で神経をすり減らす。
というような本を読んでいると、僕のしもやけなんかは蚊がさしたようなもんだという気になる。たかだかしもやけだ、北極やエベレストにいることを思えば、まだまだ耐えられるはずだ。
そんなことを想像しながら、朝、犬の散歩のときに犬のウンコを拾ったり、洗濯物を外に干したりしている。