たまたまチャンネルを変えたEテレで、外国の生物学者が少年少女相手に話をしている番組をやっていた。子供(と言ってもかなり大きいが)向けの話なので、わかりやすく丁寧な上に、子供たちの質問にも答えていたので、僕にもわかりやすかった。話をしていたのは、ジャレド・ダイヤモンドという人で、番組名は「ダイヤモンド博士の”ヒトの秘密”」というものだ。
この人のことを調べてみると、「人間はどこまでチンパンジーか」や「文明崩壊」という著作がある。なんとなく最近聞いたことがある気がする。テレビで番組を持つくらいだから、ベストセラー作家なのだろう。
ともかく、話がわかりやすかったので、代表作でも読んでみようと取り寄せてみた。頼んだのは、「銃・病原菌・鉄」という本だ。帯には、ジャレド・ダイヤモンド累計115万部突破の文字が踊る。こりゃ、相当な有名な人だな。知らない僕が無知でした。
まだ読み始めたばかりで、ようやくプロローグが終わったが(上下二冊で800ページほどあるから先は長い)、少年時代は熱烈なバードウォッチャーで、鳥類の生物学者として辺鄙なところでフィールドワークをしていたらしい。面白いのは、作者が歴史学者ではないということだ。案外、専門的な人ほど窓口が狭く、歴史全体を俯瞰できる人は少ない。江戸時代なら江戸時代、それも綱吉の生類憐みの令だけに詳しい、そんな人ばかりなのである。
さて、プロローグを読んだ限り、テーマは簡単で難しい。なぜ人類は、地域によって原始的な生活を続ける人たちと、技術革新によって現代文明と呼ばれるものを手にいれた人たちに分かれたのか。文明人と呼ばれる人たちによる未開人の殺戮は行われたが、その逆が行われなかったのはなぜか。
学者の中には、そんなのは考えるまでもなく自明のことだと言う人もいる。あるいは、あまりに答えるのが難しい問題だと捉え、最初から考えないことにした人もいる。ジャレド博士は、歴史学だけではなく、遺伝子学や生物学、地質学などさまざまな分野が発展した今でこそ考えるに値するテーマだと言う。
簡単だけども、難しい。自明のことだと信じていたことが、本当は何ひとつ分かっていないということは、よくあることだ。案外僕らの身の回りのことなんて、そう言われているから、盲目的に信じていることばかりなのかもしれない。




























